3月株式市場の傾向(日経225銘柄)
3月は大半の企業において3月期決算の業績が確定する月であり、決算に伴い株主優待や配当の権利が確定する月です。また、3月は機関投資家や3月決算企業による決算対策の株式売却や、年度末のドレッシング買いが出やすい月とも言われ、様々な要因で株価が大きく動く月です。月ごとの株式市場の傾向や業種・個別銘柄がどのような傾向にあるのかといったことをきちんと把握することで、不用意なリスクを抑えることができるでしょう。今回は3月相場の中でも、例年株価が軟調に推移する傾向にある銘柄をご紹介したいと思います。まずは3月の株式市場について検証していきます。
2月末に日経平均採用銘柄(225銘柄)を購入し、3月末に売却した場合の成績は以下の通りです。
【検証結果】
勝率: 58.10 %
勝ち数: 2,980 回
負け数: 2,149 回
引き分け数: 85 回
平均損益(円): 4,770 円 平均損益(率): 2.38 %
平均利益(円): 18,016 円 平均利益(率): 9.01 %
平均損失(円): -13,411 円 平均損失(率): -6.71 %
合計損益(円): 24,868,737 円 合計損益(率): 12,434.56 %
合計利益(円): 53,688,970 円 合計利益(率): 26,845.19 %
合計損失(円): -28,820,233 円 合計損失(率): -14,410.64 %
プロフィット・ファクター(合計利益÷合計損失): 1.863
平均保持日数: 27.23 日
以上が、3月株式市場の傾向(日経225銘柄)の検証結果です。検証結果を見てみると、勝率は58.10%、平均損益は2.38%です。勝率が高く、平均損益もプラスとなっていることから、3月の日経平均採用銘柄は、上がりやすい傾向があると言えるでしょう。
なお、全銘柄を対象とした検証は、「3月相場は54%の株が上がる?」で取り上げていますので、こちらもあわせてご覧ください。全銘柄を対象とした検証では、「勝率54.73%、平均損益2.00%」です。
全銘柄を対象とした検証においても株価上昇しやすい傾向が確認できることから、3月相場では、大型・中小型株問わず上昇する傾向が強いようです。しかし、マザーズ銘柄で同様の検証を行うと、「勝率43.78%、平均損益1.01%」です。またJASDAQ銘柄では、「勝率48.77%、平均損益0.90%」と、同様に上がりにくい傾向が確認できます。
これらの結果を見る限り、3月相場では日経平均採用銘柄などは上昇しやすい傾向がある一方で、マザーズ銘柄・JASDAQ銘柄は上昇しづらい傾向があると言えるでしょう。
今回の検証では、3月相場では日経平均採用銘柄(225銘柄)が上がりやすい傾向にあることが確認できました。そのような3月相場において、例年株価が下がりやすい傾向にある銘柄を以下でご紹介します。
3月低成績銘柄ランキング
上記の表は、先ほどの日経平均採用銘柄(225銘柄)を対象とした検証において、勝率が低かった銘柄のランキングです。今回は勝率が50%以下の銘柄をご紹介しています。勝率が低かった銘柄を確認すると、
【電力銘柄】
<9503>関西電力[勝率:33.33%]
<9501>東京電力[勝率:36.00%]
といった銘柄が挙げられます。これらの銘柄は「ディフェンシブ銘柄」です。ディフェンシブ銘柄とは、電気・ガス、医薬品などの、景気動向に業績が左右されにくい安定的な業種の銘柄のことです。これらは景気後退が懸念される場合に買いが入りやすい特徴がありますが、一方で3月相場のような株価が上がりやすい局面では、投資家の資金がディフェンシブ銘柄から値上がり益の期待できる日経平均採用銘柄などにシフトすることが予想されます。3月相場では、今回ご紹介したような「ディフェンシブ銘柄」は株価が上がりにくいと言えるでしょう。
どの業種も個別銘柄も、月によって株価が上がりやすい場合と下がりやすい場合があります。今回のように簡単な検証をすることで、3月の投資戦略を考える上で有効な判断材料の1つになることでしょう。
これらの数字は、あくまでも過去の検証結果ですので、これから先の未来でも同様の結果になる保証はありません。しかしながら統計的な数字は、安心してトレードに臨むための心強い味方となってくれるでしょう。みなさんも投資する際には是非一度検証してみて下さいね。
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