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スズキ SV650は運転する楽しさを再認識できるバイクだ

軽くパワフルな650ccスポーツバイク、スズキの「SV650」を一週間通勤で使ったインプレッションをお届けします。カタログだけを見れば大型初心者でも気負わないスペックですが、果たして試乗してみるとどうなのでしょうか?

相京 雅行

執筆者:相京 雅行

バイクガイド

スズキ「SV650」は大型初心者も気負わないスペック

SV650フロントビュー

「SV650」フロントビュー


私がバイクを使うシチュエーションは通勤・仕事中の移動・たまのツーリングといった具合です。この用途だと、重くてハイパワーすぎる1000ccクラスのバイクは使い勝手がよろしくありません。

そのためいつも1000cc以下で軽量なバイクが購入候補になるのですが、最近の国産車ではあまりこのクラスの新車のリリースがありませんでした。しかし、久しぶりにストライクゾーンど真ん中!と言っても良い車両が販売されています。

それがスズキの「SV650」。V型2気筒645ccエンジンを搭載する同車はじつは三代目で、初代は1999年に発売、二代目は2003年に海外モデルとして販売された歴史があります。

その後2009年に同じV型2気筒645ccエンジンを搭載するグラディウス650がリリースされましたが、こちらも海外向けモデル。ということで私はスズキのV型2気筒645ccエンジンを搭載する車両には試乗経験がありません。

しかし日本ではV型2気筒399ccエンジンを搭載したグラディウス400という車両が販売されていました。以前に試乗インプレッションを書かせて頂いたが非常に軽快で走りやすいバイクだったと記憶しています。

さて話をSV650に戻すと、今回の試乗をとても楽しみにしていました。それは前述したようにストライクゾーンど真ん中!と言ってよいバイクだからです。

カタログスペックだけ見れば大型初心者でも気負わないスペックの記載があるが、果たして試乗してみるとどうなのか?いつも通り都内の通勤でSV650を試乗してインプレッションしてみたいと思います。

SV650の装備をチェック

SV650サイドビュー

SV650サイドビュー


まずSV650の装備をカタログで見ていた際に気になっていたのが「ローRPMアシスト」という機能。この機能は発信時などにエンジンの回転の落ち込みを防ぎ、スムーズに発信することができるというものです。

そのほかにも渋滞の低速走行時やUターン時などの回転の落ち込みも防ぐといいます。バイクは低速時が最も不安定なので転倒しやすいのです。

立ちゴケや低速走行時の転倒でもバイクはそれなりに傷ついてしまうので、ライダーの精神的なダメージは計り知れません。低速走行時の転倒リスクを減らす装備は大いに歓迎したいところです。

SV650のボディはV型エンジンを搭載する恩計もあり非常にスリムに仕上がっています。250ccのバイクと言われれば、そう見えちゃうぐらいコンパクト。

実際カタログスペックを見てみると、SV650の車重は196kgと超軽量に仕上がっています。スズキの250ccスポーツモデルであるGSR250Fが189kgと言えばSV650がいかに軽いのかがわかると思います。

またSV650を細身に見せているのはタイヤサイズが一因でしょう。SV650のリアタイヤサイズは160/60ZR17を採用しています。カタログ上で大体同じぐらいの排気量、同じぐらいの馬力のバイクと言えばヤマハのMT-07があげられますが、こちらは180/55ZR17を採用しており2サイズほど幅広サイズとなっています。

シート高は785mmで、最近のバイクにしては比較的低めの部類。165cmの筆者がまたがってもかなり余裕のある感じです。シート前側も絞り込まれているので数値以上に足つき性は良く感じます。車体が軽量なので女性でも足つき性に不安はないでしょう。

タンク容量はもう少し欲しかった・・・

タンク容量はもう少し欲しかった……


燃料タンク容量はMT-07と同じ13Lとなっています。最近のバイクは燃費性能が上がっているとはいえ、個人的にはもう少し容量が欲しかったというところが本音です。ちなみに実測燃費を図ることができなかったので近いうちにリベンジしたいと思います。

初心者もベテランライダーも満足の走行性能

SV650リアビュー

SV650リアビュー


早速SV650にまたがり走り出してみると、やはり予想通り動きがめちゃくちゃ軽い。いや想像以上だったかもしれない。グラディウス400の軽快な動きにも驚かされましたが、SV650は更にパワーアップしているのでとにかくレスポンスの良い動きをします。

ただ、決してアクセルワークに気を使わなければならないような味付けにはなっていません。低速からしっかりとトルクがあるエンジンなのでスムーズに発信が可能ですし、クラッチの操作を若干ミスってもローRPMアシストが助けてくれるはずです。

SV650のブレーキレバーは位置調整が可能

SV650のブレーキレバーは位置調整が可能


ブレーキはダブルディスクブレーキに2ポッドキャリパーと、このクラスとしては標準的な装備となっていますが、車両が軽いのでストッピングパワーは全く問題ありません。

SV650のフロントブレーキはダブルディスクに2ポッドキャリパーを装備

SV650のフロントブレーキはダブルディスクに2ポッドキャリパーを装備


ブレーキタッチも過剰に反応するのではなく、ちょうど良い感じなので初心者でもガクガクすることはなさそうです。

シートは若干硬めなのですが、サスペンションが前後共にストロークが長く衝撃に対してしっかりと沈み込むので乗り心地は決して悪くありませんでした。

コーナリングにおいても前後のサスペンションが固めのセッティングになっていると、寝かしこみのきっかけをしっかりと作らないと曲がりにくかったりしますが、前述したように柔らかめになっているので特にコーナーを意識しなくてもスッと曲がってくれます。

総称としてものすごく運転しやすいバイクなのですが、完全な大型初心者向けバイクかと言われればそれも少し違います。

サスペンションはプリロードの調整が可能なのでスポーツ走行に重きを置く人は固めにセッティングすることもできますが、サスペンション自体がプログレッシブ機構を取り入れているので沈み込みは柔らかく途中から粘り強く硬めに変化します。

そのためコーナリングでも安定しておりクイックに旋回することが可能になっています。レスポンスの良いエンジンと軽量なボディ、そしてしなやかな足回りはベテランライダーも納得する性能といえるでしょう。

SV650は間口の広い万能選手!

今は1200ccのハーレーを一台とスズキの125ccを所有する筆者ですが、次に買うなら400cc以上1000cc未満のバイクを買うと決めています。そのため頭の中で妄想している次期愛車はヤマハのMT-07やホンダのVFR800Xが購入候補筆頭でした。

しかし今回試乗したSV650も間違いなく今後私の愛車候補として妄想の中に登場してくるキャラクターと言えます。

SV650は乗り出してしまえば体に馴染むのは驚くほど速いでしょう。間口が広く誰もが乗りやすい走行性能をマシン自体が持っているからです。

しかしサーキットやスポーツ走行で限界性能を引き出そうと思っても容易ではありません。最高出力76.1PS/8500rpmを生み出すエンジンは高回転まで回せば驚くほど鋭い加速をしますし、コーナリング時は前後のサスペンションがしなやかに動きます。

誰もが受け入れてくる間口の広さと簡単には底を見せてくれない懐の深さ。これがSV650の本質と言えそうです。

ですが、私のように町乗りとたまのツーリング使用のライダーにとっては限界走行をしたいとは思いません。あえてSV650の浅い部分の魅力を一言で表現するなら、アホっぽく聞こえるかもしれませんが間違いなく、

「軽い、速い、楽しい!」です。

女性やリターンライダーだけでなくベテランライダーまでみんながバイクの運転の楽しさを再認識できるマシン。それがスズキSV650です。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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