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構造改革で成長ステージに立つパナソニックに注目

パナソニック(6752)は日本を代表する総合エレクトロニクスメーカーです。2012年3月期には巨額の赤字を計上したことで、経営危機が騒がれましたが、構造改革によって新たな成長ステージに入ったように見えます。

戸松 信博

執筆者:戸松 信博

外国株・中国株ガイド

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ほとんど全ての電気機械器具を取り扱う国内トップの総合エレクトロニクスメーカー

日本を代表する総合エレクトロニクスメーカーであるパナソニックは一時経営危機も騒がれましたが、現在は構造改革に成功し、新たな成長ステージに立っているように見えます

日本を代表する総合エレクトロニクスメーカーであるパナソニックは一時経営危機も騒がれましたが、現在は構造改革に成功し、新たな成長ステージに立っているように見えます

パナソニック(6752)は日本を代表する総合エレクトロニクスメーカーです。三洋電機やパナホームなど連結子会社577社を中心に構成される事業持株会社で、電気機械器具の殆ど全てを手掛けています。白物家電などエレクトロニクス分野から照明システム、防犯カメラ、そして車載分野まで、とても幅広い分野で事業展開しており、事業会社は大きく5つに分けられています。

2017/3期の売上構成比は、アプライアンス(エアコン、テレビ、冷蔵庫など)が29%、エコソリューションズ(証明、空調機器、太陽光発電システムなど)が19%、コネクティッドソリューションズ(航空機内通信システムなど)が13%、オートモーティブ&インダストリアル(車載システム、リチウムイオン電池など)が32%、その他(住宅、リフォームなど)が8%でした。海外売上比率は50%となっています。

構造改革にも目途!売上高成長と利益成長フェーズへ

2012年3月期に巨額の赤字を計上したことで、経営危機が騒がれましたが、コスト管理を徹底することや車載システムやリチウムイオン電池などの成長分野に注力する構造改革を進めたことで、現在では売上高成長とそれに伴う利益成長のフェーズに来たと見られます。

2018年3月期第1四半期の業績は、車載事業の好調とコストコントロールが奏功して大幅増益を達成しました。2019年3月期にはさらに構造改革の効果が本格的に発現し、オートモーティブ&インダストリアル事業が本格的に利益貢献してくる見込みです。

株価は上昇基調にあります。これには、テスラを中心とした電気自動車関連として車載電池事業に対する期待が高まったことや、好調な業績を踏まえた中期計画の見通しが評価されたことが背景にあるかと見られます。

また、地域別では、国内では高付加価値製品の展開による単価アップ、海外では東南アジアのインバータ比率上昇を背景としたエアコン需要が見込まれています。

17/3月末時点の財務状況は、自己資本比率26.3%、有利子負債1兆1240億400万円、現金等に1兆2707億円で、ネットDEレシオは0.49倍、流動比率1.2倍、営業キャッシュフローはプラスで、特に問題はなく、財務は改善が続いています。

構造改革も引き続き実施していきますが、ある程度メドがつき、収益化が加速していく段階に来ていることを踏まえると、株主還元に対する期待感も高まっていくと思われます。配当利回りが1.8%、PERが19倍程度と割安圏にあることから、もちろん市場全体の動向にもよりますが、株価は上昇の余地があると思います。

注意点としては、アビオニクスへの米国政府による調査(政府高官や航空会社従業員に対する贈賄の疑いがかけられています)には進展がないことが挙げられます。訴訟で同社が準備している引当金を上回る金額を要求されるかもしれず、そうなれば一時的な影響があるかもしれません。

参考:日本株通信

※記載されている情報は、正確かつ信頼しうると判断した情報源から入手しておりますが、その正確性または完全性を保証したものではありません。予告無く変更される場合があります。また、資産運用、投資はリスクを伴います。投資に関する最終判断は、御自身の責任でお願い申し上げます。
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