1000万円の貯金は単なる記号?
「1000万円を貯金目標にする人は相変わらず多いですが、お金持ちの人にとって1000万円はどういう意味があるお金でしょうか」というご質問をいただきました。結論から言うと、多いとか少ないとか感じることはなく、単なる記号です。また、貯金の目標金額などもありませんから、1000万円貯まったところで何ら感慨はありません。「1000万円貯まったー!」ではなく、「ああ、1000万円あるな」という感じです。
相続で財産を持っている人や年配の資産家は別として、現役のお金持ちの中には、むしろお金を寝かせている状態を良しとしない発想を持っている人も少なくありません。
なぜなら、お金は交換の道具であり、使ってナンボだからです。お金を使えば経験を買うことができ、自分の人生を広げることができるからです。それでも使い切れなかったお金を運用に回します。自分が働くのと同時にお金にも働いてもらうのです。
一方、ニュースサイトなどでよく紹介される「〇〇円貯めた人の習慣」などの記事は人気だそうで、涙ぐましい節約貯金の姿が描かれています。たとえば、お金を貯めるために旅行に行かない。お金を貯めるために本を買わない。お金を貯めるためにエアコンを使うのを我慢する。お金を貯めるために値段の高い自然食品より添加物や農薬の多い安い食品を選ぶ……。
しかしそれはいったい、どういう人生なのでしょうか。
現代は貯金至上主義的な雰囲気があり、結婚にも影響するそうです。しかし、お金を貯めるために、本当ならできるはずの経験をセーブし、日常の快適性や満足度を犠牲にし、何年もかけて「やった!1000万円貯まったぜ!」と喜んだ先に、いったい何が訪れるのでしょうか。
もちろん、そういう生き方を否定はしませんし、楽しくお金を貯められる工夫をしている人も多いと思います。ある程度の貯金は、万が一に備えた保険としての機能があるのも確かです。
ただ、私には収入の割に貯金が多い人は「豊かな経験を捨てている人」に映ります。実際、貯金を自慢している人は、人生経験が狭く浅いことが多く、「つまらない」印象があります。おっと、これは大きなお世話でしたね。失礼しました。
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