脳の違いだけじゃない? 会話のすれ違いで怒るイライラの正体
なんでわかってくれないの!? ありえない! ですれ違いを相手のせいにして片づけていませんか?
「はぁ? そんなの理解できない!」
「あなたと話してるとイライラする!」
「そんなのありえない!」
――ストレスやイライラを感じたとき、そんな言葉であきらめていませんか?
それ、もったいないです! そんなときは、相手に怒るよりも、「あるもの」を認め、受け入れることで、すごく生きやすく優しくなれるはずです。
1.男女間の「会目的の違い」を認める
男性と女性がお互い会話を楽しむために、まず最初に理解して欲しいことがあります。それは、「そもそも男性と女性は、会話の目的や楽しみ方がまったく違う」ということです。例えば、女性が男性に、「最近、会社で上司とうまくいってなくて……」と話しかけたとすると、男性の場合は、「じゃあ、明日は上司に〇〇を言ってみたら? 心理学ではこういう時に……」というように、自分の持っている知識を使って問題を解決してあげようと話し始めます。
すると、女性は、「私、こんなに頑張っているのに! あなたまでそんな説教臭いこと言うの?……そういうの求めてない!」とバッサリと会話を断ってしまい、男性は困惑してしまい、ふたりの気持ちはすれ違います。どうしてでしょうか?
男性は会話を「目的を達成するためのツール」として使います。なので会話の内容が大切で、「解決」に向かって会話を進めていきます。「彼女から重要な相談をされている! 彼女の力になりたい、支えてあげたい、助けてあげたい!」と思っています。
一方で女性は、「会話をする」ことが目的であり、内容よりも大好きな相手と会話の時間を楽しむことで得る、「共感」が大切なんです。つまり、「解決」や「正解」を求めているのではないのです。女性は「私はただ大変だね、辛かったね、頑張ってるね、とひと言って欲しかったのに……」と思っていたのです。
お互いが愛をもって接しているのにも関わらず、「会話のすれちがい」が勃発してしまうのは本当にもったいないことだと思いませんか?
もちろん個人差はありますが、まずは、その「男女の違い」の傾向をあらかじめしって、会話の目的や受け取り方が違うということを認めてしまいましょう。
2.「私は私、あなたはあなた」という価値観の違いを認める
お互いのオススメの音楽を勧め合うことができるのに、会話の価値観は譲れないのはなぜ?
音楽で例えると、
「○○さん、音楽が好きなんだよね? どんなアーティストが好き?」
「マドンナが一番好きですね。でも洋楽全般が好きですよ」
「へえ! 僕はビートルズが好きなんだ。今度オススメを交換しようよ」
――なんていう風に、会話が盛り上がることはよくありますよね。趣味の話だと、別々の価値観を認めることができます。
邦楽が好きな人、洋楽が好きな人がいます。ロックが好きな人もいれば、バラードが好きな人もいるし、ビートルズが好きな人も入れば、マドンナが好きな人もいますが、それでいいんです。
「私は私、あなたはあなた」と心で思っているから、争いにはなりません。いきなり、「お前、なんでそんな曲を聴いてるんだ! この曲の素晴らしさがわからないなんて、バカなの?」なんて言い出す人がいたら、かなり付き合いにくいイタイ人じゃないでしょうか?
それは、一事が万事。恋愛や人間関係の価値観だって同じなんです。
自分が「これってすごいことだ!」と思ったことを相手に伝たとしますよね。それを価値観の違いで、「え? どこがすごいの?」と受け取ってもらえなかったりすると、「なんでわかってくれないの!? こんなにスゴイのに!」とイライラしてしまうことがあるかもしれません。
でも、さきほどの音楽の例を思い出してください。価値観にどちらが正しいなんてありません。それぞれの趣味趣向があるように、会話の楽しみ方もそれぞれが好きなように楽しめばいいんです。
むしろ、「違いを楽しむこと」が人間関係、恋愛の醍醐味です。「俺が正しいんだから俺の言ってること理解しろ!」なんていうのは、楽しいコミュニケーションにはなりません。
相手は相手、私は私――むしろ、価値観が違うことを楽しんで、「へぇ、同じ話を聞いて、あなたはそんな風に感じたんだ。そんな受け取り方もあったんだ!」と自分の視野を広げていきましょう。
3.「わかるはず」という、思い込みフィルターを外す
違いを認めればイライラしなくなる!
同じでなければいけないと思っているから、違いが楽しめず、衝突してしまいます。まずは異性を、違う文化を持つ、違う国の住人だと思ってみてください。例えば、自分と相手は、外国人同士なんだ、と思ってみてはどうでしょうか。
みなさんも、違う国から来た外国人に会ったら、日本人にするよりも優しく説明するでしょう。もし伝わらなくても、「あれ? 理解してもらえなかった! どう伝えたら、思いが伝わるのかな?」と自分自身を振り返ったり、優しい気持ちで接することができますよね。
そう考えると、私たちは無意識に、「わかってくれるだろう」「わかってくれるはず」という、思い込みフィルターをかけて、相手と接しているから、衝突したり、イライラしたりしてしまうのかもしれません。
異性や立場の違う相手とのコミュニケーションに迷ったら、「思い込みフィルター」をはずして、会話を楽しんでみてくださいね。