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新米ママ必読!1歳以上の子どもと車に乗る時の注意点

1歳を過ぎると自分の意志で手足を動かし、言葉を話すようになる子どもたち。車内でも赤ちゃんのときのように寝かせたままではいられなくなります。しかし、そんな幼児は一瞬でも目を離したら大きな事故につながりかねません。運転初心者のママはもちろん、慣れているママでも必ず忘れないでほしいポイントがあります。

小池 りょう子

執筆者:小池 りょう子

車ガイド

チャイルドシートは絶対に「後席」へ

自動車先進国である欧州では、助手席へのチャイルドシートの装着を法律や条例で禁止している国もありますが、日本ではまだ助手席に堂々とチャイルドシートを乗せているクルマを見かけます。

「助手席に子どもを乗せてはいけない理由を知っていますか?」と聞くと、若いママから「子どもが運転装置に手を出すと危ないから」という答えが返ってくることがあります。それも間違ってはいませんが、もっと重大な理由は「助手席エアバッグ」です。

エアバッグは衝突を感知すると火薬に点火され、その爆発によってバッグが膨らみ、衝撃から乗員を保護します。しかし、この爆発力が子どもにとっては命取りにもなり得ます。

エアバッグ展開

エアバッグの点火による爆発力は子どもへ大きな衝撃となる


近くまでだから、交通量は多くない道路だからと、子どもを助手席にポンッと乗せたまま走行しているクルマもいますが、衝突した場合、子どもは窓ガラスを突き破って車外に放り出されるか、エアバッグが膨らむ衝撃の被害を受けます。シートベルトの代わりとなるチャイルドシートがない状態で、もしエアバッグが展開してしまったら、子どもにとっては命を守るエアバッグはただの凶器。衝撃で鼓膜が破れた、などの被害も報告されています。

助手席エアバッグ

今どき、ほとんどのクルマに標準装備されている助手席エアバッグですが、子どもにとっては安全装置になり得ないことが……。


やむを得ず子どもを助手席に乗せなければいけない理由があるのなら、助手席エアバッグが解除できる車種に乗せてください。それができないのなら、助手席にチャイルドシートを乗せるのは絶対にやめましょう。

信号待ちなどの停車時にシフトは「P」か「N」へ

1歳を過ぎると子どもは車内でも突然泣き出す、大声で騒ぎだす、チャイルドシートを抜け出そうとする、突然なんの前触れもなく吐く、お菓子やおもちゃなどを要求するなど、運転中のママがパニックになるようなことを平気でやるものです。

フットブレーキに足をかけたまま、信号待ちで振り返って子どもの世話をついついやってしまうママも多いようですが、シフトを「D」に入れたままだと非常に危険です。

数年前の調査によれば、アクセルとブレーキの踏み間違い事故の年代別の割合は、女性の場合「18歳から29歳」という若い世代がワーストです。後ろの席にいる子どもを気にしていて、ブレーキペダルから足が外れ、踏み直したと思ったらアクセルだったというパターンも含まれます。

踏み間違い事故の多くはバッグ時に起きています。身体をひねった状態だと、足元の感覚が分からなくなり、ブレーキを踏んだつもりでもアクセルを踏みやすくなるからです。後ろの席の子どもに気を取られることが多い信号待ちでは、PかNレンジ(エンジンの動力がタイヤに伝わらない状態)に入れておく習慣をつけておけば、振り返ったときに万が一、ブレーキから足が外れてしまっても急発進する事故は防げます。

もちろん、サイドブレーキを引いておくことも忘れずに。傾斜がある道路だとNではクルマが動いてしまいます。

Nレンジ

Dに入れてフットブレーキを踏んだ状態では、ペダルから足が外れてアクセルを踏んでしまったときに危険です。「N」や「P」レンジを走行中にもきちんと使い分けましょう。


もちろん、短時間で対応できないような事態が起きてしまったら、駐車場などの安全な場所へクルマを停止させ、子どもの世話をするべきです。

運転席から見た後席チャイルドシート

子どもに気を取られて発進が遅くなっても、後ろからクラクションを鳴らされる程度で済みますが、足元のペダル操作を間違うと、前のクルマに追突する事故になりかねません。


子どもとお出かけの基本中の基本!「チャイルドロック」と「ウィンドウロック」

自分で玩具をつかめるようになったり、スイッチを押せるような年齢になったら、チャイルドロックとウィンドウロックは絶対にかけておきましょう。

チャイルドロックの位置1

まずはチャイルドロック。教習所やディーラーでは教えてくれません。子どもができて初めてその機能の重大さに気づくママが多い。


チャイルドロック位置2

ほとんどの車種でドアの内側部分にロックが付いている


チャイルドロックをかけておけば、そのドアは外側からしか開けられなくなります。駐車場の事故は、子どもが勝手にドアを開けて飛び出した、隣のクルマにドアをぶつけた、などがほとんど。内側から子どもが開けなければ防げるものばかりです。

また、最近でも子どもがパワーウィンドウに首を挟まれるという信じられない事故が起こっていますが、これもウィンドウロックさえかけていれば防げる事故です。首や手を挟まれてパニックになった子どもは、スイッチからすぐに手を離せません。子どもがいるご家庭のクルマは、運転席以外でパワーウィンドウのスイッチは操作できないようにしておきましょう。

ウィンドウロックスイッチ

意外にもウィンドウにロックがかけられることを知らないママは多く、うっかりロックスイッチを押してしまい、窓が開かないと訴える人も。子どもを乗せる席の近くのスイッチはロックをかけておくべき。


動きが予想できない子どもとクルマに乗るときは、一人で乗せない、降ろさない、触らせない、が鉄則です。自分のクルマで自分の子どもを巻き込む事故が起きたとしても、それは100%が親の責任と考えましょう。ここに挙げたことは、子どもとクルマに乗るときには当たり前のことばかりですが、もう一度自分のクルマで確認してみてください。


※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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