費用を掛けずにセンスアップ、アクセントクロスを使う壁紙テクニック
費用を掛けずに空間をセンスアップさせてくれるのが、アクセントクロスを使う壁紙テクニックです。新築でも張替えリフォームでも基本のノウハウを覚えておけば、リビングや寝室はもちろん、トイレでも応用が効きます。上手に選んで、おしゃれな部屋づくりを楽しみましょう。アクセントクロスとは、一部だけ異なる壁紙を張るテクニック
アクセントクロスとは、壁の一部分にハッと目を引くような色柄の壁紙を張って、空間を演出するテクニックです。白い壁にさし色を楽しんだり、あでやかな柄で華やかさを添えたりすることで、空間に個性が生まれ、インテリア性がぐんと高まります。壁の一部分だけにアクセントクロスを張った例。一気におしゃれ感がアップ(シンコール)
アクセントクロスのメリットは、基本的には4面ともに同じ柄の壁紙を張った時と比べて、ほとんど変わらない費用で楽しめるところにあります。どうせ壁紙を張るならチャレンジしないともったいない! 成功の秘訣は分量バランスと色柄選びにありますので、取り入れる際には張る位置と面積を吟味するところから始めましょう。
アクセントクロスはバランスが大事、壁紙を張る位置と面積を吟味する
アクセントクロスは部屋に新しいイメージを生み出す存在です。まずは室内をじっくりと見まわして、アクセントクロスが映える壁面を探しましょう。定番の張り位置は、ドアを開けて部屋に入った時に、目につきやすい位置にある壁面です。例えばリビングならソファーの背側、もしくはテレビの設置面、マンションの場合は梁の部分だけに張るテクニックもあります。トイレの場合は、どの壁面でも大丈夫ですが、アクセントクロスをより際立たせたい場合は、ドアや窓が無い壁面を選ぶと、美しく映えます。
アクセントクロスがよく映える壁面を探そう。分量の目安は全体の20~30%程度が目安(シンコール)
アクセントクロスの分量は、部屋全体の壁量の20~30%程度で押さえておくと、バランスよく決まります。つまり4面の壁の中のだいたい1面程度。これを超えるとバランスが崩れて全体がくどくなってしまうことがありますので、注意しましょう。
と言っても空間の分量イメージを測るのはなかなか難しいものです。わかりにくい場合は、部屋の内部の様子を写真に撮って見直してみると、客観的にバランスを見ることができます。
アクセントクロスはメリハリを利かせるのがコツ、壁紙の選び方
アクセントクロスを上手に選ぶコツは、とにかく思い切りよく選ぶこと! これが大事なポイントです。壁紙選びでは多くの場合、派手過ぎないように、飽きがこないようにと、どうしても無難な色柄を選ぶ傾向があります。でもアクセントクロスでそれをやってしまうと、メリハリの無いぼけた空間になってしまいます。中には微妙な色違いを選んだら、汚れて見えて失敗したというケースもあります。壁紙選びでは、サンプルブックを見て選びますが、ページをめくっていると、こんな派手な色柄はいったいどこに使うの?というようなものが見つかります。実はそういうものこそがアクセントクロスにぴったり! 思い切りよく選んだほうが、インテリアの性格付けがしやすく、メリハリのある空間に仕上がります。
色とりどりの壁紙のサンプルブック。こんな赤い色やブルー、チャコールグレーこそアクセントクロスにぴったり(シンコール)
アクセントクロスに使う壁紙を選ぶ際には、まずサンプルブックから気に入ったものを数点選び、大きめの実物サンプルを取り寄せてもらいましょう。A4サイズほどの実物サンプルがもらえます。大きめサンプルが入手できたら、アクセントにしたい壁面に実際に張り付けて、色柄の見え方を確かめましょう。
小さなサンプルと大きな壁面では、色柄の見え方が異なります。大きな面積で見ると、サンプルより一段淡く明るく感じますので、サンプルブックから選ぶ際には目指す色より、少し濃い目で選ぶといいでしょう。例えば同じ赤色でも、濃い目ならクラシックでアンティークが似合う部屋に、明るい目ならモダンでポップな印象になりますので、失敗しないよう必ず大きめサンプルで確認しましょう。
外壁の色選びと同じ。小さなサンプルと大きな壁面では見え方が違う。
サンプルから選ぶ際は、目指す仕上がりの色より、暗め渋めで選んでおくのがポイント。(外壁塗装リフォームの色選び、失敗しない色の探し方より)
人気のグレー色を使う場合は、ナチュラルな空間に似合うベージュがかった温かみのあるウォームグレーと、モダンな空間に似合うシャープなクールグレーがあり、どちらを選ぶかでイメージが変わり、似合う家具や床も異なります。
ナチュラルなテイストを目指す場合は、クール過ぎないウォームグレーを選んでおくと、フローリングの床とバランスが取りやすくなります。またグレーは濃すぎるくらいでちょうどよく決まります。淡いグレーは汚れて見えてしまうことがあるので注意が必要です。
