貯蓄/貯蓄する基本の方法

2月から実践!貯金賢者になるための支出削減のコツ

少しでも多く貯蓄に回せる金額を増やすためのコツをお教えします。支出を減らすための買い物の判断基準や無駄遣いをやめるコツ、小銭貯金の方法などをお教えします。

頼藤 太希

執筆者:頼藤 太希

資産運用・節税ガイド

  • Comment Page Icon

「先取り貯蓄」の金額を増やすためにお金の流れを把握する

前回は「先取り貯蓄」「強制貯蓄」の仕組みをご紹介しました(参考「2月から始める!貯蓄賢者の「お金の貯め方」)が、その金額が少ないようでは、お金が貯まるスピードは遅いままです。少しでも多く貯蓄に回せる金額を増やしたいところです。

しかしながら多くの方は収入経路が一つ、つまり労働収入のみなので、労働収入を増やすことは昇格や昇給をしない限り、残業するしか手はないと思います。そこで、まずは支出を削減することに努めましょう。

支出を削減するには、どの費目にいくらの金額を1カ月で使っているかを認識することが大事です。ここで重要なのは、「ざっくり」です。細かく家計簿をつける必要はなく、大まかに知れればよいのです。食費に4万円、光熱費に1万円という具合です。

方法は、費目別に封筒かファイルなどを用意し、レシートをそこに放り込んでおき、1カ月経ったところで、レシートの合計金額を計算します。そしてその金額を封筒かファイルに記入して完了です。計算の結果、食費が3万8680円であれば、ざっくりと4万円と覚えておけばよいのです。
 

支出削減の基本は固定費から

無理なく効果的に支出を削減するには、優先順位をつけて節約することがポイントです。

具体的には、
【1】固定費の節約
【2】無駄遣いの節約
【3】変動費の節約
の順番で進めていきます。
 
支出のうち、先に取り組むべきなのは固定費の削減です。

固定費は、毎月・毎年といったタイミングで、決まって一定額かかる費用のこと。家賃や住宅ローン、水道光熱費、通信費、生命保険料、習いごとの月謝などがあります。これらの固定費は、まとまった金額が減らしやすいうえ、いったん減らせばその後ずっと節約し続けることができます。
 
固定費で一番金額がかさむのが住居費。家計における理想の住居費の割合は、手取り金額の25%と言われています。首都圏の場合は家賃相場が高いので、手取り金額の30%程度までが許容範囲ですが、30%を超えてくると家計が厳しくなります。

家賃を1万円減らせたら、年間で12万円の節約に。引越しに30万円かかったとしても約2年半で帳消しになり、その後は毎月1万円を自動的に節約できます。
 
住宅ローン返済中の方は、借換えを検討しましょう。借換えとは、新しくより金利の低い住宅ローンを組んで、現在の住宅ローンを一括で返済することです。こうすることで、金利が安くできます。借換えでメリットが出る条件は「ローンの残り返済期間が10年以上」「ローン残高が1000万円以上」「現在の金利と借換え後の金利差が0.3%以上」の3つがそろったときです。

諸費用(登記費用や保険料など、住宅購入代金以外の費用)が安い金融機関が増えているため、金利差0.3%程度でも積極的に検討しましょう。
 
また、長年家計のネックとなっている通信費。

しかし、大手キャリア3社が低価格プランの「ahamo」「povo」「LINEMO」を相次いで発表。さらに、第4キャリアである楽天モバイルや格安スマホのUQモバイル・Y!mobileなども巻き込んだシェア争いが激化しています。

大手3社を活用している方は、低価格プランや格安スマホに乗り換えるだけで通信費を大幅に削減できます。月3000円を切るプランも登場しています。現状、通信費を月5000円以上支払っているなら、年3万円以上安くすることも不可能ではありません。
 
大手3社の低価格プランの申し込みは原則オンライン限定。キャリアメールもありません。とはいえ、契約でポイントや割引が多くなる各社の「経済圏」を活用しているなら、おトクに使えるでしょう。

現時点で総合的におすすめなのはUQモバイルです。「くりこしプランS+5G」なら毎月1628円で利用できるうえ、データが余ったら翌月に繰り越せます。
 

固定費を見直したら、変動費もチェック

家の中を見渡すと、簡単に削れる変動費が見つかるはずです。たとえば水道光熱費。シャワーヘッドを節水のものに取り換えるだけで、年間で5000~1万円の節約効果が見込めます。また、冷暖房の設定温度を少し調節したり、電球をLEDの電球に換えたりすることでも節約効果があります。
 
そのほか、毎日の献立を冷蔵庫の中身から逆算して考えれば、冷蔵庫の中の食材をダメにすることが減り、余計な買い物も減らせるので一石二鳥です。
 
変動費の節約は「我慢」になりがち。食費などはその代表です。外食をやめればお金が貯まるのは当たり前ですが、無理に我慢するとストレスが溜まるため、結局長続きしませんし、それが原因で散財するようでは意味がありません。ですから、無理のない範囲で節約しましょう。
 

