家計簿・家計管理/食費、水道光熱費、レジャー費など変動費の削減

一度は登ってみたい富士山、いくらかかる?

日本の象徴で世界遺産でもある富士山、一度は登ってみたいと思っている人も多いのではないでしょうか。富士山の登山ガイドは世の中にたくさんあり、それらで役立つ情報を得ることができるので、この記事ではマネーガイドの立場から、自身の体験をもとに富士山に登るための費用に着目してみました。

松浦 建二

執筆者:松浦 建二

医療保険ガイド

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富士山への交通費

この記事では東京駅または新宿駅から富士山(吉田口)へアクセスする方法と費用について取り上げます。富士山に登る時はマイカーではなく電車やバス等の公共機関を利用する方がよいです。登山中にケガをして運転できなくなる場合や、疲れ果てて運転するのが危険な場合等が考えられるからです。夏の登山シーズンはマイカー規制もあります。心と体に余裕を持って登山できるよう、できる限り電車かバスを利用しましょう。

主なアクセス方法と費用(大人1人料金)
  1. バス 東京駅~富士山駅・河口湖駅 片道2,000円(富士急行)
  2. バス 新宿駅~富士山駅・河口湖駅 片道1,800円(富士急行 web)
  3. バス 富士山駅・河口湖駅~富士スバルライン五合目 片道1,540円往復2,300円(富士急行7月1日~9月10日)
  4. バス 新宿駅~富士スバルライン五合目 片道2,600円(富士急行 web)
  5. 鉄道 東京駅~大月駅 片道1,490円(JR東日本) 
  6. 鉄道 新宿駅~大月駅 片道1,317円(JR東日本 ic) 
  7. 鉄道 大月駅~富士山駅 片道1,020円(富士急行)
  8. 鉄道 京王新宿駅~京王高尾駅 片道360円(京王)
  9. 鉄道 高尾駅~大月駅 片道580円(JR東日本)
  10. 鉄道・バス 富士山五合目フリーきっぷ 大月駅~富士スバルライン五合目 往復3,700円(富士急行) ※2日間有効 途中乗り降り可

新宿駅から大月駅まで特急(指定席)に乗ると1,000円プラス、大月駅から富士山駅まで特急(自由席)に乗ると400円プラスです。交通事情で遅れる可能性もありますが、安くて楽なのは上記4の新宿から富士スバルライン五合目へ直接行くバスです。鉄道でお得に行きたいなら上記8~10を組み合わせるとよいです。
富士登山で利用する富士山駅、既に標高809mです

富士登山で利用する富士山駅、既に標高809mです

 

山小屋の費用

弾丸で日帰り登山(体力的にきつく勧められません)をしない限り、どこかの山小屋に泊まることになります。山小屋なので、個室ではなく1人あたり1畳もないスペースで寝るだけです。風呂なしトイレ共同で、着いたらひと眠り、夕食時に起きて食べ終わったら再び寝るだけです。ちなみにチェックアウトは午前4時です。一般的なホテルや旅館に比べたらあまりにも早いですが、頂上でご来光目的の人が多く、4時で早すぎて文句を言う人は見かけませんでした。利用した山小屋の宿泊料金は大人も子どもも1人あたり8,500円でしたが、利用日や食事の有無によって異なり、山小屋による違いも含めて、おおよそ5,000~1万円程度となっています。
富士山の急斜面に建っている山小屋(下山道より)

富士山の急斜面に建っている山小屋(下山道より)

 

トイレのチップ

富士山に水洗トイレはなく、環境を考えたバイオ式等のトイレになっています。手を洗う水は一応あります。利用するにはチップが必要となり、1回の利用で200~300円かかります。登り始めてから下山するまで何回トイレに行くかは個人差や気候条件にもよりますが、100円玉を20枚くらいは用意しておいた方がよいかもしれません(重くなりますが)。
 

