産休明けの女性社員が書き上げた企画書から始まった
自身が共働きで時短や家事分担に苦労した経験に基いた住友林業女子社員の企画書がドゥーエ・クラッソの原点
と語るのは、住友林業 住宅事業本部 営業推進部 営業戦略グループ 次長の池田成男さん。ドゥーエ・クラッソの発売に携わった一人です(以下、コメントはすべて池田さん)。
「企画書を書いた女性社員は旦那さんも当社の社員。2人とも忙しいなかで、双子のお子さんの子育て、家事などを分担する時間をつくらなければなりませんでした。ハウスメーカーの人間だけに、当然、間取りにこんな工夫があればもっと夫と共同で家事がやりやすいだろう、こういう動線なら時短に有効なはずだ……といったアイデアが生まれ、企画書の作成につながったのです」
自分も含め、世の中の共働き家族に向けて何らかの支援をしたい、といった切実な気持ちがドゥーエ・クラッソの原点にあるのです。
「共働き世帯が1990年代前半から20年以上にわたって増えてきた社会的背景から、住友林業では、これまでも共働き世帯のライフスタイルを意識した間取りやインテリアなどを提案してきました。ただ、2016年夏に国が"働き方改革"を提唱し、これからますます仕事に臨むスタイルが変化していくことが予測されます。私たちは、それに伴って共働き家族は家での過ごし方をいままで以上に大切にするのでは、と考えました。そこで“共働き家族向けの家”をひとつの商品として発売しよう、ということになったのです」
「ちょっとじゃま!」と言わずにサクサク家事ができるキッチン
商品企画にあたって池田さんたちは、総計約500組の共働き家族を対象にしたアンケートを実施。さらに共働き世帯の方々に出席いただいた座談会も行って、共働き家族のリアルな意見を集めました。「そこから見えてきたのは、現代の共働き世帯の、特に30代前半以降の世代には『家事、子育てはシェアするもの』という意識が根付いているということでした。
ただ、例えば夫が洗い物を手伝いたいと思っても、参加しづらいキッチン動線だったり、妻は妻で動き回る夫に対して、つい『ちょっとじゃま!』などと言ってしまい、それがストレスになったり……という現状も分かってきました。
そうした悩みを解消し、妻、夫、さらに子どもも含めて家族全員で効率よく家事を行える設計の工夫、設備、収納などを設けた提案にしようという方針が固まったのです」
そこでつくられたのが、3種類の家事提案です。まずは、その名も「サク家事」。サクッと家事がはかどって時短に役立つような設計、工夫が採用されています。
「例えば洗濯動線への配慮です。下の間取図は2階建てで、通常1階にある洗濯機置場や浴室を2階に置き、すぐ前にバルコニー、裏側にストレージがある動線にしました。こうすることで、入浴前に脱いだ服を洗濯機に入れる→洗う→干す→たたむ→しまうが一本の線で結ばれます。
共働き家族は平日の洗濯は2階バルコニー干しが一般的。従来のように1階で洗濯すると、洗ったものをもって2階へ上がらなければなりません。そのストレスをかなり軽減する効果もあると思います」
洗う→干す→たたむ→しまうの各工程が近づき、洗濯がラクに完結できる動線
もうひとつ、サク家事の提案として取り上げたいのがキッチン。
「食事の用意、後片付けは手間のかかる家事のひとつだけに、夫、子どももぜひ活躍してサクッと終えたいところ。回遊できるキッチンなら互いにぶつかることもなく、スムーズにお手伝いができそうです。イラッとして『じゃま!いいからあっち行ってて!』といったセリフが飛び出すこともなく、みんなで進めれば時短にも役立ちそうです」
回遊できる動線のキッチンなら家族みんなで使っても混雑しない
子どもが自発的に洗濯物を取り込むようになる「仕掛け」
「トモ家事」とは、家族みんなで共に協力して家事を楽しむこと。家事参加のハードルが低く、肩ひじ張って頑張らなくても手伝えるように工夫されています。「例えば2階のバルコニー。ここは屋根付きで雨が降りそうな日でも洗濯物を干して出かけられます。ポイントは子ども部屋の横にあること。親より先に帰宅する子どもに洗濯物の取り込みを任せてもいいでしょう。
子どもは自分の部屋から距離が近いのでアクションが起こしやすく、そのうち自発的に洗濯物をたたんだり、他の家事を手伝うモチベーションのアップにつながるかもしれません」
バルコニーが子ども部屋の真横にあるから思わず洗濯物を取り込みたくなる?
