憧れと現実のギャップ

ガーデニング

「ていねいな暮らし」のイメージは人それぞれ。
あなたが理想とする「ていねいさ」とはどういうものですか?

「ていねいな暮らし」という言葉を近年よく目にするようになりました。庭で育てたオーガニック野菜を使ったホームパーティ、手作りのスコーンと海外からお取り寄せした茶葉でのアフタヌーンティー、掃除と片付けが行き届いている部屋に季節の花を飾り、子どもとおそろいのワンピースはママのお手製で、子どものお弁当にも手を抜かない。

……筆者のイメージするところの「ていねいな暮らし」というのは、こうした「インスタ映え」する、ステキマダム生活だったりします。時間がゆっくり優雅に流れていて、髪のお手入れもスキンケアもネイルサロンも日常に組み込まれていて、なんというか、毛先からかかとまでツヤツヤな感じ。

イメージが貧困ですか。そうですか。

でも、「ていねいな暮らし」に憧れているワーママというのは、多かれ少なかれこうした幻想を追い求めているような気がします。子どもを寝かしつけた後、散らかった部屋を見て「ていねいな暮らしとは程遠いなぁ」と、時折落ち込むママは少なくないのではないでしょうか。


「ていねいな暮らし」のどこに憧れるのか?

「余裕ができたら、ていねいな暮らしをしたいわぁ」「ほんとにそうよねぇ」……なんて話をしていても、実は人それぞれ「ていねいな暮らし」のイメージは違うでしょう。

「何に」余裕ができたら、「何を」ていねいにしたいのか、具体的に考えてみましょう。

○○に余裕ができたら、というのは「時間」でしょうか、「お金」でしょうか、「体力」でしょうか。それとも別の何かですか? また、何をていねいにしたいのでしょうか? 人によって、庭の手入れだったり、システム整備されたパソコン環境だったり、年に一度のバカンスの計画だったりするかもしれません。

筆者の「ていねいな暮らし」のイメージからは、「時間」と「体力」に余裕ができたら、「家事」と「美容関係」をていねいに、と思っているようだということが見えてきます。しかし、これらは、「時間」と「体力」がないから、と言い訳しながら、「家事」と「美容関係」に手を抜いているということでもあります。

人というのは概ね、好きなこと、楽しいことに手を抜こうとはしないものです。時間もお金もそのために確保しようとするものです。ですから、何かを言い訳にしながら「ていねいに」やっていない分野というのは、「手を抜かずにやったほうがいいと思っているけれど、本当はやりたくない」ことなのではないでしょうか。

筆者の場合、たった10分顔に貼り付けておくだけのパックでさえ、何ヶ月もご無沙汰ですから、「時間」や「体力」がないのではなく、単に「する気」がないのです。


「ていねいではない暮らし」で得られるもの

今や、家事にかかる時間と労力はお金で手に入るようになりました。外食産業はたくさんあるし、コンビニにはお総菜や冷凍食品も充実し、家事ができなくても食生活に困ることはありません。子どもの通園に使う布バッグ類も、ネットで発注することができます。家事代行を利用する人も増えました。

土をいじるよりゴロゴロしたい。ユニクロで十分。ニチレイが友達。そういう自分に若干の後ろめたさを感じながら、それに満足しているわけでも、これでいいと思っているわけでもないですよと、若干の向上心を“自分自身に”アピールしようとする時に出てくるのが「ていねいに暮らしたいわぁ」という台詞なのかもしれません。憧れとコンプレックスは紙一重です。

仕事と子育てに追われて、家事は概ね手抜き。子どものお迎え時間に縛られ、時間をやりくりして綱渡りのような生活。もっと自分の自由になる時間とお金がほしいと切実に願いながら、子どもの手が離れてくると、うれしい反面さみしくもなる。それは、バタバタした暮らしの中に楽しさがあったからではないでしょうか。

「ていねいではない暮らし」の中には、必要最小限で済ませてきた事柄の代わりに、得てきたものも多いはずです。仕事のキャリアやスキルだったり、人間関係だったり、お金だったり、子どもとの時間だったりするかもしれません。

限られた時間とお金と体力を、何に優先順位を置いて、使ってきたのでしょう? 一度立ち止まって考えてみると、今、自分が「持っているもの」「築いてきたもの」が輝いて見えてくるかもしれません。


1つだけ「ていねい」を作っておく

とはいえ、仕事と子育てだけでは味気ないもの。「インスタ映え」でも「リア充アピール」のためでもなく、自己肯定のために、1つだけ「ていねい」を作っておくといいかもしれません。「ていねいな暮らし」=「生活の潤い」と考えれば、取り入れていけるものはたくさん出てくるのではないでしょうか。すでに実践していることも多いはずです。

たとえば、月に○本は映画(DVDでもOK)を観る、年に○度はキャンプに行く、観葉植物を育てている、年に○回は美術館や博物館に行く、週に○回はウォーキング、家族の誕生日にはキャンドルで食事、クリスマスにはお取り寄せのシャンパンを開ける、餃子は手作り、などなど。

なお、筆者は石鹸を手作りしています。敏感肌で合う石鹸がなく、必要に迫られて作り始めたものですし、自分の中では「当たり前」になっているので、ある時「ていねいに暮らしているのね」と言われて驚きました。そう言われてみれば、(そこだけは)そうかもしれない。……そんな「ていねい」が、きっと誰の暮らしの中にもあるように思います。

生活全般「ていねい」にするのは無理だと割り切り、自分の中にある「ていねい」を見つけ出し、大切にしていくことが、「ていねいな暮らし」なのではないでしょうか。


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※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。