かぜや腹痛などと違い、気恥ずかしさが先に立つEDの受診に抵抗を覚える男性は多い
性交中の中折れで気づくパートナーのED
日本で初めて「女性性機能外来」を設けた東邦大学医学部付属大森病院が以前行った調査によると、この外来を訪れた女性の悩みで最も上位を占めたのはパートナーのEDに関する内容でした。そのことが原因でうつやノイローゼに陥った人もいるほどです。この問題を面倒にしているのは、自分の病気ではなくパートナーの病気であるという点です。自分のことなら、あれこれ考えたり、相談したり、手を打ったりすることができます。しかし、病気の性質上、当事者にはなれないため、どう対処すべきか分からないのが実情のようです。
一旦は勃起しても、途中で萎えてしまう中折れは典型的なEDの症状です。実際、性交中の中折れによってパートナーのEDにそれとなく気づく女性は少なくありません。それがたまたまなら「そんなこともあるかな」で済ませられるのですが、毎回となると事態はやや深刻です。
うまくいかない原因の大半は心因性
以前は立派に勃起していたのに、ある日を境に立たなくなる。あるいは、だんだん衰えてくる。そんな変化と状態を目の当たりにすると、たいていの女性は「私って魅力がないのかしら」とか「他の人となら問題なくできるのかしら」などと考えるでしょう。しかし、EDの原因を自分のせいと考えるのは大きな誤りです。むしろ、そんなことで萎えるほど勃起のメカニズムは簡単ではありません。うまくいかない原因の大半は精神的な理由による心因性のものだからです。自らの体に現れる厳しい現実を突きつけられ、慌てふためき、女性以上に悩んでいるのは当の男性です。
心因性は文字通り心理的な作用によるものですから、原因を取り除けば、多くの場合、自然に回復するものです。仕事がきつい、職場の人間関係が悩ましい、子育てや介護などで家庭内がうまくいかない――など、EDを引き起こすストレスはいくつもあります。
勃起にも、その力を生かした性行為による快感にも脳神経が関与しています。EDの男性を取り巻くさまざまなストレスは脳が性的に興奮するのを妨げるので、勃起も起こりにくくなるのです。ですから、女性が自分を必要以上に責めるのは見当違いです。
女性のほうから受診を勧めてみる
EDが疑われる男性には、男性だけでなく二人の問題であると励ますことが大切
しかし、EDに直面したたいていの男性は受診をためらいます。気恥ずかしさや照れのほか、自尊心が邪魔をしている場合もあります。明らかにEDの症状を実感しているのに認めたくないという心理もあるでしょう。
EDは生活習慣病の一種ですが、生死に直接関わる病気ではありません。しかし、QOL(生活の質)や人生の豊かさ、パートナーとの深い愛情などを持続するためにはできるだけ早く治療することが望ましいでしょう。
とはいえ、本人が尻ごみしているのを無理に受診させようとすると、相手を意固地にさせるだけです。そこで、EDを男性だけの病気と捉えず、二人が関わる病気と考えて「もっと性生活を楽しみたい」などと丁重にズバリと気持ちをぶつけてみるのも方法です。要は「あなただけの病気ではなく二人の問題」である点を訴えることです。
スタンプテストで簡単に分かる勃起機能
男性の中には中折れ云々ではなく、勃起機能そのものに対する不安から受診をためらう人もいるはずです。その場合には勃起機能に問題がないことを身をもって確かめさせるとよいでしょう。それがきっかけで立ち直れる場合もあります。最も手軽で簡単にできるのが切手を使って睡眠中の勃起を確かめる「スタンプテスト」という方法です。寝る直前にペニスに巻きつけて端を留めた一続きの切手が起床時にミシン目から切れていれば、睡眠中に勃起していた証拠になります。
EDの場合、ED治療薬を処方している医療機関に行けば、ED治療薬が処方されます。ジェネリック商品などのED治療薬はED治療の第一選択肢であるばかりでなく、世界中で広く使われています。決して特殊な薬物ではありません。
病院やクリニックを受診した多くの男性は異口同音に「こんなことならもっと早くに来ればよかった」という感想を漏らします。ほんの少しの勇気がその後の人生を変えるといっても過言ではありません。
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