若年層の退職金はいくらもらえる?

東京都産業労働局が2016年に発表した「モデル退職金」によると、大学を卒業してすぐに就職し、5年勤めた後自己都合で退職した場合の平均的な退職金額は、44万円でした。回答企業数は259社です。

勤続5年の退職金の平均額は44万円。この退職金どう使う?

勤続5年の退職金の平均額は44万円。この退職金どう使う?



勤続年数が1年の場合は8万7000円、3年の場合は23万6000円、10年の場合は114万8000円となります。学歴により差異があり、高卒よりも高専・短大卒、高専・短大卒よりも大学卒が高くなっています。

勤続年数、学歴による数値は表の通りです。
自己都合退職の場合の退職金

自己都合退職の場合の退職金


この数値を見てあなたはどう思われましたか?
結構もらえる、それとも意外に少ない、でしょうか。

20歳前後で就職し、10年後に会社を退職した場合、退職金は100万円前後しかもらえないのだという事実に向き合わなければなりません。

昔の常識は今の非常識といわれるくらい昔と今を比べると、社会、経済状況は大きく違います。終身雇用制度の維持は厳しい状況で、転職するのは当たり前の世の中に。加えて、現役期間を延ばして働き続けるにしても、ロボットや人工知能(AI)に10年後、20年後には仕事の半分以上が代替されると言われています。

と考えると、数十万~100万円程度の退職金をもらって次のステップへ向かうという慣習は今後当たり前になるかもしれません。

そこでポイントになってくるのは、この退職金をどう活かすかではないでしょうか。退職金の有効な使い方を一緒に考えていきましょう。

退職金の有効な使い方(1) 稼ぎ力を高めるための「無形資産」への投資

人生100年時代を迎え、私たちに求められているのは、平均的な能力よりも、スパイキーな能力です。あなたにしかできないだったり、あなたが優位に立ってできたりなどの能力を活かした仕事に就くことです。

また、10年、20年後も働き続けられるためには、ロボット・AIに代替されにくい能力の向上が求められています。例えば、共感能力、創造性、柔軟性、敏捷性、コミュニケーション力などです。このような能力やスキルを伸ばしていくための自己投資として、退職金の全額を使っても良いかもしれません。

また、自分自身のスキルアップだけでなく、人脈作りに活用しても良いと思います。ちなみに、私は、大学を卒業してすぐ就職し、会社員として6年間勤めた後、起業しましたが、もらった退職金は仕事を頂ける人脈作りや、一緒に働いてくれる仲間探しのために全て使いました。手前味噌ですが、経営は順調であり、この人脈作りや仲間探しという「無形資産」への投資は成功していると言えます。

人生100年時代では、60歳で定年を迎えるという概念はなく、70歳、80歳まで働き続ける人が多くなると思います。その時、安定した収入を得ながら、働き続けるためには、無形資産への投資は欠かせないでしょう。

退職金の有効な使い方(2) お金に働いてもらうための「金融資産」への投資

自分自身の稼ぎ力を高めるだけでなく、お金にも働いてもらうことも考えていく必要があります。お金に働いてもらえれば、自分がケガや病気など、働けなくなっている間も収入が得られます。つまりリスク分散できます。

初心者がまずトライしたいのが「投資信託」。投資信託とは、多くの投資家から集めたお金を1つにまとめて、ファンドマネージャーと呼ばれる運用のプロが株、債券、不動産などの商品に投資する仕組みの商品です。

個人で株式投資を行う場合、分散投資を行うにも資金がないと複数の銘柄に投資できませんが、投資信託の場合、投資家から集めたお金を1つにまとめて投資をするので、多くの銘柄や商品に分散投資が可能です。ちなみに投資信託は、今や100円から投資できます。

金融資産への投資を行ったことがない人は、数十万~100万円程度の退職金の一部を、金融資産への投資に活用し、お金に働いてもらうことを始めるべきでしょう。
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