「しつけなければ!」と思ったらまずは親子で落ち着きましょう
まずは感情を落ち着け、「しつけ」はそれからです。 「この子は今、学ぶ状態にあるか?」と、表情やしぐさなどをよく観てみましょう。
多くの場合、子どもが「好ましくない行為」をした時といえるのではないでしょうか。子どもが行儀よく「いい子」にしている時に、「しつけなければ!」とは思わないものです。
そしてそうした「しつけが必要」と強く感じる時とは、親は子どもの行為にイライラしていたり、怒りがこみ上げていたり、また子供の方は、興奮していたり、癇癪を起こしていたりと、親子で感情が高ぶっている状態ともいえるでしょう。
とはいえ、感情が激しく高まる状態では、親も「してよいこと」と「してよくないこと」を効果的に教えることは難しいです。また子どもにしても、学ぶという気持ちにはなかなかなれないものです。
米国でベストセラーとなった「しつけ」についての著書『No Drama Discipline』(*)では、こうした「しつけ」が必要となる場面でしばしばみられる親子の状態が、脳神経学を用いて説明されています。それによると、感情が高まっている時の人の脳とは、「考える」ことができる状態にはないといいます。それは、思考や想像や記憶などのより複雑な機能を司る「大脳皮質」よりも、情動や衝動や反射などのより原始的な機能を司る「大脳辺縁系」がより活性化された状態であるためとのことです。
こうした「考え、想像し、記憶する」といったことがうまくできない状態のところへ、「してよいこと」「してよくないこと」をいくら言い聞かせようとしても、子どもの心には届きませんし、身につかないというわけです。
ですから、「しつけなければ!」と思ったら、まずは、親子で感情を落ち着けること。「教え・学ぶ」ことのできる状態へと、整えていくことが大切なのです。
感情を落ち着けるために有効な方法とは?
・子どもが落ち着くためには?子どもの感情を落ち着けるためには、ひとまず「子どもがしたこと」の「いい・悪い」は横におき、「悲しいね」や「痛かったね」と声をかけ、その時点での子供の気持ちを認めてやりましょう。
また可能ならば抱っこし、必要ならば静かな場所へと移動し、背中をさすってやるなどしてやります。大好きなママやパパの温もりに触れることで、次第に気持ちが落ち着いていきます。
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