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米利上げなのになぜ円高?日経平均は?

米国のFOMCでは17年最初の利上げ(+25bps)が発表されました。通常米国の金利が上昇すれば円安に動きやすいものですが、実際には円高になっています。その理由と日経平均の見通しに迫ります。

戸松 信博

執筆者:戸松 信博

外国株・中国株ガイド

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米利上げなのになぜ円高?日経平均は?

米国は2017年初の利上げを決定!しかし為替は円高に!?その理由と日経平均の見通しに迫ります

米国は2017年初の利上げを決定!しかし為替は円高に!?その理由と日経平均の見通しに迫ります

3月14~15日に開催された米国のFOMCでは事前の予想通り2017年最初の利上げ(+25bps)が発表されました。そして、注目されたその後の会見でイエレン議長は、金利や経済見通しに変化なく、現状年3回という利上げペースをさらに速める意図のないことを示しました。

市場ではFRB関係者のタカ派的な発言や、好調な米国の経済指標から年4回の利上げも意識されていたため、ややハト派的なスタンスに安堵感やポジションを巻き戻す動きが見られました。

結果として株価はFOMC後から若干上げた程度に留まり、基本的に2月一杯かけて続いた強い株価上昇ラリーから休息するように、軽い調整期に入っているものと思います。主要株価指数は週間でそれぞれ+0.06%~0.67%の上げ幅で小幅に反発し、主要ハイテク株に好決算続いたナスダック総合指数のみ過去最高値(週足ベース)を更新して終了しました。

一方、金利をめぐる思惑に影響される資産価格は、年4回利上げに備えたポジションの巻き戻しによって影響を受けました。前述にもあるように、FRB関係者などのタカ派発言によって既に年4回の利上げが織り込まれつつあったわけですが、実際には年3回に据え置かれたので巻き戻しが起こっているわけです。実際のところ、利上げにもかかわらず米10年債利回りは週間で7bps下落し、債券が買い戻されたことを示します。ドルインデックスも1%近い下落となり、ドル円相場は大きく円高で反応しました。

現在起こっているのはリスクオンの巻き戻し

金利に敏感な金価格は2週続落後に大幅反発(週間+2.4%)となり、利回り資産であるリートや公益株指数も大きく反発しました。結果として債券(価格)、金、ディフェンシブ銘柄が上昇し、銀行などの金融株指数がFOMC後に下落しています。

リスクオフと呼ぶほどの状況ではないものの、少なくとも短期的にリスクオンともなっていません。欧州も株価全般には上昇しましたが、銀行株は下落しました。日本の銀行株もFOMCを受けて少し下がりました。

もっとも、利上げペースを巡る観測が、年4回から3回の見通しに戻ったとしても、金利の正常化とそれを実現できる経済環境になっている認識に変わりありません。つまり金利の先高観に変わりなく、物価と経済が一体となって上昇していく成長・過熱フェーズ入りです。

インフレ期待によって株価を含む資産価格も上昇していけます。ただ、短中期的にみれば、2月末までダウが12日連続史上最高値更新という過熱のピークに達したため、必然的に日柄調整に入らざるを得ないところと思います。上の債券、金、ディフェンシブ銘柄の上昇は短期的な巻き戻しだと言えます。

このように考えていくと、円高になったから怖じ気付く、というのではなく、ふたたびくる円安に備え、強気の姿勢で臨んで良いところと思います。

参考:日本株通信


※記載されている情報は、正確かつ信頼しうると判断した情報源から入手しておりますが、その正確性または完全性を保証したものではありません。予告無く変更される場合があります。また、資産運用、投資はリスクを伴います。投資に関する最終判断は、御自身の責任でお願い申し上げます。

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