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「二番目に好きな人と結婚したほうがいい」は本当か

二番目に好きな人と結婚したほうがうまくいくという説がある。それは本当なのだろうか。結婚するならいちばん好きな人とと思いがちだが、なぜ二番目のほうがうまくいくのだろう。そう思っている人、思っていない人に話を聞いてみた。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

恋愛ガイド

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二番目に好きな人、結婚すべき? やっぱりいちばんがいい?

いちばん好きだと感じた彼は、私を第一には考えてくれなかった。

いちばん好きだと感じた彼は、私を第一には考えてくれなかった。

二番目に好きな人と結婚した主人公を取り巻く大人の四角関係を描いたドラマが話題を呼んでいるが、もともと「結婚は二番目に好きな人としたほうがうまくいく」という説がある。

いろいろな意味にとれる言葉ではあるが、実際に二番目に好きな人と結婚した人たちはこの説をどう思っているのだろう。


恋愛感情が強すぎると結婚はうまくいかないかも

「わかりますよ、これ。私がそうだもの」

そう言うのは、リカコさん(39歳)。同い年の男性と結婚して9年、7歳と4歳の子がいる。彼女が3年つきあった大好きだった彼と破局したのが29歳のとき。そこへ現れたのが今の夫だ。

恋愛感情よりも、人として好きな人と結婚したほうが幸せになれる?

恋愛感情よりも、人として好きな人と結婚したほうが幸せになれる?


「前の彼は本当に魅力的だったけど、私を第一には考えてくれなかった。破天荒で何をやるかわからないタイプ。当時も会社を立ち上げて四苦八苦してたけど、彼の周りにはいつもいろいろな人がいて……。デートも月に数回しかできなかったし、そういう意味では不満だったけど、でもやっぱり魅力的だから、私の恋愛感情は常にマックスだったんですよね。

別れてすぐ出会った今の夫は、私のことを第一に考えてくれた。普通のサラリーマンだけど、地道にこつこつ努力するタイプ。そこでふと、私は現実的に考えるようになったんです」


つまり、結婚するにはこういう人がいいのではないか。リカコさんはそう“目覚めた”のだという。それからは彼を「結婚相手としてどうか」という目で見るようになった。

「彼の実家は地方でお店をやっているのですが、彼は三男だから家を継ぐ必要もない。家族や親戚づきあいも密ではない。彼はすでにマンションを購入していた。神経質なところもない。オレについてこいというタイプでもない。決定的だったのは、夏、一緒に出かけたとき、道ばたで急にふらついたお年寄りがいたんですよ。彼、ぱっと飛んで行ってその女性を近くのベンチに座らせ、私に『見てて』と言って、自販機で飲み物を買ってきてあげてたんです。『暑いからちょっと脱水症状を起こしているんだと思う』と。幸い、その方はすぐに気分がよくなったんだけど、この人は本当に親切な人なんだな、と」

その行動がごく自然だったので、彼の根っこを知ることができたとリカコさんは言う。

「正直言って、彼に対して熱い恋愛感情は持てなかった。でも“人として好き”ではあったんです。その一件があってから、ますます人として好きになりました。それで気づいたんですよ。恋愛感情なんてなくても結婚できるし、むしろ熱すぎる恋愛感情はないほうがいいんじゃないかって」

恋愛感情がマックスで結婚すると、あとは冷めるだけだ。一緒に生活すれば、いろいろな面を見てしまうのだから。彼に対しても減点法になってしまう。

「だから人として信頼できるかがいちばん大きいと思う。私は恋愛体質だから大丈夫かと友だちは心配してくれたけど、今のところ大丈夫です(笑)。共働きですから、彼は家事も育児も率先してやってくれる。私がへとへとになっていると、体中をマッサージしてくれるんです。本当にいい人と結婚したと思っています」


やっぱりいちばん好きな人と添いたかった

あの時、逃げ出して彼と一緒になっていたら……と今でも考えてしまう。

あの時、逃げ出して彼と一緒になっていたら……と今でも考えてしまう。

一方で、もちろん、「いちばん好きな人と一緒になりたかった」と考えている女性もいる。

ホノカさん(49歳)だ。20代のころ、10歳年上の既婚者とつきあっていた。彼は子どもが中学生になったら離婚すると言っていたが、彼女は待てなかったのだという。

「結局、私は親の勧めるお見合いで結婚を決めたんです。連絡を絶っていた彼が、『離婚が成立した』と久々に連絡をくれたその日が、私の結婚式でした。もう18年も前の話ですけど、今でもどうしてあのとき勇気をもって結婚式から逃げ出さなかったのだろうと後悔しています。結婚式の夢を見て飛び起きることもある。もう高校生の子どもがふたりいるのに、心の奥ではいまだにくすぶり続けているものがありますね」


夫とは、特に仲がいいわけでも悪いわけでもないという。特に揉めごともなく、平穏な結婚生活を送ってきた。それだけで幸せなのだとホノカさん自身、わかっている。

「もしかしたら、不倫の彼と一緒になったら、もっとつらい結婚生活を送っていたかもしれない。それでも、やはり彼と結婚したかったという思いがありますね。自分が生涯を懸けてもいいくらい好きな人だったから。ただ、あの時点では『結婚』を焦っていたので、待ちきれなかったんです」

人生は選択の連続であり、選択しなかった道に後悔が残るのは当然かもしれない。ただ、後悔する人と、現状でよかったと思う人の違いは何なのだろう。

「私の場合は不倫でしたし、独身の恋人同士で嫌いになって別れたというのとは違う。だからよけい後悔が残っているんでしょうね。彼が離婚すると言いながらなかなかしなかったのに、実は本当に離婚するつもりでいたということ、成立したのが私の結婚式の日だったことなど、気持ちを整理するにはタイミングが悪すぎることが重なったし……」

だから結果として、「彼がいちばん」という印象が拭えないのかもしれない。

そもそも、「いちばん好き」「二番目に好き」とはっきり区別できるものでもないだろう。ただ、恋愛感情マックスで結婚すると、あとは減点法にしかならないというリカコさんの話も、やはり彼と一緒になりたかったと後悔しているホノカさんの気持ちも、どちらもうなずけるものがあるのではないだろうか。

そういえば、こんな言葉も聞いたことがある。
「結婚前は両目をあけて相手をよく見ること、結婚後は片目をつぶって許容すること」

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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