docomo IDでサービス事業の本格拡充へ
NTTドコモの2013年冬-2014春の新製品・新サービスが、2013年10月10日に発表されました。今回は、スマートフォンが9機種10モデル、子供向けスマートフォン、法人向けビジネススマートフォン、Androidタブレット、ケータイの2機種、その他が「フォトパネル 06」およびモバイルWi-Fiルーター2機種で、17機種18モデルとなります。このほか、腕時計型スマートデバイス「ムーヴバンド」や「GALAXY Gear」も発表されました。サービス面ではdocomo IDの本格的な展開開始による4つのフリーを推進し、インフラ事業だけでなく、サービス事業を柱とする事業の拡充展開が発表されました。
発表会は、前回に続きNTTドコモ代表取締役社長の加藤薫氏のよるプレゼンで開始されました。加藤氏は、NTTドコモはスマートライフを目指すとし、ドコモが目指すスマートライフはお客様のひとりひとりが幸せになることだとしています。
新製品の特徴
今回の新製品の特徴は、3つ。・電池持ちのさらなる向上
すべての機種でバッテリー持ちを2日以上、うち5機種においては、3日以上を実現しています。1日の利用基準はドコモ利用者の利用状況から算出されているそうで、ブラウザ、メールなどの80分間の通信利用としています。また、2~3日以上の通信利用が可能な電池持ちは、フィーチャーフォン時代に追いついたとしています。
ただ、スマートフォンはフィーチャーフォンとは異なり、通信利用以外にもゲームや音楽・動画視聴などにも利用されるためスマートフォン所有者の1日の利用時間は2時間くらいという調査もあります。一般的なユーザーの通常での利用の場合も1.5~2日ほどの電池持ちくらいと考えておくほうが良いかもしれません。とはいえ、1日で切れるという状況は脱しつつあるとも言えそうです。
・通信速度 世界最速下り最大150Mbpsに対応
新機種(一部を除く)では、クアッドバンドLTEと下り最大150Mbpsに対応します、
・docomo LIVE UX
NTTドコモはこれまでのPalletUIから新しい「docomo LIVE UX」が採用となっています。docomo LIVE UXは、ホーム画面をより直観的にカスタマイズが可能となっています。また、マイ マガジンというニュース閲覧機能も導入されています。
国内人気メーカー3機種を3トップ的に展開も
夏モデルのような極端なツートップ戦略は取らないものの、国内人気3メーカーの新機種で1~2万円ほどの割引優遇を実施するなど、3トップ的な販売体制もあわせて実施されるようです。AQUOS PHONE ZETA SH-01F …… 2013年11月上旬
ARROWS NX F-01F …… 2013年10月24日
Xperia Z1 SO-01F …… 2013年10月24日
Xperia Z1 S-02F …… 2013年12月下旬
GALAXY Note 3 SC-01F …… 2013年10月17日
GALAXY J SC-02F …… 2013年10月下旬
G2 L01F …… 2013年10月11日
AQUOS PHONE EX SH-02F …… 2014年1月
2013年SH 01F DRAGON QUEST …… 2013年12月上旬
Disney Mobile on docomo F-03F …… 2013年12月中旬
・DRAGON QUESTコラボモデルを用意
今回の注目機種としてDRAGON QUESTコラボモデルがあります。オリジナルアプリのほか、DRAGON QUEST VIII (縦画面版)が搭載されるなど、ゲームスマートフォンとしても注目です。
新サービスの基本は、4つのフリーを提供
新サービスの展開としては、4つのフリーを掲げています。・ネットワーク フリー
・OS フリー
・デバイス フリー
・キャリア フリー
docomo ID
これまでの携帯番号による認証をdocomo IDによる認証に本格的に移行することが発表されました。すでにdビデオやdstickによるスマートTVなどでは移行が進められてきましたが、本格的な展開が宣言されたといえます。docomo IDにより、ドコモが提供するサービスの多くで、ネットワークを選ばない利用、OSを選ばない利用、デバイスを選ばない利用が実現できるだけでなく、キャリアを選ばずにドコモのサービスが利用できるようになっていきます。今回のiPhone 5s/5cでのdビデオなどの対応も、そのメリットの一つといえます。ネットワークフリーでは、XiやFOMA回線、無線LAN、固定回線などの回線種類を選ばずにドコモのサービスが利用できます。OSフリーでは、OSプラットフォームに依存せずにドコモのサービスが利用できます。デバイスフリーでは、スマートフォンおよびタブレット、パソコンなど異なる機種間でもドコモサービスが利用できます。
そして、キャリアフリーは、ドコモ回線契約がなくてもドコモのサービスが利用できる環境の実現を目指しています。
インフラ事業からサービス事業の拡充を目指してきたNTTドコモですが、docomo IDの展開により、ようやくインフラからのサービスの独立性を手にいれたことになります。
クラウド型メールサービス「ドコモメール」
提供が遅れていたクラウド型の新メールサービス「ドコモメール」が、いよいよAndroid向けに2013年10月24日(木)から開始されます。iOS向けの開始は12月中旬、IMAP対応は年度末が予定されています。「ドコモメール」は、「iモードメール」と同じ「@docomo.ne.jp」ドメインでデータ保存容量は1GBの利用となります。クラウド型メールサービスであるため、機種変更時でもデータ移行が簡単です。またdocomo ID対応(11月以降)により、複数のスマートフォン、タブレット、パソコンなどのWebブラウザー上でも利用できるデバイスフリーも実現されます。
強化されるdマーケット
dマーケットはすでに2013年上期で270億円に達していますが、今後の強化として2014年3月までに3つの新ストア提供が発表されています。・d fashion
ケータイ決済、送料無料、ポイント10倍キャンペーンなども予定しています。
・dトラベル
JTBとの業務提携により、約1万1000軒の国内宿泊施設をスマートフォンやタブレット、パソコンから、予約などの利用ができます。
・dキッズ
子供の知育サービスです。独自のワールド上に、絵本やARを利用したぬりえなど、子供が安心して遊びながら学べる世界を提供します。
専用のぬりえ紙に描いた絵をタブレットで取り込むとARで動いたり、3D走行させたりできます。利用時間の制限や、子供が遊べるGoogle Playアプリを登録して使えるようできたり、利用時にはホームボタンを無効にしてdキッズから不用意に画面が切り替わらないようになるなど、子供の知育時間を安心して提供できるようになっており、システムの完成度が高いサービスです。
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