都市部から地方へのUターンやIターン就職したときの生活費
子育てや、親の介護をきっかけに、都市部から地方へのUターンやIターン就職を希望する場合、収入は減るのか?生活費はどう変化するのか?と一番悩ましい問題が「お金」でしょう。「お金」の事を「なんとななる」と甘く見ていて失敗するケースも少なくありません。収入は大幅に減る事を想定しておく
お金に関する事は、少し厳しめに予算立てておくことがポイントです。従って収入は大幅に減る事を想定しておきましょう。ヘッドハンティングでもない限り、都市部でも転職したら収入は減ることもあるでしょう。従って地方へ転職するというだけで大幅減は想定できます。あとは、個人の能力によりますので、いくつかの副収入や共働きといった収入源の確保ができていると安心度は高まります。
「地方は生活費が安い」は本当?
「田舎は生活費が安い」と一般的に言われますが、必ずしもそうとは限りません。 なぜなら、人の欲望には限りが無く、生活レベルを上げようと思ったら地方でも十分上げることはできます。地方に売っていないモノも、ネットショッピングでお取り寄せすることは可能です。全てを自給自足で賄うような生活を目指すならともかく、普通に暮らしながらも生活費を安く抑えるのならば、衣食住にかかるお金は意識してコントロールしていかない限り、大きく差が出ることはありません。収入減に対しこれまでと同じような生活をしていたら貯蓄はすぐに底をつくでしょう。これまでの自分の価値観や常識を覆す位、生活のレベルを思い切り下げていく覚悟と、「不便」な生活を楽しむような気持ちが大切になります。
住まいにかかるお金
一般的に土地の価格は下がりますので「住居」に関するコストは下がるでしょう。しかし、「建物」に関するコストは大きく変わることはありませんから、良いモノを求めたらどんどん高くなるのは地方でも同じです。又、資産価値としては人口の減っている地方の方が低くて当然ですので、地方だからこそ、立地や環境の良い場所に保有することが重要になります。
車は生活必需品
不動産価格が安いのは良い事ですが、その代わり一人一台の車が生活必需品となります。車にかかる生涯コストは普通車で3,000万円~、軽自動車で2,000万円~なので、車にかかる費用がどれだけ家計に影響するかは想像できるでしょう。しかし、地方でも中心部や駅周辺に住めば、徒歩や自転車で通勤が可能になり、レンタカーも充実してきますので、世帯に1台でも可能になります。水道光熱費は「使い方」と「住む家」によって変わる
水道光熱費は都市部や地方で変わるというより、「使い方」で大きく変わりますので個人差が激しくなります。また、「田舎の古民家」に住めば、断熱材もなく、システムキッチンや食洗機、お風呂の追炊き機能も当然ありませんので、これまでと同じような居心地を求めれば当然水道光熱費は上がってしまいます。古い一戸建てに住むと水道光熱費は上がり、比較的新しい設備の整ったマンションに住めば水道光熱費を抑えることは可能です。食費は料理の腕次第
田舎では近所の人が野菜をくれるから、畑で野菜を育てるから、食費は安くなるというのは幻想です。ご近所同士仲良くお付き合いというコミュニケーションあっての食材のプレゼントで、挨拶程度の付合いで食材のプレゼントは期待できません。畑仕事も理想と現実では全く異なります。草むしりや虫との葛藤、土作りや肥料など、「買った方がきれいで安くて美味しい野菜が手に入る」という現実をつきつけられますので、本当に畑仕事が好きで且つ時間がないと続かず、ベランダのプランター程度で十分となれば、都市部でも十分できることです。
スーパーで売っている食材の値段が地方の方が圧倒的に安いということはありませんので、都市部だろうと地方であろうと、食費の節約は「食材を使いこなす料理の腕」のほうが重要です。
教育費は進学先次第
地方の場合、高校までは私立より公立に進学させるケースのほうが一般的なので、教育にかけるお金は高校までは都市部に比べると安くなるでしょう。しかし、地方は大学が少ない為、都市部の大学に進学させるケースが多くなります。そうなると学費とは別に生活費を仕送りする事になりますので、子どもが大学生の時期の親の負担は多大なモノになります。地方の特徴は都市部と比較すると「多額のお金を必要とする高級な商品やサービスが少ない」という点です。従って「普通の暮らし」であれば、都市部であろうと地方であろうと、収入に差がある分生活費は同じようなものです。都市部とは違う、地方の特性にあった「衣食住」をいち早く掴むことがポイントなので、いきなり移住するのではなく、旅行や一時滞在で経験しながら、良い面も悪い面もしっかり受け止め、後悔のない選択をしていきましょう。
多くの人が、仕事や家庭の事情で今の場所に暮らしていて、必ずしも自分の理想とする場所に住んでいるわけではありませんので、「自分の好きな場所に暮らせる」事ほど贅沢なことはありません。なので、「好きな場所」に暮らせるという選択肢があるのならば、それはぜひ叶えてもらいたいものです。永住が絶対ではないでしょうから、失敗したらまた戻ってくればいい、その位のお金と気持ちの余裕も必要ではないでしょうか。
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