グロムが見た目を一新して登場!
2013年6月に初代グロムは発売され、ギア付の原付2種クラスは当時からあまり販売されていなかったので大いに注目されました。
日本で原付2種クラスは実用性が求められる傾向があり、オートマで荷物を入れるシート下ラゲッジスペースがあるスクータータイプが人気ですが、日本の市場でもギア付のグロムは受け入れられました。
ですがグロムの人気は日本よりも海外の方があり、生産国のタイの街中ではグロムを目にする機会が多いようです。
ユーザーの人気に支えられグロムは2016年には外観をリニューアル。特徴的なデザインだったコンバインドプロジェクターヘッドライトはLEDヘッドライトに変更され、マフラーの位置も変わったので外観はまさに一新されています。
デザインが一新されイメージが変わったグロムを一週間都内の通勤で試乗してインプレッションをお届けします。
一新されたグロムの装備をチェック
先代のグロムを象徴する装備として、コンバインドプロジェクターヘッドライトがありますが、新しくLEDヘッドライトが採用されました。
個人的な主観としてはグロムの車体に対してヘッドライトが大きすぎる印象があり、変えるなら小さくしてほしいと思っていたのですが、若干小さくシャープなイメージに変更されました。
またヘッドライトにLEDを採用することで消費電力を抑えて低燃費化できるのかな? と思ってカタログを見てみると定地燃費値は僅かに悪くなっているものの、実際に街中を走った際の値に近いとされているWMTCモード値は向上しています。
LEDにした事で白っぽく高級感のある光となりヘッドライト周りの質感も向上しましたが、明るさは一般的なバルブと同等程度の印象です。
外観の大きな変更で言えば、マフラーの位置がアップマフラーだったものが下に移動しています。そのほか細かい点では、ガソリンタンクキャップがヒンジ付のエアプレーンタイプが採用されました。以前はキャップが外れるタイプでしたが、このタイプのほうがガソリン給油時は利便性が高そうです。
鍵は特徴的なリトラクタブルキーが採用され鍵の刺し込み部分が本体に収納できるようになっています。遊び心のあるグロムにはピッタリの機能と言えます。
グロムの走りはより洗練された
旧型のグロムに試乗したのは随分前のことだったと思いますが、基本的な設計は変わっていないものの、装備や走りは熟成された印象を受けました。
車体は小さいですがホイールベースが短いので旋回性が高いのはもちろん、フロント120/リア130と太いタイヤを履いているので、直進安定性も悪くありません。
グロムのタイヤは初期型のグロムにはタイのタイヤメーカー・ビーラバーが装備されていましたが2代目には日本のIRCのタイヤに変更されていました。以前のタイヤも街乗り程度では不安を感じることはありませんでしたが、SNSなどでのユーザー評価を見るとあまり評価が良くなかったようなので、ユーザーの声を受けての変更かもしれません。
またユーザーの声として多かったのが、グロムはリアブレーキの効きが悪いということ。個人的には以前、街中の通勤で一週間使った際にはあまり感じなかったのですが、ブレーキパッドの接触面積が小さく制動力が低いと感じるユーザーが多かったようです。
そこで今回はグロムのリアブレーキを積極的に使ってみたところ、ユーザーの声を受けてか、リアのディスクブレーキは非常に良く効くようになっています。
シート高は旧型グロムと比べて10mm高い760mmになりましたが、身長165cmの筆者でも両足べた足でつきますし、車体も軽いので全く問題ありません。しかも小柄な車体ながら窮屈な感じが一切しないのも素晴らしい。
シート自体の形状も変更され、以前のシートがフラットだったのに対して段付形状になりました。窮屈と感じる方もいるかもしれませんが、個人的には加速時などに体が固定できるので使い勝手が良くなった印象があります。
グロムでどんな遊びをしよう
最近の原付2種クラスは性能が飛躍的に向上しており、リッターバイクのセカンドというよりは、一台目としても充分に魅力的になってきている印象があります。
とくにグロムはギア付ということもあり、スクータータイプと比べると走り自体が楽しいと言えるし、小さく軽い車体は性能を持て余すことなく使うことが出来ます。デザイン面で見ても旧型に比べて現行のグロムはデザインがソリッドになり流行のストリートファイター系のデザインに近くなった印象があります。LEDのヘッドライトやテールライトは高級感を感じさせるし所有欲をしっかりと満たしてくれます。
車体が小さく軽いので近所のコンビニに出かける際にも使える手軽さもありますが、週末に下道ツーリングに出かけるのも面白そうです。
グロムユーザーの中には林道などを走りに行っているツワモノのいるようですが、車体が軽いのでブロックタイヤを履かせてしまえばある程度は走れちゃいそうです。
新型がリリースされたからと言って旧型グロムの魅力が落ちるわけではありません。特に林道を走るのであればアップマフラーを採用した旧型グロムのほうが使い勝手は良さそうです。
より洗練されたデザインとソリッドでスポーティーなデザインの新型グロム、アップマフラーを採用しどこかユニークなデザインで可愛らしさもある旧型グロム。新型グロムがリリースされたことで選択肢の幅が広くなったともいえます。
グロムがある週末はどこに出かけようか考えるだけでもワクワクしてしまいそうです。
グロムをちょっとカスタムするなら
グロムを林道で走らせたいなら、デイトナが扱っているマキシスのタイヤがブロックタイヤをリリースしています。台湾のタイヤメーカーでオンロードのラジアルタイヤも製造しており、国内メーカーが純正指定タイヤにしていることが多いことからも信頼性は抜群です。
新型グロムになり旧型の社外品は装着できないものも多く存在します。リアキャリアもそのひとつ。装着位置が異なっているので旧型グロム用のリアキャリアは装着できません。適合はしっかりと確認して下さい。
■グロム関連リンク
旧型グロムのインプレッション
カワサキZ125のインプレッション