子育ての反省を新しい年に繰り返さないコツとは?
年末年始は育児を見つめなおす絶好の時期!
「感情的に怒ることが多過ぎた。私って、母親失格だ…」
「笑顔を保てないことがたくさんあった。あの子がかわいそう…」
これでは、気持ちが沈むばかり……。「新年にはリセットして仕切り直し!」という気には到底なれません。たしかに年末年始は、1年を振り返るにはいい時期なのですが、上手に反省しないと、たちまち負のスパイラルが1年分、大挙をなして襲ってきてしまいます。どう反省するかはとても重要、ポジティブに反省し、新年に活かすにはどうしたらいいのでしょうか?
まずは自分の「猛省ランキング」を作ってみよう
子育てに反省
■ママの感情面での反省:
- 感情的に叱ってばかりいた
- いつもイライラしていた
- 笑顔でいられなかった
- もっと遊んであげればよかった
- 勉強を見てあげられなかった
- 手抜き料理ばかりだった
あなたの1年を振り返ったの「猛省ランキング」は、どんな内容でしょうか? それらは、あなたが1年でもっとも反省した出来事でもあり、早急に改善したいポイントでもあるはずです。これ以上繰り返さないために、それらをそのまま新年の目標へと作り替えていきましょう。
バリッシュ博士のPOメソッドで新年の目標づくり
新年の目標づくりとは?
このプロセスは、私たちが反省するときによくやってしまう失敗をカバーしてくれます。反省しているとついつい、「できなかったこと」「やり過ぎたこと」ばかりに目を向け、「ダメな母親だ」と自己嫌悪に陥ってしまうもの。POメソッドは、あの負のスパイラルを上手く交わしてくれるのです。
たとえば、1年の一番の反省点が「感情的に怒鳴って叱ってしまったこと」とします。それを繰り返すまいと新年の目標に、「もう絶対に怒鳴って叱らない」と設定したら、残念ながら、たいがい失敗に終わります。なぜなら、これだと、怒鳴らない代わりに、何をするべきなのかが具体的ではないからです。
置き換え行動を準備していなかったばかりに、いつもの「怒鳴るパターン」がすぐにカムバックしてしまうのです。だから、目標には、そこに置き換わる新たな行動を入れ込む必要があります。この例で言えば、「もし怒鳴りそうになったら、代わりに、胸に手を当て深呼吸をする」とします。
ここでは、置き換えの行動を、「胸に手を当て深呼吸をする」としましたが、それ以外にも候補はたくさん考えられます。「三歩下がる」「別の部屋にいったん行き、出直す」「とにかく口に手を当てる」などなど。
新年の目標は「ちょいポジ」からスタート
もちろん、怒鳴る要因を作らないのが一番であり、叱り方のノウハウを学ぶのも大切なことなのですが、新年の目標に理想論ばかりを掲げてしまうと、その場に直面したとき、「頭では分かっているのに、結局は理想の叱り方なんてできない」と逆に落ち込んでしまうことになります。「これならできそう」と思えるちょっとだけポジティブな行動を「置き換え」として選ぶのが賢明です。たとえば、こんな感じです。
- うっかり手を上げてしまった人は、もし叩きそうになったらどう対処するかを考えます。例:「さっと後ろに手を組む」「頭をなでる」など
- しょっちゅうイライラしてしまった人は、もしイライラしそうになったらどう対処するかを考えます。例:「決めたおまじないを言う」「生まれたときの写真を見る」など
- 手抜き料理ばかりを反省した人は、適当に済まさないための策を考えます。例:「料理アプリから1日1品」「料理本〇〇を実践」など。
- 勉強を見てあげられなかった人は、子供任せにしないための策を考えます。例:「1日10分は横に座る」「キッチンに勉強場を作る」など。
理想論とのギャップに苦しむママこそ「ちょいポジ」がいい
「なんだか小さな目標だな」と思わないでください。実現可能な置き換え行動で成功すると、それからもたらされる「いい気分」で、さらにポジティブな行動に置き換えていく余裕が出てきます。そうやって、少しずつ理想論へと近づいていった方が、結局は早道なのです。この「ちょっとポジティブ」で、自分の行動パターンを少しずつアップグレードしていくやり方は、ふだん、理想論とのギャップに苦しみがちなママにとてもおすすめです。とくに子供たちはママの小さな変化にも敏感です。ママには「ちょっとポジティブ」に感じられるかもしれませんが、子供たちは「ママが大変身した!」くらいに思ってくれます。
「お正月になったら、ママが怒鳴らなくなった」
「代わりに、普通の言い方をしてくれるようになった」
それが嬉しくて、前よりも素直に言うことを聞くようになったというポジティブな変化が起こりうるのです。ぜひ、今年イヤだなと思った自分の行動を、ちょっとポジティブな行動に置き換えて、そこから育児の改革に取り組んでみてください。