既婚者のデートはどこからが不倫?「プラトニックな関係」とはなにか
プラトニックなデートをするだけだから、不倫じゃない……本当にそうでしょうか?
一般的に「不倫」といわれる関係は、既婚者が配偶者以外の異性と“深い関係”になることを指します。それは、法律用語でいうところの「不貞行為」です。
しかし、その“深い関係”には、厳密に定められた定義はありません。たとえば、「メールのやりとり」や「ふたりきりで食事」だけでも、「夫(妻)が不倫している」と不安になって、状況証拠という尾っぽを掴まれて糾弾された場合、法律的に不倫とみなされるケースもあります。
この世には男と女しかいません。趣味や職場の気の合う友人がたまたま異性だった、ということもあるかもしれないのです。
つまり、たとえ体の関係も、恋愛感情もない男女の友人であっても「プラトニックな関係」といえなくもなく、それが夫婦にとってトラブルの温床になりかねないとなれば、「倫理に反する」という見方もできます。
たとえば、趣味を通して仲良くなった男友達。食事やメールをする仲になっても、不倫とは言えません。でも、淡い気持ちを抱くのは、既婚者には許されないこと?
しかし、一方で、現時点で体の関係こそないものの、その内側にほのかな恋愛感情があるとしたらどうでしょうか? 少し話が変わってきます。
つまり、その場合、広義に解釈すれば「不倫」の一部だけれど、まだ、不倫にまでは発展する手前なのが、既婚者による「プラトニックな関係」、つまり「プラトニックな不倫」といえそうです。
もちろん、「付き合ってほしい」「好き」「愛している」などの言葉を交わしている場合、より「不倫」という言葉が適切になるのかもしれませんが、あくまでそれは本人たちだけが知るところです。
既婚者がプラトニックな関係になるのはいけないこと?
夫や妻とは違う、ちょっとだけ特別な異性。
なぜなら、配偶者以外の他の異性に恋愛感情を抱き、その気持ちを伝えたとしても、その相手と配偶者の関係がどう進展するか、どう進展するのかは当人次第です。割って入って、物理的に引き離すことは可能かもしれませんが、気持ちまで制御することはできません。
例えば、あなた自身が、配偶者とは別に、好きな相手ができたとしましょう。その時、その相手への恋愛感情(のようなもの)は、配偶者に対して抱く気持ちとは全く別の種類ではないでしょうか。
「好き」には、いろんなベクトルがあります。
家族に対する深い親愛の情もあれば、遠くから見ているだけでドキドキする初恋のようなときめきもあるし、罪悪感のある婚外恋愛だからこその刹那的な想いもあります。
複数の相手に、それぞれ異なる「好き」が生まれるのは、別段おかしなことではありません。関係の深さが異なれば、好きの種類も違って当然です。つまり、「プラトニックだけど、ちょっと特別な人」がいてもいいし、自然なことではないかと筆者は考えています。
既婚者がプラトニックな関係を望む心理と理由は?
パートナーへの関係に不満やさみしさがあると、異性からのやさしさや誘いに乗りたくなってしまう。でも、やっぱり家庭は壊せないから、踏みとどまっているに過ぎないのかもしれない。
総合探偵社株式会社MRが2016年に行った、浮気・不倫経験のある既婚女性30~49歳300名を対象にしたアンケート調査で、浮気や不倫のきっかけとして最も多かったのは「パートナーとうまくいっていない」という理由でした。 たしかに、世の中には、ずっと仲良しの夫婦もいる一方で、セックスレスの夫婦も、仮面夫婦もいます。もちろん、いくら夫婦仲がうまくいっていないからといって、不倫をしてもいいという言い訳にはならないことは申し上げておきます。
ただ、正論として「現状から逃げるのはよくない」とした上で、
ガス抜き感覚で他の異性とプラトニックな時間を持つことは、決して結婚生活にマイナスではないと筆者は考えます。
もちろん、それはお互い過ちを犯し(※語弊はありますが、便宜上この表現を使います)、体の関係を持ったり、家庭を壊すつもりはないのが前提です。
「(異性であっても)ただの友人」と「ちょっと好みの異性」では、同じ食事やお茶をするのでも気分はかなり違います。
お互いが承知の上で、プラトニックなデートを楽しんで、配偶者とは異なる「好き」の種類を楽しんだり、ドキドキする初恋のような気持ちを楽しむのは、抜群の息抜きになるでしょう。
プラトニック不倫で気を付けること
夫や女友達と過ごす時間は楽しい。だけど「ときめき」だけは、彼からしか得られない。一時的な感情だということは、わかっているつもりだけど……。
・相手に縛られたくない
・ドロドロした関係になりたくない
・夫や妻と別れるつもりはない
・(配偶者では得られない)トキメキを感じたい
・すぐに止められる距離でいたい
どれをとっても実に都合がいい話ばかりですが、それらのエゴを胸に秘めて、美味しいところ取りで非日常を楽しみたいというのが「既婚者ならではの本音」ではないでしょうか。それは、「好きな人が既婚者だった」という体の関係がある不倫よりも、「遊び」感覚が強いかもしれません。
しかし、ひとつだけ言っておきたいことがあります。
エゴな恋愛を自身がすることを許すなら、同じことを配偶者にされても許すこと。自分はよくても相手はNGというのはフェアではありません(もちろん、配偶者があなたが外でエゴな恋愛をすることを許すかどうかは分かりません)。
「同じことをされたらイヤだと思うから自分もガマンする」のではなく、「自分がしたいなら相手のそれも許す」──そのほうが健全ではないでしょうか。
夫婦という関係に縛られすぎて窮屈になるのも、夫婦仲が悪くなる一因です。例え結婚していても、外に目を向け、楽しみやときめきを見つけることで、家庭という「帰る場所」が愛おしく思えるようになることもあります。
もしあなたがプラトニックな不倫に憧れを抱いたなら、無理に抑えるのではなく、家庭や配偶者やあなた自身の生活そのものを見つめ直すきっかけに捉えてみてはいかがでしょうか。
「感情」と「関係」は別。立ち位置だけは見失わないこと
楽しそうな夫と子供。当たり前とも思える光景こそが幸せだということを、忘れてはいけません。失ってからでは遅いのです。
前述のとおり、あなたの中では後ろめたくない関係だからセーフだと思っているとしても、周囲が同じように捉えるとは限りません。
体の関係や状況証拠のある、いわゆる「不倫」の場合は、法律上、結婚という契約への違反が認められてしまうという意味で、経済的社会的な意味を含めた重いリスクと責任があります。
しかし、「好き」という感情は、第三者が口出しできることではありません。
だからこそグレーゾーンなのですが、あくまでギリギリのラインに立っていることは意識した方がいいでしょう。
プラトニックな関係だからこそ、相手に伝えきれない「好き」の気持ちが溢れてしまい、気持ちが入りすぎてしまうことも有り得ます。そんな「恋心」という名のエネルギーを、持て余すことなく、上手にコントロールしてこそ、大人のたしなみではないでしょうか。周囲からの誤解をいちいち解く必要はありませんが、家族からの信頼を失うような振る舞いだけはしないよう、心がけてください。
その際、気持ちを入れすぎないためには、自身の立ち位置を常に意識すること。家族の存在をおざなりにせず、きちんと向き合うことです。
そもそも、一時の感情に流されがちな人は、たとえ「プラトニック」であろうと「不倫」には向きません。
大事なものを失わないためには、妄想や疑似恋愛だけに留めておくほうがいいのかもしれません。あなたの中に秘めた感情までは、誰にも見えませんから……。
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