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不倫・浮気の「自分の一線」と「相手の一線」は違う?

議員同士の不倫が話題になっている。ふたりとも「一線は越えていない」と言い訳したが、女性たちは何を持って「一線」としているのか。普通なら肉体関係だと察するが、人によっては違う定義をもっている人もいるようだ。自分にとっての「一線」と、パートナーに要求する「一線」が異なる人もいる。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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「一線」は人によって定義が違う

写真:日刊現代/アフロ

写真:日刊現代/アフロ

国会議員と市議の「不倫」が話題になっている。ふたりが口にしたのは「一線は越えていません」という表現。一線というのは何を意味するのだろう。

男女で違う不倫の認識が違う、という話もあるが、同じ女性でも人によって定義は違う。また、自分の一線と相手の一線も違うという人もいる。既婚女性たちに聞いてみた。


夫の気持ちが他の女性に向いたら、その時点で「浮気・不倫」

一夜限りのセックスのほうがまだマシという声も

一夜限りのセックスのほうがまだマシという声も

肉体関係のあるなしは関係ない、気持ちが他の異性に向いた時点でもう「一線を越えている」と話してくれた既婚女性は多い。実際に自分の夫を想定して言っていると思われる。

「継続してふたりきりで会っているとわかったら、その時点で浮気認定ですね。肉体関係があろうがなかろうが関係ない。むしろ、一夜限りで関係をもったと言われるほうがまだ気が楽かもしれません」

ノブコさん(42歳)はそう言う。結婚して15年の彼女は、過去、夫の浮気を疑ったことがある。継続してひとりの女性と会っている気配があったからだ。それは夫の学生時代の友人だった。

「夫は友人だと言い張ったけど、相手は離婚したばかり。ふたりきりで会っているのは、おそらく彼女のほうが夫に気があるからではないかと思ったんです。ここで騒ぐのは狭量だと思われるかもしれないと感じつつ、『私はあなたが他の女性とふたりきりで会っているのがとてもイヤだし不快だ』とはっきり言いました。夫は不服そうでしたが、その後、彼女が地方の実家に戻ったらしく、関係は自然に遠のいたようです」

自分以外の女性を心配したり親身になったりするのは、すでに「浮気」なのだと彼女は言い張る。後ろめたいことがないなら家に連れてくればいい、とも。自分の学生時代の女友だちを家に連れてくるのは、男としては気恥ずかしすぎてできないのではないかと推察するが……。


友だち関係ならいい。そこから恋に発展する可能性があっても

二人っきりで会う仲でも、友だち同士だったらいい?

二人っきりで会う仲でも、友だち同士だったらいい?

一方で、二人っきりで会うような関係であっても、「友だち関係ならいいんじゃない?」という声もある。

「私も男友だちはいるし、夫に女友だちがいても別にいいと思う。男と女が会ったらすぐ不倫だ恋愛だって、みんな考えすぎじゃないでしょうか。最初から芽を摘まなければ、という女友だちも確かにいますが、それじゃあ人間関係が狭くなりますよ」

これはジュンコさん(38歳)の意見。ただ、友だちだからといって会っていたら、いつしか恋心が芽生えるリスクももちろんある。そこは織り込み済みだと彼女は言う。

「彼が私と別れる危険をおかしても、その彼女との恋を進めたいなら、それはそれでしかたがないと思うんです。私もいつ恋をしてしまうかわからない。そのとき、結婚を続けるのか、相手と恋愛に走るのか、どちらも手中にしておこうと思うのかはわかりません。
でも、私自身は、こそこそ不倫をするのは性に合わないから、どちらかに決めるでしょうね。今のところは、夫以上の男性がいないから、異性とは友だち関係にとどめると決めています」

そういったことについては、いつも夫とも話し合っているのだという。
互いにもし結婚生活を壊してもいいと思えるくらいの異性に外で出会ったときは、率直に話そう、と。だが、ふだんからなかなかそういう話はできない夫婦やカップルのほうが多いはず。


セックスを気持ちの上での「一線」にする人が多い

セックスを許す関係になれば、止められないと考える女性は多い。

セックスを許す関係になれば、止められないと考える女性は多い。


いろいろ意見はあるものの、「一線を越える」といったときの一線は、やはりセックスだろうという声が多い。

「なんだかんだ言って、夫が他の女性と肉体関係をもったと知ったら、私はイヤです。もし関係があっても『何もない』と嘘を突き通してほしい」(35歳)

このように、夫が他の女性セックスをしたら嫌悪感を持ってしまう、許せない「相手の一線」として挙げる意見がある。その一方で、

「実は私、他に好きな人ができてしまったんですが……」と言うのは、ユイコさん(40歳)だ。

「好きな人はいるけど、浮気ではありません。彼とは一線を越えていないから。お互いに好きな気持ちは確認しあっているけど、肉体関係はもっていないんです。どちらも結婚しているので……。いつもキスだけで別れます。せつないけど、もし肉体関係をもってしまったら、互いの家庭が破滅する。それが怖いし、自分が彼にのめり込んでいくのも怖い。今のままで、ずっとつきあっていけたらいいなと思っています」

彼女はキスまでだからまだ浮気ではないと主張しつつも、決して秘密がバレないよう細心の注意を払っている。また、セックスをしないことで、何よりも「自分の一線」を超えないようにしているように聞こえた。


「自分の一線」と「相手の一線」は違うと考える女性も

もうひとり、アヤカさん(44歳)はこんなふうに言う。

「夫に関しては、他の女性とふたりきりで食事に行ったり飲みに行ったりした時点でアウトですね。それが一線です。でも私自身については、セックスさえしなければいいんじゃないかなあと思っています。男の人って、好きな人ができると一気に突っ走るでしょ。それで家庭がごたごたする。
でも私は好きな人ができても、普通に家庭生活は送れます。子ども以上に大事な存在はないから、子どもをないがしろにするようなことはしないという自信があるのかもしれない。夫にはその覚悟がないように見えるんですよね(笑)」

確かに今の時代、上手に浮気を隠せるのは女性のほうかもしれない。自分にとっての優先順位がわかっているから、恋をしたからといって無謀に突っ走るようなことがないのが現状だ。


「一線」は人によって定義が違う。

自分とパートナーとでは、「一線」の定義が変わってくることもある。だが少なくとも、同じホテルの部屋に泊まりながら、「一線を越えていません」は言い訳としては通用しないだろう。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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