東西南北にテラスを配し、外と内を多層的につなげたプラン
住友林業の『邸宅設計プロジェクト』から誕生したBF GranSQUARE(ビーエフ グランスクエア)シリーズの 第3弾『STYLE UPSIDE(スタイル アップサイド)』は、都市に暮らしながらも空や風、緑といった自然の彩りを取り込んで、心地よく暮らすことを目指した家です。今回も“箱”を組み合わせてデザインし、今度はテラスや屋上などの多層的な外部空間を実現しています。今回ご紹介する住友林業 立川第一住宅展示場はその『STYLE UPSIDE(スタイル アップサイド)』のフラッグシップモデル。東西南北それぞれにテラスがあり、さらに屋上や吹き抜けなどを巧みに配し、内と外を多層的につなげたプランとなっています。
外観は、最大1m82cmものオーバーハングによってボリュームが生まれた横長のシルエットを、タイル張りの壁が縦に貫いているというダイナミックなデザインですが、不思議と3階建て特有の圧迫感をあまり感じないのが印象的。これは縦ラインのタイル張りの壁が、柱のように横長のシルエットを支えるような構図とすることで、視覚的な安定感を生み出しているためです。
大きくせり出した横長の2階部分を縦に伸びるタイル張りの壁が貫き、支えるようなデザインとすることで、バランスよく安定感のある外観となっています(住友林業 立川第一展示場)
箱”を組み合わせてデザインすることで、東西南北に開かれた心地よい外部空間が実現しました
玄関から一歩足を踏み入れると、かぐわしい木の香りとともに、どことなく和の雰囲気が広がります。設計に際しては40代の夫婦と小学校高学年の長女という家族構成を想定。「海外赴任から帰国して、日本文化の良さを再認識したという家族のモダン和風空間の家」というコンセプトのもと作られたモデルハウスです。
1階のリビングまわりは、週末に友人や親戚を招くことを想定してプランニングしました。小上がりの和室はリビングとフルオープンでつながり、大人数の来客にも対応できるような一つの大空間を構成しています。リビング前のテラスに向かって大きな開口部が設けられており、屋内の天井から屋外の軒天にかけて貼られた杉材が視線を自然に外部へと導くことで、屋内外の一体感を演出しています。こうして、テラス~リビング~和室が一体的につながった、おもてなしの場が生まれました。これは強度を保ちながらも柱や壁を最小限にして大空間を生み出せる、住友林業の「BF構法」だからこそ実現できた空間であるともいえます。
南向きの1階リビング。テラスや和室と一体的につながった、おもてなしの空間。 余分な壁や柱のない大空間は住友林業の『BF構法』の特徴です
1階リビング前に設けられたテラス。最大で1m82cmも張り出した2階オーバーハング部分が屋根代わりとなっています
屋外の軒天に貼られた杉材は屋内まで続いており、内と外の連続性を演出しています
オーク材とオーリブアッシュ材をあしらったダイニング・キッチン。樹種により異なる表情のグラデーションが楽しい
雲母刷りの瓢箪(ひょうたん)柄の唐紙が印象的な1階リビング横の和室。瓢箪は、上へ上へと伸びる末広がりの形から、縁起のよい柄とされています
2階はプライベートな空間。ファミリースペースと、夫婦寝室、子ども部屋、サニタリースペースがあります。ファミリースペースに面したテラスには、大小さまざまな観葉植物を配してまるで庭のような雰囲気とし、明るく爽やかな空間を演出しています。上部が吹き抜けで奥行があるため、日当たりを確保しながらも外部の視線を遮断する「都会のプライベートガーデン」が実現したのです。
夫婦寝室は「寛ぎ」を最優先にプランニング。小上がりとすることで天井高を低く抑えた、布団敷きのスタイルです。唐紙を貼ったミラーパネルや、組子デザインをあしらった障子といった和の意匠が細部に光ります。
サニタリースペースは外部の視線を遮りながらも、物干し場にも使える小さなテラススペースが前面に配置されており、ほど良い明るさと心地よい風を上手くとらえます。“箱”を組み合わせてプランニングする中で生まれたニッチ(すき間)を巧みに活用しています。
ファミリースペースに面したテラス。日当たりを確保しながらも外部の視線を遮断しました
夫婦寝室は、和の意匠が印象的。小上がりによって天井高が低くなった、布団敷きスタイルの寛ぎ空間となりました
サニタリースペース前のテラスは物干しスペースに。明るい、風の通り道です
3階は、家族や親しい友人のための集いの空間。リビングには堀座卓があり、造り付けのソファに腰を掛けると、テラスと広い空が眼前に広がります。テラスにもベンチが設置されており、内と外が一体となった交歓の場となっています。ここで夜景を眺めながらお酒を飲んだり、お茶をしたら楽しいでしょう。
大開口により内と外一体となり、オープンエアの心地よさを満喫できる 空間となっている3階リビング。独特な赤味のあるマホガニーの床も好評です
テラスリビングの前に設けられた開放感抜群の3階テラス
3階リビングの脇には茶室風の3畳の和室があり、ここからは坪庭の趣がある小さなテラスが臨めます。隣のリビングとは対照的に、一人っきりになれる静かな空間です。
3階リビング横の和室。障子の向こうには趣ある坪庭が
階段を上るとペントハウスから屋上へ出られます。周りに遮るものが無く、開放感は抜群。心地よい空間の中にグリーンをふんだんに配したそこは、まさに空中庭園といった風情です。グリーンや砂利は直に敷いているのではなく、50cm角の鉢置きユニットに入れてからはめ込むという手法を採用。施工しやすく、大事な防水層を傷つけにくいのがメリットです。
今回ご紹介した住友林業 立川第一展示場は、実際に中を見てみると「“箱”を組み合わせて内と外、空間と空間のつながりを美しく機能的に構成する」というBF GranSQUAREのコンセプトが手に取るように良く分かるモデルハウスです。ぜひ立ち寄って、都市で自然を感じる住まいを体感してみてはいかがでしょうか。
>>住友林業 立川第一展示場のご案内
>>『BF GranSQUARE』