トランプ新大統領でなぜ円安?なぜ日経平均上昇?

トランプ新大統領が誕生しましたが、予想外の円安・株高となっています。今回はその理由に迫ります

トランプ新大統領が誕生しましたが、予想外の円安・株高となっています。今回はその理由に迫ります

米国大統領選は大方の予想に反してトランプ候補が優勢となり、市場は円高+株安で反応しました。日経平均は大幅安となり、為替も急激にドル安円高が進んで、1ドル=101円に迫りました。ところがトランプ勝利が確定的となり、トランプ新大統領が選挙後に会見をおこなったあたりから、今度はドル高円安に転換し、翌日の米国株は予想に反して大幅上昇。この流れを受けて、前日に919円84銭安となっていた日経平均は逆に1092円88銭高と全戻しに。

ところで、トランプ新大統領といえば保護貿易主義が色濃く、中国やメキシコ、日本やベトナムからの輸入品が米国の労働者の仕事を奪っているとコメントしていました。したがって、トランプ当選となれば、円高となり、日本株は大幅安になると予想されていました。しかし、前述のように、当初こそ急激な円高+株安で反応したものの、その後は円安+株高となっています。これはどういうことなのでしょうか?

米国に資金環流が期待されている

まず円安株高の流れに変わった1つとして、選挙後のトランプ新大統領の会見があります。会見の内容は非常に穏やかなもので、大統領らしい大統領になったのだなということが印象付けられ、市場に与える負の見方が弱まったことがあります。

そしてその一方で、トランプ新大統領が打ち出している、規制緩和や大幅減税、大規模なインフラ投資拡大などに注目が集まりました。大幅減税や1兆ドル規模の大規模インフラ投資が行われれば米国の景気は活性化するのではないかとの期待感が膨らみました。この景気拡大期待に加え、これらの政策を行うためには国債の発行が必要であり、国債価格が下落して長期金利が上昇するとの見方から、米国に資金流入が進むのではないかとの見方がドル高の要因の1つになっていると思います。

一方、1兆ドル規模とも言われる大規模インフラ投資の財源については2兆ドル以上と言われる米国企業の海外留保利益に課税をしようとしています。おそらく2004年に実施された本国投資法(米国多国籍企業の海外に留保している利益や配当金を本国に送金する場合に、その資金が米国内での再投資に使われる場合に限り、通常35%の税率を2005年に限り5.25%とするもの)のように、海外に留保利益を戻して、米国で投資を行えば、優遇税率で適用するといったような方法で本国に環流させる方法を採る可能性があるのではないかと思われます。ちなみに2004年の本国投資法では3000億ドルの資金が環流され、大幅なドル高が起きました。したがってこれが連想されてドル高円安の要因の1つになっているとも思われるところです。

ともあれ、米国に資金環流が期待されている状況の中でドル高円安が起こり、日経平均のプラスに繋がっているところと思います。ただ、トランプ大統領で株式市場はなぜ上昇?でも書きましたが、今後、実際に出てくる政策次第によっては流れが変わる可能性もあるところだと思います。

参考:日本株通信

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