芸どころ、歴史文化の町・名古屋を楽しむ大人の文化祭
今年で4回目となる「やっとかめ文化祭」が2016年10月29日~11月20日に開催されます。これは名古屋の芸能、伝統文化を気軽に楽しめるという街のすべてが会場となるいわば“大人の文化祭”。実は芸どころであり、歴史文化の宝庫でもある名古屋の大人カルチャーにふれ、体験できるというイベントです。ちなみに「やっとかめ」とは漢字で「八十日目」と書き、名古屋弁で「久しぶり」を意味します。狂言、歌舞伎などまずは街中で観られる無料企画へ
伝統芸能のイベントというとちょっと敷居が高いイメージを抱く人も多いかもしれません。しかし、やっとかめ文化祭は実はそんな人にこそおすすめなんです。繁華街の交差点、商店街や商業施設といった街中を会場にし、しかも無料で観られるプログラムがたくさんあるのです。まず足を運んでもらいたいのが10月29日のオープニング。名古屋・栄のナディアパーク内を会場に、ストリート歌舞伎、尾張漫才、講談、お座敷芸、狂言とやっとかめ文化祭の主要な出し物がそろい踏み。文化祭がにぎやかに幕開けします。
期間中の一番の目玉は辻狂言、そしてストリート歌舞伎です。狂言は日本で一番古い喜劇とされ、実は名古屋は和泉流の発祥地。もともと“辻”=通りの角”で行われていたもので、そんな本来の姿を再現するいわばストリート狂言が全9回行われます。
最も開催回数が多い辻狂言。ナナちゃん人形の足元や円頓寺商店街、大須商店街、オアシス21、KITTE名古屋などが会場になる
ストリート歌舞伎は源平合戦のダークヒーローが主人公の『悪七兵衛景清』を4回開催。狂言は分かりやすいベタな内容、歌舞伎は初心者でも入りやすいメジャーな演目でストリート用にインパクトある脚本・演出となっています。
この他にも尾張漫才、津軽三味線、筝曲、日本舞踊、お座敷芸、落語、講談などが無料企画として組まれています。ショッピングのついでにでも、ふらりと気軽に足を運んでみましょう。
お座敷ライブやしゃちほこ体験など充実の有料イベント
有料イベントも充実しています。ちょっと贅沢に粋を楽しむならお座敷ライブへ。名古屋の有名料亭で料理を味わいながらお座敷遊びや狂言、講談などを楽しめます。料金は8000円~1万3000円とちょっとお高めですが、普段は敷居の高い料亭を大勢の参加者と一緒に気軽に楽しめます。お座敷芸では「しゃちほこチャレンジプロジェクト」もやっとかめ文化祭ならではのユニークな企画です。名古屋特有のお座敷芸である“金のしゃちほこ”を名古屋城の広場で、みんなで一緒にチャレンジするのです。参加費は着物のレンタル・着付け代として4000円。参加者は事前に2回以上のお稽古し、11月12日にお披露目されます。
参加型の「まちなか寺子屋」「まち歩きなごや」
参加型の企画もたくさん用意されています。その柱となるのが「まちなか寺子屋」と「まち歩きなごや」です。「まちなか寺子屋」は市内の寺院、店舗などを“教室”とした講座が26企画。茶の湯体験、利き酒遊びなど体験型のプログラムも数多くあり、楽しみながら名古屋の歴史や文化を学べます。各講座1時間半~3時間で受講料は500~3500円。
「まち歩きなごや」は名古屋の歴史や文化をテーマとした散策ツアー。その土地、場所を愛する市民がガイドを務め、街の中に潜む隠れた魅力を再発見します。大人気商店街・大須をよりディープに楽しむツアーや、円空仏の特別公開もある古刹ツアー、モザイク壁画ツアー、高度成長期のビル建築を巡る渋ビルツアーなどなどバラエティに富んだまち歩きが全47コース用意されています。中には、抹茶小倉味のスパゲッティーなど珍メニューで有名な喫茶マウンテンで狂言を楽しむ、なんていう異種格闘技的な企画もあり。参加費は500~1000円。
筆者・大竹の担当講座などサブカル系企画なども多数
筆者・大竹もそれぞれ1企画ずつを担当します。「まちなか寺子屋」は「名古屋の和菓子文化~和菓子づくり体験」(11月13日)、「まち歩きなごや」は「幻のコンクリ仏師・浅野祥雲作品を巡る」(10月29日)。まち歩きツアーはおかげ様で定員いっぱいで予約打ち切りですが、寺子屋はまだ少し空きがあります。よろしければご予約の上ご参加ください。このように無料で観覧できるものからちょっと贅沢な体験物、エンタメ性あふれるイベントから知見を深める講座、サブカルチャー的企画まで硬軟取り混ぜて多種多彩な企画が目白押し。期間中、毎日のように名古屋のどこかで興味深いプログラムが催されます。
ちょっとでも心の琴線にひっかかるプログラムを見つけたら迷わず参加して、名古屋の知られざる素顔、ディープな魅力にふれてみてください。
□やっとかめ文化祭 2016
・2016年10月29日~11月20日