「自分は性的マイノリティーだ」とカミングアウトしてきたら?
「性的指向」は、育て方や環境のみによって決まるわけではありません。
子どもがLGBTの場合、大人へと成長するにつれて親に「カミングアウト」する日がくるかもしれません。子どもの告白を前に、驚き、育て方が間違っていたのではと自らを責め、親戚や周りの人々を気遣い、将来を心配するなど、様々な思いが押し寄せるかもしれません。親としてできることを、整理してみましょう。
1.カミングアウトしたその子の気持ちを認める
まずは親に「カミングアウト」したという事実を思い出しましょう。分かって欲しいからこそ、それほど親を愛しているからこそ、打ち明けたのです。「性的指向」はその子の一部分であり、目の前のその子は、それまでと同じ我が子であることに変わりはありません。
2.「性的マイノリティー」を家族に持つ人々と交流する
同じような状況をくぐりぬけてきた人々と交わり、気持ちを分かち合うことで、励まされ、前向きになることができます。
(『NPO法人LGBTの家族と友人をつなぐ会』ウェブサイト:http://lgbt-family.or.jp/)。
3.「性的マイノリティー」について理解する
「性的マイノリティー」について書かれた著書や、「家族の会」や「当事者会」などのウェブサイトから、信頼できる情報を集め、「性的マイノリティー」についての理解を深めましょう。親の育て方や環境のみによって、その子の「性的指向」が決定されるわけではありません。
4.専門家に問い合わせる
本人が過度に苦しんでいたり、親としてより専門的な心理面のサポートが必要な場合は、「性的マイノリティー」に詳しい専門家(臨床心理士、精神科医等)に問い合わせてみましょう。
「性的マイノリティー」を含むその子自身を受け入れることで、親子の関係も、それまで以上に深まります。時間がかかるかもしれません。それでも親子で手を取り合い、乗りこえていきたいですね。
参考資料:
(*1)American Psychologist Association website: Sexual Orientation & Homosexuality http://www.apa.org/topics/lgbt/orientation.aspx
(*2)A Follow-Up Study of Girls with Gender Identity Disorder. Kelley D. Drummond, Susan J. Bradley, Michele Peterson-Badali and Kenneth J. Zucker in Developmental Psychology, Vol. 44, No. 1, pages: 34–45; 2008.
(*3)Sexual Orientation and Childhood Gender Nonconformity: Evidence from Home Videos. G. Rieger, J. A. Linsenmeier, L. Gygax and J. M. Bailey in Developmental Psychology, Vol. 44, No. 1, pages 46–58; January 2008.