ライフステージの変化に合わせたエアコンの提案
三菱電機株式会社は2016年8月23日、都内で新商品発表会を開催。同社ルームエアコン“霧ヶ峰”の新モデル、 FZ・Zシリーズをお披露目した。FZシリーズ6機種、Zシリーズ12機種が2016年10月下旬から順次発売となる。価格はオープン(※実売想定価格は記事末尾に記載)。今回の新モデルで三菱電機が提案するのは、利用者のライフステージに沿ったエアコンの形。エアコンの使用年数でもっとも多いのは10年と言われているが、その10年のあいだに利用者の価値観や生活様式は大きく変化していく。当然、エアコンに求められる快適さもそれに合わせて変わっていくわけだが、同社はその“変わっていく”部分に注目。霧ヶ峰の新モデルを「人生を快適にするエアコン」へと進化させる考えだ。
暑がり&寒がりさん、大人と子ども――みんなが同時に快適に
夫婦世帯でよく見られる、暑がりさん(主に夫)と寒がりさん(主に妻)によるエアコンの設定温度争い。霧ヶ峰では、足先などの細部まで約18,000エリアに至る温度感覚センシング“ムーブアイ極”と、2つの気流で2つの温度帯を同時に作り出す“パーソナルツインフロー”(FZシリーズのみ)を駆使して、両者の快適な共存を実現する。10年のあいだには、夫婦世帯に子どもが産まれるかもしれない。すると温度設定は再びややこしくなる。三菱電機の調査によれば、大人と子どもでは温度感覚が異なっており、室温25度を大人が快適に感じる一方で、子どもは暑いと感じるケースが多いという。しかし、温度感覚の違いというのは表面温度として表れないため、これまでの検知技術では判別ができない。つまり、温度感覚を基準とした吹き分けは不可能というわけだ。
そこで今回の新モデルでは、ムーブアイ極に新開発の独自アルゴリズムを搭載し、身長などに基づいて大人と子どもの見極めを実現。
FZシリーズではパーソナルツインフローを、Zシリーズでは前後左右同時に風を吹き分ける“匠フラップ”を組み合わせることで、最大で3度差があるという、大人と子どもの体感温度を同時に快適にすることが可能となる。
また、この見極めを活かして子どもへの風の当たり具合も自動で調整。冷房では子どもの頭上に気流を送り、暖房時には顔の部分を避けて足元に気流を送ってくれるのだ。
“みまもり空調”でシニア世代の健康もみまもり
セカンドライフを過ごすシニア世代にとって、エアコンは快適さの提供に加えて健康維持においても重要な役割を担うことになる。とくに懸念となるのが夏場の熱中症リスクだ。たとえば、厚生労働省大臣官房統計情報部の調査(平成25年)では、年齢階層別に見た熱中症の死亡者の約8割が65歳以上という結果が出ている。節約意識の強さ、あるいは温度感覚の低下などからエアコンを適切に使うことができず、熱中症を招くというケースは少なくないだろう。
新機能の“みまもり空調”では、室温/湿度に加えて、体感温度を大きく左右する輻射熱の影響も鑑みて、部屋の温度が28度以上になると、電源がオフになっていても自動で冷房運転を開始する(冬場には、10度以下の低温時に暖房運転を開始)。快適で健康なセカンドライフを、霧ヶ峰がしっかりとみまもってくれるというわけだ。
快適はもちろん、省エネも抜かりなし
新モデルでは世界で初となる圧縮機を駆動するインバーターに省エネの最先端を担う低損失パワー半導体モジュール“フルSiC DIPIPM”を搭載し、電力損失を低減し、省エネ性能を向上している。またFZシリーズでは、体感温度を見ながら冷房と送風を切り替える“ハイブリッド運転”も搭載。パーソナルツインフローの片側ファンを停止して、もう片側のファンで風を送り、体感温度を維持しながら、6.3kWクラスで最小17Wの運転を行う。
【三菱ルームエアコン「霧ヶ峰」シリーズ・実売想定価格】
■FZシリーズ[税別]
4.0kW:32万8千円前後
5.6KW:35万8千円前後
6.3KW:37万8千円前後
7.1KW:39万8千円前後
8.0KW:42万8千円前後
9.0KW:45万8千円前後
■Zシリーズ[税別]
2.2KW:21万8千円前後
2.5KW:23万8千円前後
2.8KW:25万8千円前後
3.6KW:26万8千円前後
4.0KW:27万8千円前後
5.6KW:30万8千円前後
6.3KW:32万8千円前後
7.1KW:34万8千円前後
8.0KW:37万8千円前後
9.0KW:40万8千円前後
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