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MBOとは?実例からわかりやすく解説

MBOにより非上場化を果たす企業。一体どのような手段なのでしょうか。また、MBOを行う意味には何があるのでしょうか。MBOの知識、方法について解説していきます。

伊藤 亮太

執筆者:伊藤 亮太

株式・ファイナンシャルプランナーガイド

 アデランスがMBO実施へ

証券取引所

MBOにより再建できるか?

2016年10月14日、アデランスがMBOを発表しました。これにより、アデランスは非上場化を果たし、投資ファンドの下で経営再建を図っていくことになります。

こうしたMBOのニュースは今に始まった話ではありません。これまでも様々な業種の企業においてMBOが実施されています。

それではこのMBOとは一体何なのでしょうか? 今回は、MBOについて解説を行います。

MBOはM&Aの一つの手法

MBOとはマネジメント・バイ・アウトのことを指し、企業の経営陣による買収を指します。つまり、企業の経営陣がその企業の株式を買い取ることを示します。

様々なケースがありますが、一般的には上場企業が非上場化する手段として、またもともとの経営者ではない人がオーナーから株式を買い取ることでその後の経営を行う、一部門を独立するといったケースが多いといえます。

それではなぜMBOを行うのでしょうか。これも様々な理由があると考えられますが、一般的に自由度の高い経営を選択した結果MBOを行うケースに至ると考えられます。

例えば上場企業の場合、上場を果たすことで知名度や資金を得ることができる一方、それまでとは異なり不特定多数の投資家が株式を保有し、様々な意見を株主総会等で出し合うことになるでしょう。その結果、経営陣と株主の間に溝がうまれ、経営陣の思うように経営が立ち行かなくなるといったことがあります。

そこで、原点に立ち返り、経営陣が株式を買い取りMBOを果たすことで、自由な経営、思い切った事業展開を行う戦略に舵をきるといったことがおきえるのです。

ファンドに資金を頼るケースも

経営陣が資金をふんだんに保有している場合には、その資金をもとに買収することになりますが通常はそうもいかないことでしょう。そのため、MBOを果たすには、一般的には金融機関からの融資や投資ファンドによる資金提供が前提となります。

アデランスのように、投資ファンドが資金提供を行い、そのもとで経営再建を選択する企業もあります。投資ファンドは資金提供だけではなく、経営のノウハウも保有していることから、その後の事業展開をスムーズに行うことができる可能性があります。こうした知恵を絞りその後の活路を見出すために、ファンドとともに経営再建の道を歩むことを選択したとアデランスの場合は考えられます。

なお、上場企業がMBOを発表した場合には、いくらで買い取るのか金額を公表することになります。通常は市場で取引されている株価よりも高く設定した買取価格が公表されます。その結果、市場でもその価格に沿うような取引価格が形成されることになります。

アデランスの場合には29%のプレミアムをつけてMBOを発表しました。なお、MBO後に再建がうまくいった場合には再上場を果たすケースもあります。MBOはその後のファンド・経営陣の力が試される一つの買収方法といってもよいでしょう。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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