生命保険

2017年4月に生命保険の標準利率が下がる!保険料は?

日本は長く低金利が続いていました。その状態が改善しないまま、2016年2月にマイナス金利政策が導入され、「超」がつく低金利時代に突入してしまいました。それによって、生命保険会社の保険料の運用環境が厳しくなり、2017年4月、標準利率が引き下げられることが決まりました。標準利率の引き下げは保険料にどう影響するのでしょうか?

執筆者:小川 千尋

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標準利率は史上最低に!

2017年4月から、保険料がアップする!?

2017年4月から、保険料がアップする!?

私たちが払う保険料の一部は、保険会社が債券や株式、不動産などに投資して運用しています。その運用で見込める利回りを予定利率といい、予定利率が高ければ保険料は安く、低くなれば保険料は高くなります。生命保険会社が予定利率を決める際、金融庁が定める標準利率を指標にしています。

標準利率は、月払いの保険商品は毎年4月に改訂されます。マイナス金利政策によって国債利回りが大幅に下がっているので、2017年4月に、現在の1%から0.25%に引き下げられることになりました。史上最低水準です。

標準利率が下がると、保険会社は予定利率を下げざるを得なくなり、結果として保険料がアップします。特に、影響が大きいのは、貯蓄性のある保険です。具体的には、終身保険、個人年金保険、学資保険です。

筆者個人としては、保険に貯蓄性を求める時代はすでに終わっていると考えているので、積極的にすすめません。しかし、保険に求めることは人それぞれです。掛け捨て保険はいやだという人や、他の金融商品では積み立てができない人は貯蓄性のある保険を利用するのはやぶさかではありません。これら貯蓄性のある保険への加入を検討している人は、保険料がアップする前に加入手続きをした方がいいでしょう。

長寿化を反映して標準生命表も改定される!

もう1つ、保険料の変動につながる改定が予定されています。標準生命表の改定です。早ければ、2018年4月に行われます。

標準生命表とは、日本アクチュアリー会が作成しているもので、生命保険の保険料は、この表の死亡率(予定死亡率)などをもとに計算しています。近年、日本人の長寿化が進んでいることから、改定時には死亡率の低下が反映されます。すると、定期保険や収入保障保険など、掛け捨ての死亡保険は保険料が値下げされます。が、医療保険やがん保険、介護保険などの生存給付の保険は値上げが予想されます。

なお、標準利率と標準生命表の改定に伴う保険料の上げ下げや、そのタイミングは保険会社ごとに異なります。


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