また、トモ家事の場所としてダイニングキッチンのスタイルも提案。広々したスペースで家族みんなが立ってもストレスなく作業ができます。
「お父さんとお子さんが力を合わせて特別な料理をつくるのももちろん良いんです。でも、もっと大切なのは、普段から、食器を出して並べる、料理を運ぶ、食べ終わったら片付けるといった家事が続けやすい環境があること。それを続ければ十分にみんなで共に協力していることになります。また、お母さんが料理している間に子どもがダイニングで勉強していれば、勉強の様子を見たり、おしゃべりしたり、といった"ながら家事"がしやすいこともポイントです」
広々したダイニングキッチンなら家族が並んでも余裕があって家事がはかどる。子どもとのコミュニケーションもとりやすい
最新技術を暮らしに採り入れて、家事をサボろう!
そして3つめは「シン家事」です。これは今まであまり取り上げることのなかった"変化球"。日夜進化を続ける家電や技術をうまく活用して、暮らしを合理化しませんか、という提案です。「ご紹介するのは、例えばロボット掃除機や、新築~築浅マンションでは一般的になった宅配ボックス、スマホで帰宅前に快適な室温にしておくためのエアコンのコントローラーや、留守中の来訪者録画などができる録画機能付きテレビドアホンなどさまざまです。
ただ、もちろんハウスメーカーからの提案ですので、ロボット掃除機のステーションをあらかじめここに設計しておくと室内がスッキリします、あるいは、録画機能付きテレビドアホンの設置場所はこの場所なら目立たず広範囲に録画できます、といった具合に家をからめた視点を通しています。
家を新築されると家電も最新のものを買おうとする方は多いのですが、実はサイズが合わず置けなくて断念した、といった話は少なくありません。シン家事はそうした残念な事態を減らし、最新技術を上手に使って省力化、つまり、家事をサボってくださいという提案なのです」
ロボット掃除機のステーション設計の提案例
玄関門柱への宅配ボックス設置の提案例
共働き家族それぞれのスタイルに応じた設計変更も可能
サクッと時短する「サク家事」、家族で共に家事を楽しむ「トモ家事」、進化した技術に頼って生活を合理化する「シン家事」。それほど頑張らなくても快適に暮らせるアイデアの数々は、確かに共働き家族を力強くバックアップしてくれそうです。「しかしこれらのアイデアの主な役割は、ストレスを感じていたり、時間を無駄にしていたマイナスの部分を『0』に戻すこと。私たちは、ここから暮らしをプラスに転じさせるための『夢時間提案』も用意しています」
これは、家の中でのストレスが減って気持ちに余裕ができた、家事の時短で自由に使える時間が生まれた――そうした部分をさらに充実したものにしていただくため、心行くまでリラックスする、趣味に熱中できる空間をつくる、といった提案だそうです。
「例えばハンモックが吊れて、バーベキューもできてしまう大型バルコニーや、エステ感覚で楽しめるブローバス、読書に浸れる書斎、趣味に集中できるミセスコーナーなどです。
加えて、当社の研究所で実証実験を重ねて開発した住友林業ならではの木質内装、間接照明による快眠ベッドルームも提案しています。自然な入眠、スッキリした目覚め、質が高く深い睡眠が得られます。また、木製部材をお子さんの部屋に使えば集中力が増して勉強がはかどる、など、木の特性を活かした住まい提案もお客様に喜んでいただけると思います」
上は大型バルコニー、下は住友林業ならではの木質内装、間接照明による快眠ベッドルームの提案
この記事で紹介した『DUE CLASSO(ドゥーエ・クラッソ)』は、他の住友林業の一戸建て同様、一棟ずつ設計担当者が付き、家族それぞれのライフスタイルに応じた間取りや設計などカスタマイズをすることも可能です。子どもが小さな共働き家族はもちろんですが、お子さんが大きくなった後も、長く快適に住み続けられそうですね。
『DUE CLASSO(ドゥーエ・クラッソ)』について、より詳しい情報を載せたカタログは、全国のモデルハウスや支店、ウェブサイトで入手可能です。ぜひご覧ください。
【関連サイト】
DUE CLASSO(ドゥーエ・クラッソ)の間取り事例