歯科インプラント

歯肉整形とは……審美性をさらに高める治療法

せっかくインプラントで欠損歯を補っても、周囲の歯や歯肉との調和が取れていなければ美しい口元は得られません。周囲の歯との調和をはかるにはどんな方法があるのでしょうか? 今回は歯肉の形を整えることで審美性を高める治療法をご紹介します。

梅田 和徳

執筆者:梅田 和徳

歯科医 / 歯科インプラントガイド

美しい口元とは?

美しい口元の条件とは?

美しい口元の条件とは?

事故や口腔内環境の悪化によりインプラントを埋入することになったとき、特に前歯のインプラントでは単にインプラントを装着できればよい訳でなく、できればより美しい口元にしたいと望むのは当然のことでしょう。

口元の美しさを追求するとキリがないのですが、歯が綺麗なだけではなくその形や突出具合もとても大切な要素です。普段の自然な動きでどの程度口唇がめくれるかによって歯の見え方も違ってきます。時々この口唇のめくれる範囲の調整希望患者様もいらっしゃいます。そして口唇がめくれた時の歯の色や形は当然美しくなければなりません。歯だけではなく周囲の歯肉の色や形も大切なのです。歯と歯肉両方のバランスが整っていなければなりません。

  • 形は左右対称でシンメトリックになっていること
  • 健康な薄いピンク色であること
  • 唇がめくれた時の歯肉の見える範囲が適量であること
こういった高い審美性を求めた場合、歯そのものの形や歯並びだけでなく歯肉の形を少し整えてあげるだけでも大きく見た目が改善されることが多くあります。

歯肉整形の一例

術前の写真。

術前の写真。

まずは右の写真をご覧下さい。

歯を削ってセラミッククラウンをかぶせたり、ラミネートべニアを貼り付けたりするのでなく、レーザーで歯肉をトリミングしただけの治療例です。

 
術後1週間後。歯肉のアーチが整うだけで印象が変わる

術後1週間後。歯肉のアーチが整うだけで印象が変わる。

全く印象が違うと思います。患者様は周りの人に何かが違うと言われたそうです。

この患者様の場合は矯正治療を行って歯列は綺麗になったけど、口唇がめくれた時の歯肉と歯の感じがイマイチしっくりこない。そのような理由で歯肉整形を行うことになりました。

今回は部分麻酔で施術は5分ほど、痛みも腫れもほとんどなく簡単で最も効果的な方法で無事終了でした。もちろん歯肉の厚みや歯槽骨までの距離によってですが、うまくいけば歯肉整形だけでこんなに印象が変わるんです。上の写真は術前で下の写真は1週間後の術後。間違いなくスマイルが変わりますよね。

トータルで美しい口元を目指す治療

健全な天然歯に負担をかけないという大前提があるので、できる限り矯正治療とホワイトニングで自分の歯を削らないで対応することが増えましたし、欠損歯に対しては隣の歯に負担をかけるブリッジではなくインプラントを埋入するようになってきています。でも既に入っている不適合な詰め物や被せ物、審美的に周囲と調和がとれてないクラウンは矯正やホワイトニングではどうにもできません。そんなときはラミネートべニアやオールセラミッククラウンの出番になるのです。そして歯肉もそれに合わせて形を調整したり色の黒ずみを綺麗にしたり、そんな風に天然歯をできるだけ温存しながらも必要に応じて様々な治療法を組み合わせる、トータルで美しい口元を手に入れることが出来るのです。
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