小さな無駄遣い「ラテマネー」を減らす

セミナーやマネー相談に来られるお客様の中にも多いのが、意識しないで使っているお金「ラテマネー」への支出。「ラテマネー」とは、アメリカの大人気ファイナンシャルアドバイザーであるデヴィッド・バック氏が定義した言葉で、1回の金額は少ないものに、何気なく使っているお金のことです。

筆者の前職の同僚の話をすると、勤務先のビルにスターバックスがあり、その同僚は朝出社前にトール・ラテを買い、ランチ後にもトール・ラテ、残業中の気分転換にトール・ドリップコーヒーを毎日買っていました。

当時の金額は覚えていませんので、2022年1月時点の価格で計算すると、トール・ラテが418円×2、トール・ドリップコーヒーが363円なので、1199円です。1カ月の営業日が20営業日とすると、ラテマネーは2万3980円になります。1年では28万7760円です。海外旅行にいけそうな金額ですね。

他にも、家までの帰り道にコンビニやドラッグストアがあったら危険です。必要のないものを、これまた意識せずに電子マネーで買っていることもあります。お金が手元になく、コンビニのATMでお金をおろすこともあるでしょう。コンビニのATM手数料は、時間帯によっては1回は110円、または220円等の手数料がかかり、と少額でも積み重なると馬鹿になりません。
 

「必要かどうか」を基準に選ぶ

昔と比べ、Amazonや楽天などのネットショップで何でもそろう時代になっています。筆者もよくAmazonを利用しますが、ネットショップを利用する際は注意が必要です。なぜならば、ある商品を購入すると、「こちらの商品を購入した方はこの商品も購入しています」のように、購入しなければ損するように迫られるからです。ここで、まんまと商品を購入してしまってはネットショップ側の思うツボです。本当に必要なものであれば問題ありません。

重要なのは「欲しい」ではなく、「必要」かどうかです。それがないと生きていけないモノなのか、なくても別で代替できるモノなのか。モノを買うときに必要かどうかという判断基準を持っていると、無駄な出費や衝動買いを抑えることができます。
 

今からでも始められる「チリツモ貯金」

最後に、目に見えてすぐにでも始められる「チリツモ貯金」をご紹介します。小さくコツコツは地味ですが大きな力を発揮してくれます。

■ひと味違った「500円玉貯金」
500円玉貯金は聞いたことがあるという方が多いでしょう。でも筆者が提案するのはひと味違う「500円玉貯金」です。方法は、1日の終わりに財布の中に500円玉が入っていたら必ず貯金箱に入れる、です。このように強制ルールを作ることがポイントで確実にお金が貯まっていきます。500円玉を入れるルールが難しかったら、50円玉や100円玉を入れるルールでもよいでしょう。

■「お釣り貯金」
1000円を出して777円の商品を購入した場合、お釣りは223円です。その223円を封筒などに入れておき、帰宅したら貯金箱へ入れる方法が「お釣り貯金」です。1日の終わりに財布または小銭入れに残っている小銭を全て貯金箱へ入れる方法もよいでしょう。どちらも無理のない範囲で確実にお金が貯まっていきます。

■「カレンダーの数字貯金」
たとえば、1月1日の場合は11円。1月31日の場合は131円のように、月と日を組み合わせた金額を貯金する方法が「カレンダーの数字貯金」です。この方法で貯めた場合、1月は2786円貯まります。1年間続けると、18万758円貯まります。

「歩数貯金」
1日5000歩を歩いたら500円貯金する、1日1万歩を歩いたら1000円貯金すると決めて行う小銭貯金です。普段からたくさん歩いている方であれば、5000歩で100円、1万歩で500円としてもよいでしょう。5000歩を歩いてない場合は、貯金しないといった具合です。健康と連動した良い貯金法だと思います。

「つもり貯金」
電車に乗ったつもり、タクシーに乗ったつもり、自動販売機でジュースを買ったつもりで貯金するといった感じです。1駅遠いところから歩いて帰ったので、1駅分の電車賃を貯金するといった方法は健康にも良いですね。歩数貯金との相性が良いのもオススメの一つです。

なお今まで、ゆうちょ銀行では、硬貨の預け入れ手数料は無料でした。ここで紹介した小銭貯金を貯める場合に重宝していた人も多いと思います。しかし2022年1月17日からは、窓口・ATMのどちらでも、硬貨の預け入れは手数料がかかります。窓口では51枚から、ATMでは1枚から手数料がかかるようになります。

よって手数料を抑えたい場合、窓口利用で50枚までの預け入れをするようにする必要が出てきます。また、そもそもキャッシュレス決済を利用していると、現金を使う機会が減るため「小銭貯金しようにも小銭がない」ということもあると思います。

そんな場合に小銭貯金アプリを活用するのはいかがでしょうか。「しらたま」や「finbee(フィンビー)」を活用すれば、お釣り貯金などさまざまな貯金をすることができます。

大事なのは、お金のことを真剣に考えてみることです。この記事を読んで終わりにしないでください。行動でしか人生は変わりません。ぜひ、一歩進んでくださいね。

【関連記事】
【編集部からのお知らせ】
・「家計」について、アンケート(2024/12/31まで)を実施中です!

※抽選で30名にAmazonギフト券1000円分プレゼント
※謝礼付きの限定アンケートやモニター企画に参加が可能になります
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます