本気の冬シーズン到来!バイクの冬装備のおすすめは?
先日雨の中を通勤していると海沿いの道路沿いに設置されている温度計が4度をさしていました。いよいよ関東地方も本気の冬に突入です。毎日片道25kmの通勤でバイクに乗らなければならないので、防寒具も天気予報をきちんと確認して選ばないと職場に着く頃にはガタガタと震えることに。冬用の装備はメーカーから色々な用品がリリースされていますが、基本的に値段が高く、選び方を間違えると致命的!そこで装備選びに失敗しないよう、以下3社のメーカーにこの冬におすすめのギアをお伺いし、実際に通勤で使ってみたインプレッションをお届けします。
- バイク用品メーカーの「RS タイチ」
- バイクメーカーながら用品に力を入れている「ホンダ」
- アウトドアメーカーの「モンベル」
「RS タイチ」がおすすめするバイクの冬装備
■DRYMASTER プライムオールシーズンジャケット
個人的にRS タイチのDRYMASTER BOAライディングシューズを愛用していますが、透湿・防水素材を採用しており、雨天時も使用することができるため非常に重宝しています。同シリーズのジャケットが「DRYMASTER プライムオールシーズンジャケット」です。シューズ同様に防水・透湿素材を採用しており、中綿入りのインナーは外すことができるので、一着で外気温の変化に対応することが可能です。
実際に着てみるとずっしりと重く感じました。転倒時に身を守るプロテクターが肩・肘・背中に入っているのが重さの一因と言えますが、生地自体もしっかりとした生地を採用しており転倒した際の防御力はさすがに高そうです。
また、今回お借りしたジャケットのサイズはMサイズでした。先日行ってきた健康診断ではギリギリメタボ認定されなかった165cm 65kgの私が着るとサイズ感としてはかなりピッタリとしています。
私ぐらいの体格で中に沢山着込むのであればワンサイズ上の方が良さそうです。ただ、ピッタリはしていますが動きにくい感じはなく、バイクの操作で煩わしく感じることは皆無でした。このあたりはさすがバイク用品メーカーです。
■マトリックスオーバーパンツ
「マトリックスオーバーパンツ」はLサイズをお借りしたのですが、実はそれでも若干きつめでした。このオーバーパンツもシルエットはピッタリ目になっています。
私の場合デニムなどを選ぶ場合もウエストは入っても太股が入らないことが多いのですが、マトリックスオーバーパンツには通常のMサイズやLサイズの他にBM、BLというサイズが設定されています。ウエストやヒップ部分に余裕を持ったサイズとなりますので、通常のLサイズできつめに感じた場合はBLサイズを選ぶと良さそうです。
また私が個人的に所有しているオーバーパンツは膝のプロテクターの位置が微妙に合わないのですが、マトリックスオーバーパンツは膝のプロテクター位置の調整機構が備わっています。転倒時の防御能力を最大値にするためにも、きちんと調整しておきたいところです。
サイズがきつめだったこともありバイクに跨るときは若干ストレスだったのですが、足の上げ下げでは全くストレスがありませんでした。
総じて上下のウエアともに防寒性能が非常に高く、DRYMASTER プライムオールシーズンジャケットは襟も比較的高いためジェットヘルメットやフルフェイスヘルメットなら首が寒く感じる事もありません。
■アームドウインターグローブ
さらにアームドウインターグローブは抜群の防寒性能でした。昨年ゴアテックスを採用した高価なグローブを購入したのですが、暖かさはこちらのグローブの方が上。ただし透湿性能は若干劣るような印象を受けました。
こちらのグローブも手の甲の部分にカーボンプロテクターが採用されており、ライダーの身を守ります。またウインターグローブにしては操作性が非常によく、スマホのタッチ操作が反応するのも使い勝手が良好なポイントでした。
■チェストプロテクター ボタンタイプ
そして最後にチェストプロテクター ボタンタイプ。実はバイク事故の死亡原因の1位は頭部の損傷で、2位は胸部の損傷です。安全性を確保するためにも、胸部を守るプロテクターは手に入れておきたいところです。
RS タイチのウエアは、標準ではチェストプロテクターが内蔵されていないモデルも比較的このプロテクターが装着できるようになっています。ボタンで脱着できるので装着は簡単。
ただ、どうせなら左右でセパレートになっていてくれればウエアに装着したままにできるので便利かなと感じましたが、RSタイチのラインナップにはセパレートタイプもラインナップされています。
「ホンダ」がおすすめするバイクの冬装備
■HONDA×AVIREX M-65 ライディングブルゾン
上下共にミリタリー色が強いチョイスとなりました。ここ数年バイク用品店などに行ってもフライトジャケット風のデザインを目にする機会が増えています。
フライトジャケットは航空機に搭乗するパイロットやクルーが着用するジャケットで、軍用品として扱われていました。特にバイク用品店で見かけることが多いのはMA-1やN3-Bといわれるタイプです。私も今回ホンダがコラボしたAVIREXのN3-Bを所有していますが抜群の防寒性能はあるものの、動きにくくバイクに適していると感じたことはありません。
しかし今回の「M-65ライディングブルゾン」は動きやすくバイクで使っても問題ありませんでした。M-65は中綿が入っているモデルと入っていないモデルがありますが、こちらのブルゾンは冬用なので中綿入りのモデルです。
プロテクターはソフトタイプのものが背中・肩・肘に入っています。こちらもMサイズをお借りしたのですが、サイズ感的には厚手のパーカーぐらいは中に着込めそうです。
あまりダボつく感じはなくピッタリとしているので、町を歩いていればバイク用ウエアとは見えなさそうです。生地は比較的しっかりしていますが、プロテクターがソフトタイプという事もあり重量感はありません。
中に着るものを工夫すれば真冬も問題なく使えそうですが、襟は低くフルフェイスヘルメットを被っていても首が寒く感じたので、真冬の仕様ではネックウォーマーやマフラーを併用したいところです。
M-65ライディングブルゾンはオプションで胸部プロテクターを装着することもできるのですが、RS タイチのチェストプロテクター ボタンタイプも装着することが可能でした。
■ライディングコンバットコットンパンツ
続いて「ライディングコンバットコットンパンツ」ですが、こちらはオーバーパンツというよりは一枚で着る仕様のようです。はじめ太目のカーゴパンツの上から履いてみましたが、かなりきつくて足を上げるのが苦しい印象でした。
生地はかなり厚くハードタイプのプロテクターが入っているので転倒時などの防御力は高そうです。
また腰上や膝上などは生地の種類を変えているので、生地が厚い割には動きにくさが緩和されています。
ツーリング時や長距離を走る時には、動きやすいカーゴパンツの上にオーバーパンツという装備で出かけることが多いのですが、ライディングコンバットコットンパンツは生地が厚い上に中綿も入っているので一枚でもかなり暖かく、真冬は中にタイツを履けば寒さをしのげそうです。
「モンベル」がおすすめするバイクの冬装備
こちらの製品を上下着て出社したところ、事務所にいたスタッフから「めちゃくちゃ山行ってそうな格好してますね」といわれました。アウトドアメーカーらしいデザインということでしょうか。
■アスペンパーカ
モンベルさんから製品をお借りするにあたって一つだけ条件をつけさせていただきました。「前タテ」がついていることです。バイクを運転するのに前タテがついていないとジッパー部分がタンクに当たって傷が入ってしまう可能性があるからです。
モンベル製品は前タテをなくして止水ファスナーを採用したモデルが多かったのですが、「アスペンパーカ」は前タテがついています。
まずプロテクターが入っていないので当たり前ですが、ホンダやRS タイチの製品と比べて圧倒的な軽さです。生地自体がかなり軽いものを採用しているようです。
アスペンパーカは防水透湿性素材を採用したウエア。ちょうど試着して通勤する際に雨が降っている日がありました。雨を通さず蒸れなかったのはもちろんですが、驚異的な撥水力でパッパと手でウエアの水を払えばそのままコンビニに入るのも気兼ねしなくて大丈夫です。
中綿にはダウンが採用されているので、今回紹介するウエアの中でも暖かさは圧倒的でした。
■ドライテックインシュレーテッドパンツ
続いてドライテックインシュレーテッドパンツですが、こちらも防水透湿性素材を採用しており、さらにアスペンパーカ同様に極めて優れた撥水性がありました。この上下の組み合わせは相性が良さそうです。
素材自体がストレッチ素材を採用しているうえ、膝部分は立体裁断になっているのでつっぱり感は皆無でバイク操作時のストレスはありませんでした。
また今回はMサイズをお借りしたのですが、丈は長めで普通に歩くと裾をすってしまう感じでした。しかしバイク用のオーバーパンツは基本的に長めにできており、逆に長くないと雨天時などに防水シューズを履いていてもライディング姿勢をとると裾が上がって雨が入ってしまいます。バイクで使うのであればこれぐらいの長さは必要でしょう。
ただ、このパンツは通常のサイズのほか、M-SならMサイズで丈が短め、M-LならMサイズで丈が長めといった具合のサイズ展開があります。ピッタリのサイズにしたいなら自分の足の長さにあわせることが可能です。
素材自体は表面が若干ざらざらした感じがありますが、そのおかげでシートに座っていてお尻がずれません。普通のナイロンパンツだとツルツル滑ってしまいますが、このパンツはライディングの姿勢を崩すことなく乗車することが可能です。
雪上での滑りとめ効果を発揮するための機能らしいのですが、思わぬバイクとの相性の良さです。
TPOや自分の価値観でウエアを決めよう
最近のバイクユーザーの価値観はかなり多様化してきているように思います。以前であればバイクウエアはプロテクターが入っているのが当たり前でした。休みの日にツーリングに出かけてパーキングなどで駐輪場に止めてみると大多数の人はプロテクター入りのウエアを着ていますが、通勤時にバイクに乗っている人を見てみると多くの人がプロテクター入りのウエアを着ていません。できる限り安全に努めることは当たり前ですが、自己責任で自由なウエアを選ぶのも良いのではないでしょうか。
RS タイチのウエアの事故時の防御力は非常に高いと感じました。安全性で選べば間違いなくRS タイチの「DRYMASTER プライムオールシーズンジャケット」が一番です。
ただ快適性で言えばやはりモンベルの製品が一番だったと言えます。ホンダのウエアに関しては安全面、快適性でRS タイチとモンベルの中間という感じでした。
個人的にはどの製品も知人に自信を持っておすすめできる製品でした。今回のインプレッションを参考にしつつ、用途や価値観でウエアを選んでいただけたらと思います。
ちなみに、ホンダ製品の中にも高い安全性が期待できる製品があったり、RS タイチ製品の中にも快適性を高めた製品があったり、ホンダ×RS タイチなんて製品もあります。ぜひ、自分に合うピッタリの製品を探してみてください。
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