世界最高水準のネットワークを目指す
ソフトバンクモバイルの2012冬-2013年春モデルが、3キャリアのトップを切って発表されました。ソフトバンクモバイルは、イーアクセス(イーモバイル)の買収により、900Mhz帯に加え700Mhzと1.7Ghz帯も入手し、NTTドコモ、KDDIともに名実ともに3強となったと言えます。
これまで700~900mhz帯でドコモとau、1.7Ghz帯でドコモにソフトバンクモバイルは遅れをとっていたわけですが、これが回線品質を向上しきれなった要因の中の1つでもありました。今年(2012年)の900Mhz帯の割り当てに続き、イーアクセスとの統合により対応帯域をふやしたことで、名実ともにドコモやKDDIと対等に戦える条件を獲得したことになります。
世界標準にTD-LTEに準拠したSoftBank 4G(2.1Ghz)と回線接続に強いプラチナバンド(900Mhz、700Mhz)により、これまで繋がりにくいと言われてきたソフトバンクモバイルは、「繋がる」そして「高速」という世界最高水準のネットワークを目指すとしています。
世界最高水準のネットワークを目指すソフトバンクモバイル
エンタメに強いソフトバンク復活へ
2012冬-2013年春モデルでは、下り最大110Mbps最速を謳うSoftBank 4Gを全機種対応しています。高速回線を搭載したことでテザリングも解禁されましたが、エンタメコンテンツの大幅なサービス向上も発表されました。■月額490円で映画、ドラマ、アニメ、音楽ビデオが見放題「UULA」
エイベックスとの提携で実現したのが、コンテンツ5万本以上を提供する「UULA」見放題サービスです。
「UULA」見放題サービスのエイベックス松浦社長とソフトバンクモバイル孫社長
■テレビで見られるスマテレ(SmartTV)
スマテレは、スマートフォンアプリと連動する受信スティック。テレビに装着するだけでテレビで動画やドラマなどが視聴できるようになります。TSUTAYAでのレンタルやUULA視聴など別途料金がかかるものもありますが、毎月新作1本分が無料となる400ポイントが提供されます。見られるコンテンツ(予定)は、TSUTAYA、BBTVNext、GyaO!、UULAで、月額料金は490円。
テレビに装着する受信スティック
スマートフォンアプリと連動してテレビで見られるスマテレ
ヤフーへのログインが電話番号でできる
ヤフーとの連携により、スマートフォンの電話番号をヤフーIDとして利用し、ログインが可能となります。これによりヤフーサービスを、より手軽に利用できるようになります。スマートフォン番号をヤフーIDとして利用
ソフトバンクの本当の逆襲は年末から?
獲得帯域を増やしたソフトバンクモバイルですが、現状ではまだその恩恵を十分に受けられるとはいえません。7月から開始した900Mhz帯のプラチナバンドにしても基地局施設はまだ途中ですし、プラチナバンド、LTE対応端末の切替も終わってはいない現在では、本格的な利用時のトラフィック負荷に対する回線品質を評価するには適切ではないからです。ソフトバンクは来年開始予定にしていたテザリングを、2012年12月に前倒しています。同時期にはAndroidのLTE対応端末やiPhonen 5がユーザー提供も潤沢になり、本格的な利用が開始される時期でもあります。この年末以降、ソフトバンクモバイルがイーアクセスとのネットワーク統合により、回線品質の向上を計った真価が問われる正念場となるかと思います。
2011年のソフトバンクモバイルは、プラチナバンドやLTE回線の整備のため、競合2社に比べ、高速通信サービス展開やコンテンツサービスが四半期ほど遅れをとった状況ですが、その分、弱点だった帯域問題を解決し、今、回線品質の改善と新コンテンツの整備をソフトバンクモバイルらしいスピードで進めています。
それでは次のページから、今回の新製品をご紹介しましょう。