登山中の飲食

山小屋は基本的に夕食付きで、朝食ももらえます(宿泊した山小屋では食べない)が、その他の飲食は持参するか登山中に買うことになります。富士山の吉田ルートは途中で食べ物や飲み物を買える機会が多く有難いことですが、街中のスーパーで買うより価格は当然高いです。例えば、五合目で食べたカップラーメンは400円、山頂で食べたカレーうどんは1,300円しました。東京のスーパーで買って持っていけば節約になりますが、荷物が重くなるので、特に飲み物の持参はほどほどにしておいた方が無難です。
 

登山後の温泉

山小屋にお風呂やシャワーはなく、下山時は砂走での砂ぼこりがすごいので、終わった後は汚れや汗を流してさっぱりするために、温泉に入ってから東京へ帰りたいものです。五合目(吉田口)から東京へ帰る途中で、ガイドが利用したことのある温泉は下記の2つです。
民家のような雰囲気の葭之池温泉

民家のような雰囲気の葭之池温泉

  • ふじやま温泉
    富士急ハイランドのそばにある新しい温泉施設です。駅からは遠いので、河口湖駅か富士山駅から無料送迎バスを利用するのがベストです。送迎バスに乗れないと路線バスかタクシーでの移動になるので、節約するなら無料送迎バスの時間に合わせて移動しましょう。利用料は大人1,500円(土日祝は1,800円)で若干高めですが、広く開放的でとても気持ちの良い温泉です。
  • 葭之池温泉
    昭和の雰囲気が漂うこぢんまりとした温泉です。富士急行線で富士山駅から3駅目の葭池温泉前駅から歩いて3分と寄りやすい場所にあります。特急や富士登山電車は葭池温泉前駅に停車しないので注意が必要です。利用料は600円(1回入浴60分以内)と気軽な設定ですが、シャワーやシャンプー・リンスがなく、脱衣所と浴室が一体化しているとてもコンパクトなつくりです。静かでアットホームな温泉に入りたい人向きといえます。

登山用の損害保険

ケガをして自力で下山できないような時のためにも登山用の保険には加入しておきたいものです。1泊2日の富士登山でしたら数百円~1,000円程度で損害保険会社や共済の登山用保険(共済)に加入することが可能です。
 

その他の費用

環境保護等のための富士山保全協力金として大人1人につき1,000円(子どもは協力可能な額)かかります。吉田ルートでは登山道入り口(馬がいるあたり)で払います。また、富士スバルライン五合目には有料のコインロッカー(300円~/1日)があるので、登山には不要なものを置いておくことができます。
 

富士登山にかかった費用と節約ポイント

家を出てから帰ってくるまでの全ての費用は、ガイドの場合で21,000円程度でした。節約のポイントは主に往復の交通費です。富士スバルライン五合目まで往復直行バスなら、かなり安く済みます。その代り温泉に入るなどの寄り道ができません。買い物をしたり移動で特急に乗ったりすると総費用は増えます。

富士登山は東京駅や新宿駅発のツアーがたくさんあります。ツアー代金は1万円台の設定が多く、その他の費用を入れても個人で自由に行くのと大きな差はありません(大人の場合)。団体行動なのでいろいろ制約はありますが、登山ガイド付きがよいなら検討してみてもよいでしょう。


富士登山ができる時期は決まっていて、7月上旬から9月上旬まで(2019年の吉田ルートは7月1日~9月10日)です。富士山の頂上を目指すには、それなりの体力や覚悟が必要で、天候にも大きく左右されます。ガイドが登った時は快晴で風も弱く絶好の登山日和でしたが、登山中に2度も頭が痛くなり、かなり苦労しました。かかる費用は少ないに越したことないですが、安全な登山を是非最優先してください。

※記事で紹介した各費用は2016年に経験した時の実際の額で、交通費等は2019年の内容に更新してありますが、場所によって異なったり価格改定していたりする場合もあります。
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