親子の感情が落ち着き、「教え・学ぶ」状態が整ったら、いよいよ「しつけ」です。 「今度はどうしたらいいだろう?」と子ども自らが考えられるような言葉がけや質問をしてやります。
また、その子の状態や状況をより理解しようとすることで、気持ちが落ち着くこともあるものです。以下のような質問を自分に向けてみましょう:
1. なぜこの子はこんなことをするのだろう?
お腹がすいている?眠い?体調が悪い?発達の過程?親の注意を引きたい?
2. 何をこの子に教えたいか?
他者への思いやり?暴力でなく言葉で伝えること?大人の指示に従うこと?約束を守ること?
3. どうしたらこの子に伝わるだろう?
この子は今、落ち着いて学ぶ状態にある?どんな説明や質問をするといいだろう?
その場の行為を「止めよう」とするばかりでなく、その行為の背景を探り、長い目で見てその子に何をどう身につけさせたいかを考えてみましょう。
親子で気持ちが落ち着いたら、いよいよ「しつけ」です
親子の感情が落ち着いたら、子供自身が、周りの状況や人の気持ちに注意を向けたり、「今度はどうしたらいいだろう?」と考えられるような言葉がけや質問をしてやります。例えば:
玩具を取り合ってお友達と叩きあった場合
→「叩かれて痛かったね。じゃあ、あなたに叩かれたお友達はどう感じたかな?玩具が欲しくなったらどうしたらいい?お友達に何て言うといいだろう?」
走らないよう注意されたにも関わらずプールサイドを走り滑って転んだ場合
→「ライフガードさんが言っていたことを覚えている?それはどうしてだと思う?今度プールに来たときにはどうしたらいい?」
公園から「帰りたくない!」と癇癪を起こした場合
→「今度は帰る10分と5分前に『あと○分で帰るよ』と声をかけるから、心の準備ができるかな?他にも助けになることはあるかな?楽しく遊んだお友達に笑顔でバイバイと言えたら、あなたもお友達も嬉しい気持ちになるね」
親から一方的に「これはだめ!こうしなさい!」と言い渡されるよりも、子ども自身が考えたことは、よりその子の身につきます。子どもが自分なりの答えを出せるよう助けてやりましょう。
子供が「好ましくない行為」をする時とは、こうして「してよいこと」「してよくないこと」を「教え・学ぶ」絶好の機会です。
それでも「やめなさい!」「だめ!」と感情的に怒りをぶつけるだけでは、子供の激しい感情を余計に煽ってしまうか、もしくは、ただ「恐いから黙る」となってしまい、せっかくの、「しつけ」の機会を生かすことができません。
「しつけなければ!」と気持ちが迫ったら、まずは親も子も「教え・学ぶ」状態にあるかに気づいてみます。感情が落ち着いたら、[子ども自身が考えることのできる」
言葉がけや質問を通し、しつけの機会を最大限生かしましょう。
(*)参考著書:
『No Drama Discipline: the whole-brain way to calm the chaos and nurture your child's developing mind』 by Daniel J. Siegel and Tina Payne Bryson