東京の犯罪件数ワースト3は新宿区、世田谷区、足立区だが……

世の中で遭遇したくないもののひとつが犯罪。年々減少しているとはいえ、東京都内では年間に4万件弱の犯罪が発生、大切な財産を盗まれるなど不幸な目に遭っている人がいる。そんな場面に遭遇しないよう、どこでどんな犯罪が発生しているのかを知るために役立つのが警視庁が公開している犯罪情報マップ

犯罪情報マップ

警視庁の犯罪情報マップトップページ。これから住む場所を探す人は市区町村別のマップから全体像を掴み、実際に住んでいる場所の安全を確認する場合には町丁目のマップを参照するなど、場面に応じて使い分けよう。スマホサイトもある。また、交通事故情報もまとめられているので、小さな子どものいる家庭などではそちらも確認しておこう(クリックで拡大)

マップは3種類からなっており、うち2つは区市町村単位、町丁目単位で全刑法犯及び犯罪ごとの発生状況が調べられるというもの。もう1つはひったくり、公然わいせつ、路上強盗及び子どもや女性に対する声かけなどの不審者情報の発生地点を確認できるもので、小さな子どものいる家庭では参考になる。

ここで注意したいのは犯罪ごとに発生する場所には微妙な違いがあるという点。平成29年4月時点での過去一年間の犯罪全体で見ると、発生件数が多いのは新宿区、世田谷区、足立区の順になっているが、車上狙いが最も多く発生しているのは江戸川区。空き巣などの侵入窃盗は足立区に次いで世田谷区で多く起きており、万引きは渋谷区も新宿区に近い発生状況となっている。
住宅街

繁華街、住宅街、公園、路上など、場所に応じて起こりやすい犯罪があることを知っておこう(クリックで拡大)

これは犯罪によって狙われる場所が違うという事情から。店でモノを盗む万引きは、当然店が多い繁華街で発生するから新宿区や渋谷区、豊島区で頻発する。空き巣などの侵入窃盗は駅や幹線道路近くの逃げやすい場所にある集合住宅、一戸建てが舞台になりやすいため、住宅街で発生する。車上狙いは駐車場で起きることが多いため、大きな公園のある場所で頻発しているのである。

また、区域、市域が広いと犯罪件数も増える。世田谷区がワースト3に入っていると聞くと、びっくりするが、その大半は自転車盗のような、盗まれた本人には大変だが、それほど周囲には大きな影響のない犯罪だったりもする。その意味では、何がどこで起きているかを見る方が大事。その観点で以下、詳細に見て行こう。

犯罪が少ないのは文京区、荒川区、目黒区と都下の大半

まずは犯罪が少ない自治体を見て行こう。23区内で最も少ないのは文京区で、発生している犯罪も自転車盗、万引きなどが中心。周囲に大きな被害を及ぼす犯罪はあまり起きていないというわけである。ついで少ないのは荒川区、目黒区。

だが、だからといって安全と言い切れるかといえば、そうでもない。私自身は『安全』なはずの目黒区に住んでいるが、数年前、ご近所の高齢者夫婦が住む一戸建てに見ず知らずの男が押し入り、夫を刺殺するという事件があり、震えあがった覚えがある。事件はどこででも起こる可能性があるのだ。
町田駅前

都下では町田市、八王子市での犯罪件数が多いが、市域が広く、人口が多い上に繁華街を抱えていることを考えると、致し方ない部分も。写真は町田駅前(クリックで拡大)

23区内に比べると都下はもっと犯罪が少ない。繁華街があり、市域の広い町田市、八王子市を除けば、平成29年4月までの1年間で700件以下となっており、これは前述の23区のベスト3区とほぼ同じ水準である。

空き巣が多いのは足立区、葛飾区、練馬区、世田谷区

ひったくりに会わないための注意点

ガードレールのない道を歩く時は背後に注意を。バッグは車道側に持たないことも大事(クリックで拡大)

続いて犯罪ごとにどこで多発しているかを見て行こう。ひったくりは足立区、江戸川区で多く起きている。ひったくりでは被害者の約9割が女性で、しかもそのうちの約7割が車道側にバッグなどを持っていて被害にあっている。犯人の8割強はバイク、自転車を利用しているので、後ろから音がしたら、バッグを車道とは反対側に持つなどして備えたいところ。車道と歩道の区別がない道路は特に要注意だ。

空き巣などの侵入窃盗が多いのは足立区、葛飾区、練馬区、世田谷区。住宅街が中心になっており、備えるためにはドア、窓などに補助錠を付ける、人が近づいて来たら灯りが付くようなセンサーライトを設置するなどの自衛手段に加え、戸締りを忘れない、合鍵を玄関近くなどに置いておかない、留守と分かられないよう新聞などを溜めないなどの日頃の生活での用心も大事。物件を見る時には侵入時の足がかりになるような塀、電柱などが部屋の近くにないかも見ておきたいところだ。

自動車、オートバイ、自転車は駐車の仕方で犯罪を防ぐ

自転車置き場

自転車、オートバイなどの乗り物が盗まれるのは停めてある場所からが多い。きちんと鍵をするのはもちろん、できるだけ管理人がいたり、防犯カメラがあるなど安全な場所に停めたい(クリックで拡大)

車上狙い、自動車盗は駐車中に狙われることが多いので、街よりも駐車場をチェックすることが大事。もちろん、路上に放置駐車はしないようにしたい。また、犯罪にあった人のうち、実に35%以上が鍵を付けていなかったというから、短時間離れる時でも確実に施錠することが基本だろう。

車上狙いが多いのは江戸川区、自動車盗は足立区。だが、自動車盗は多くても年に数件以下と減少しており、大半の自治体ではほとんど発生しなくなってきている。

オートバイは自宅から盗まれていることが多いため、これも街というよりも自宅駐車スペースの確認が重要。自転車の場合も全体の4割強は自宅で、それ以外では駐車場、路上で盗まれており、うち45%が鍵をかけていなかったという。

特に自転車の場合は広く、薄くあちこちで発生している。多い自治体を上げると、オートバイでは練馬区、豊島区、足立区、江戸川区、江東区、自転車は足立区、世田谷区でやや多い。

粗暴犯、万引きは繁華街で起きる

繁華街

人が多く集まる繁華街ではどうしても犯罪が起きやすくなる。出かける際には巻き込まれないよう、自衛も考えよう(クリックで拡大)

暴行、傷害、脅迫、恐喝、凶器準備集合などいわゆる粗暴犯と呼ばれる犯罪、万引きは主に繁華街で起きる。前者が多く発生しているのは新宿区、渋谷区、港区であり、万引きが多発するのは新宿区、渋谷区、豊島区。他の自治体でもこうした犯罪が起きやすいのは駅近くの繁華な場所である。

それ以外の犯罪では発生数はそれほど多くないものの路上強盗は板橋区、八王子市で多く、公然わいせつは強いていえば北区、世田谷区、大田区、東村山市で多少目立つところである。

警視庁の犯罪情報マップ以外にも各自治体が犯罪や不審者情報をメールなどで配信しているので、気になる人はそうした情報をチェックしておくのも手だ。

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