子供の状況判断力を育てる「5分間のおしゃべり」の内容とは?

自分で考えて行動する子供にさせるためには

自分で考えて行動する子供にさせるためには


子育てをしていると、「もっと計画的に動いてくれたらいいのに」「もう少し先々のことも考えてくれたらどんなに助かるか……」と思うことってありますよね。

「まぁ、子供だから仕方ないか」と思う方もいるでしょう。でも、少しでも未来を予測して動けるようになったら、ママは大助かりです。この記事では、アメリカの研究で分かった「子供の状況判断力を高めるコツ」をお伝えしていきます。
 

「今がOKなら未来もOKのはず」と楽観的な子供たち

夏休みのある朝、クーラーの効いた家の中で、お出かけの準備中。

ママ:「あとでお腹がすくから、しっかり朝ごはんを食べておきなさい」
子供:「大丈夫、お腹なんかすかない。もうお腹いっぱい。早くプールに行こうよぉ」

ママ:「外は暑いから、帽子をかぶって。熱中症になっちゃうわよ」
子供:「暑くなんかないもん。ネッチュウショウになんかならないよ」

外に出て、駅までの道中で、すでに、「暑いよ~」、そして、プールに着くころには、「お腹すいた~~」とぐずり出す……。

こういうことってよくありますよね。「どうして先々のことを考えて行動できないの!」と叱りたくなる場面にたくさん遭遇します。子供たちにとっては、今がすべて。後々のことを考えるのは苦手だなと感じることがたびたびです。

これまでの心理学の研究でも、「子供は未来のことを見通すのが苦手」とされてきました。「今が大丈夫なら、未来も変わらず大丈夫」と”現在”を中心に物事を考えているからです。このような楽観的な見方は、多くの場面で子供たちを助けてくれますが、でもやはり、「もうちょっと先々を考えて行動してくれたら」「できる判断はしてもらいたい」と思いますよね。

 

アメリカの実験で分かった、子供の判断力をアップするコツとは?

アメリカの大学が行った研究が、この判断力を促すヒントをくれています。ここでご紹介しましょう。

この研究の対象となったのは、3~5歳の81名の子供たち。全体を次のような4グループに分け、研究グループのメンバーと1対1で、5分間話し合うセッションを設けました。
  1. その子の近過去について話すグループ(例:その日の午前中何をしていたか)
  2. 近未来について話すグループ(例:このあと、何をするか)
  3. 遠未来について話すグループ(例:来週何をするか、大人になったら何をするか)
  4. 現在について話すグループ(例:今、何をやっているか)
そして、このセッションの後、研究グループの別のメンバーが、それぞれの子の状況判断力を計りました(よって、どの子がどのセッションを受けたかは知りません)。

すると、近過去と近未来について話し合ったグループ1と2の子供たちが、遠未来と現在について話し合ったグループ3と4の子供たちよりも、先々のことを考える力がすぐれていることが分かったのです。とくに顕著な差がついたのは、次の2つの力でした。

■リマインド力:「この部屋を出る前に、その箱を開けることを忘れずに僕に言ってね」のように、後で自分がやるべきことを事前に伝えておき、それを実際に行動に移せるかどうか

■見通し力:「森に行くときには、どれを持っていくのがいいかな?」「雪が降っていたら、持ち物はどれが適切?」のように、これから起こそうとしている行動にふさわしい環境を整えられるかどうか

さらにその後も、子供たち同士の会話を観察すると、グループ1と2の子は、「ボクが」「ワタシが」という人称代名詞を頻繁に使っていたのが特徴的だったそうです。

この結果に対し、研究チームは、『自分自身を近い過去、近い未来に頭の中でタイムトリップさせることで、「今」に生きる子供たちに「次に起こることへの備え」を想定する力をつけるのではないか』と示唆しています。
 

状況判断ができる子を育てるコツ-近過去と近未来

5分間のおしゃべりの効果がどれだけ持続するかは、さらなる研究が必要ですが、この実験で見られた即効性を踏まえれば、毎日の親子のおしゃべりの中に、今回のような「タイムトリップ」を含ませることが、自ずと持続性をもたらすのが分かります。

ポイントは、その子自身がタイムトリップをする感覚をもたらすことです。
  • 朝ごはんのとき、今日のやりたいことを話す(近未来)
  • おやつタイムに、その日やって楽しかったことを話す(近過去)
  • やったこと、これからやりたいことについての絵日記を描く(近過去、近未来)
このように、自分を主役として、頭の中で、時間の軸を変えていく試みがおすすめです。

お子さんと過ごす時間や、家族でどこかへお出かけするその時間に、この「タイムトリップ」を活用し、お子さんの判断力を育くんでいってみてはいかがでしょうか。

「外は暑いから、帽子をかぶろう」「水筒に氷をたくさん入れていきたい」と自ら判断できるようになれば、大収穫! ぜひ「近過去・近未来」にフォーカスした5分間チャットを取り入れてみてください。

*出典: Developmental Psychology (2017)「Training preschoolers’ prospective abilities through conversation about the extended self.」より

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※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。