グレーは濃すぎると思うくらいでちょうどよく決まる(シンコール)
人気の北欧スタイルを目指すなら、大きな花柄や明るいブルーもいいでしょう。壁紙の魅力は柄物が豊富なところにあります。下の写真は、このページの最初にご紹介した赤いアクセントクロスの写真を、ブリック調の柄物に変えた様子です。一気にカフェインテリア風になりました。
先ほどの赤いアクセントクロスの写真を、ブリック調に変えるだけで部屋のイメージがガラリと変わる(シンコール)
このように、アクセントクロスはインテリアの主役級の存在感を持ち、部屋に新しいイメージを生み出してくれます。自分が作りたいインテリアに合わせて、壁紙選びを楽しんでみて下さい。
アクセントクロスはインテリアの主役になる、失敗しないコツ
アクセントクロスを取り入れる際に注意したいのが、カーテンや家具、ドアや床とのバランスです。まずは床の色とのバランスを見ましょう。床は黄色味がかった茶色で、壁は赤味がかった茶色といったように微妙に異なる色が接すると、あまり美しくありません。思い切って反対色にする、茶色を使うならオレンジ系、黄色系など系統を揃えるなどして壁と床のカラーバランスを整えましょう。またアクセントクロスの壁面に家具を置く場合は、家具の色とのバランスを見ることも大切です。
ダイニングにブルーグリーンのアクセントクロスを配した様子。カーテンや照明に反対色を使ってコーディネート(サンゲツ)
カーテンやクッションなどもアクセントクロスとコーディネートすると、さらにおしゃれな雰囲気になります。壁紙の色とカーテンをあわせたり、逆に反対色を使ったり。部屋全体のバランスを整えることで、アクセントクロスの存在が活きてきます。
リビングのアクセントクロスの例、大きな空間はシックに決めて
リビングは家族が集まる共有空間であり、家の中でも比較的大きな部屋です。アクセントクロスはあまり派手過ぎず、シックなタイプを選んでおくと、家族全員が落ち着く居心地のいい空間になります。またリビングは色数が多い部屋ですので、小物や家具のテイストをできるだけ絞るようにするとインテリアの完成度が高まります。やさしいブリック調のアクセントクロスの壁紙を張ったリビングダイニング。アクセントクロスの柄と黒色が映えるよう、それ以外の色数は極力抑えている(シンコール)
爽やかなミントグリーンのアクセントクロス。壁紙の色が活きるよう、それ以外はシックにまとめている(シンコール)
寝室のアクセントクロスの例、優しく落ち着いた色柄を選んで
寝室はぐっすり眠れる癒しの空間であることが肝心ですので、アクセントクロスを選ぶ際も、目にやさしく落ち着いた色柄を選ぶといいでしょう。寝具のカバー類と色柄をコーディネートすると、まとまりのある部屋になります。また寝ている間に派手なアクセントクロスが視界に入ると、目に強すぎて落ち着かなくなることがあります。寝室での定番の位置は、ベッドヘッド側の壁面です。空間のバランスが取りやすくなるだけでなく、目に入りにくいので落ち着いて眠ることができるようになります。
ベッドヘッド側の壁面に落ち着いた色柄のアクセントクロスを配した例(サンゲツ)
落ち着いたレンガ調のアクセントクロス。壁紙一枚でリゾート感あふれるイメージに変わる(シンコール)
トイレのアクセントクロスの例、目いっぱい派手に楽しんで
トイレはリビングや寝室と違って居室ではなく、また閉じられた空間ですので、思い切り派手で楽しいアクセントクロスを使っても大丈夫です。好きな色柄の壁紙を張って楽しみましょう。トイレは思い切り派手に楽しんでも大丈夫!(シンコール)
またトイレの場合は、デザインだけでなく消臭、調湿、防カビ、抗菌、汚れ防止などの壁紙の機能にも注目すると、さらに快適な空間になります。機能性壁紙とアクセントクロスを組み合わせて、快適&おしゃれなトイレにするリフォームのアイデアは下記でご紹介していますので、あわせてご覧下さい。
壁紙の上からアクセントクロスをDIYで張る、異素材を使う方法も
壁紙の再現性はかなり向上していて、ひとくちにビニールクロスと言っても、一見すると木やタイルのように見えるものが数多くあります。またアクセントにするのに、壁紙の上から本物の木やタイルを張る方法もあります。例えばDIY用の生のり付き壁紙を使って今あるビニールクロスの上から様々な色柄の壁紙を張ったり、おしゃれなタイルを張ったり、水性塗料でペイントしたり。様々なアイデアで、部屋をセンスアップさせましょう。
カウンターの下だけアクセントクロスを張った例。木のように見えるが壁紙(サンゲツ)
DIY用の生のり付き壁紙を使ってアクセントクロスにする例や、壁紙の上から張ることができるタイル、水性塗料使った壁紙のペイントについては下記で詳しくご紹介していますので、あわせてご覧ください。
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