世界を舞台に活躍する草間彌生の大回顧展、ついにスタート
アメリカの『TIME』誌で「世界で最も影響力のある100人」(2016年)に選ばれるなど、日本のみならず世界的に人気のある前衛芸術家、草間彌生。水玉模様のかぼちゃ、ビビッドなパブリックアート、ルイ・ヴィトンとのコラボレーションなどで親しまれています。2017年2月22日(水)より国立新美術館で開催される草間彌生展は、彼女のこれまでの集大成! 幼少より絵を描き、1950年代単身で渡米。ニューヨークでは絵画やパフォーマンスだけでなく、彫刻やインスタレーション、小説や詩とあらゆる表現を行い、アグレッシブな活動をしていきました。
展覧会は、そんな彼女のこれまでを作品を通して見ていきます。
草間彌生の集大成
展覧会は、冒頭から広く圧巻の展示空間。中央には色鮮やかな立体作品群が並び、壁は2009年から現在まで描き続けられている連作「わが永遠の魂」、約500点のうち133点により埋め尽くされているのです。目玉や水玉など草間作品で使われているモチーフは時折顔をのぞかせるものの、数多く作品があるのに似た作品は一点もありません。1枚1枚、躍動感に満ちあふれています。じっくり見ていると、この空間だけで1時間はかかってしまいそう。彼女が、この作品群を描くまでにどのような軌跡をたどっていったのか。次の展示室からじっくり時間順に追っていきます。
松本から京都、ニューヨークへ
幼少の頃より絵を描くことが好きだった草間彌生。京都で日本画を学び、その後は故郷の松本で創作活動を行っていました。その作品は早くから批評家の瀧口修造らに高く評価されていたものの、日本での活動に限界を感じ、1957年に単身渡米。ニューヨークで創作活動を開始しました。大きなキャンバスを細かい網目で覆い尽くしたネット・ペインティング、あらゆるものに男根状の突起を偏執的に貼り付けたソフト・スカルプチュアなど、「強迫観念」が主題の中心に据えられた作品は大きく注目され、1973年に帰国するまで精力的に活動を行っていきます。
帰国後の草間も、入院生活を送りながら活動を再開。作品に色彩が増え始め、現在まで続く水玉モチーフの作品群も生まれていきます。版画やコラージュのみならず、小説や詩なども発表。活動の幅はどんどん広がり、世界的な評価も高まっていきます。
そして、草間彌生の代表作のひとつ、鏡張りの部屋、ミラー・ルームも展示されています。一連のミラー・ルーム作品は1965年のニューヨーク滞在中の時代から制作され続けているもの。床も天井も壁もすべてが鏡張り。わずかな光がきらめき、空間は広がり、そして鏡に映る自分も無限に増殖していく、まさに異世界。今回展示される《生命の輝きに満ちて》も、一度に入れる人数が少ないため、行列は必至ですが、必見の作品です。
草間作品と写真撮影もできる!
屋外展示場には写真撮影OKの作品も展示。大きな「かぼちゃ」は1994年に直島でデビューしてから彼女の代表作となったもの。ついに東京にも登場です!ちなみに、草間彌生の実家は種苗店。小さい頃からかぼちゃには慣れ親しんでおり、このモチーフが誕生したのだとか。
このほか、展示場の外にある《オブタリレーションルーム》や、屋外にある《ナルシスの庭》なども撮影OK。いろいろな角度からじっくり作品を見て、「おきにいり」のアングルをみつけてくださいね。
ショップも充実!オリジナルグッズも
今回の展覧会はオリジナルグッズも充実しています。マスキングテープ(440円~)や缶バッジ(500円)などはもちろん、レピシアのコラボしたオリジナルフレーバーの紅茶は、缶がオリジナルデザイン。ギフトにおすすめです。草間彌生展は《生命の輝きに満ちて》や、屋外展示場のかぼちゃ作品など、人気作品は特に多くの混雑が予想されます。時間に余裕を持って(ショップもバラエティ豊かで思った以上に時間を取られます)訪問してください。
特別展 草間彌生展「わが永遠の魂」について
展覧会名称:草間彌生展「わが永遠の魂」会場:国立新美術館 企画展示室1E
会期:2017年2月22日(水)~5月7日(日)
開館時間:10:00~18:00 金曜日と4月29日(土)~5月7日(日)は20:00まで
※入場は閉館の30分前まで
休館日:火曜日
※ただし5月2日(火)は休館
特設サイト:http://kusama2017.jp/