注文住宅/家づくりのイメージづくり・アイデア

家に表情を与えるファサードのつくり方

ファサードとはつまり、建物の正面の外観(家の顔)のことです。家の顔ですから、見た目の印象をよくし、表情をつけることがポイントです。

佐川 旭

執筆者:佐川 旭

家を建てるガイド

ファサードとは?

一般に「門まわり」「アプローチ」「玄関前」などと呼ばれる場所でフランス語の「façade=顔」が語源で英語の“FACE”と同じ意味です。

つまり建物の正面の外観(家の顔)のこと。家の顔ですから、女性が化粧をするのと同じように見た目の印象をよくし、表情をつけることがポイントです。特に、街で家を見る時に素敵と感じるのはファサードがきれいにまとまっている建物です。そしてどんな人が住んでいるのかなとつい想像したくなるものです。

敷地の広さや周囲環境によってさまざまな制限はありますが、できれば自分たちのライフスタイルや暮らし方を表現したファサードをつくりたいものです。


街並みに配慮した住まいの考え方と実例

バランスのとれた住まいづくりをするためには、室内の空間はもちろん戸外空間や周囲環境にも配慮することが重要です。したがってうわべだけの化粧であれば均一的な戸外空間になってしまいます。地域の特性や個性に応じたキーワードを探し、自分の家は街の建物の一部であるという認識のもとでファサードを考えてほしいものです。

◎街に対する考え方の4つの実例
・街に対する立面
道路からの敷地に余裕がないので立面のデザインを工夫

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屋根の形はアールとし、印象的なデザインを街に与える。  


・街に対する仕掛け
緑や草花などで街に潤いを与える。

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内側玄関から外の緑をみる。建物の一部をへこませてシンボリックな木を植える。内にも外にも人を楽しませる工夫  


・領域をつくる外壁
塀を設けず外壁のコンクリートに模様やタイルを埋め込んで街に広がりを与える。

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塀や屋根のあるカースペースなどで敷地を区切らないので、街に開放感をつくる工夫  


・領域をつくる塀
防犯を考え塀を設けるが、街とゆるやかにつなげる工夫もあわせて考える。

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塀は設けるが内扉から玄関までゆるやかにつなげる工夫。オリジナルの塀は木でつくり、やわらかさを演出している。  


写真:(株)佐川旭建築研究所設計


ファサードをつくる、又は引き立たせるポイントは

ファサードづくりは誰にでもできます。
次の5つのポイントに配慮してみましょう。

ポイント1 情報を集める
まずは自分が好きなファサードを近所はもとより、本やインターネットなどで気になる写真をピックアップしてみることです。

ポイント2 家のまわりの楽しみ方を考える
平面計画ができたら、次は配置計画をしながら室内と室外の関わりをイメージしてみることです。ガーデニング、バーベキュー、子供と遊ぶなど家のまわりをどうやって楽しむかを考えてみましょう。

ポイント3 全体の一体感をつくる
ファサードの色彩計画、素材、窓の形や大きさと高さ、屋根のボリューム感
ベランダのデザインなど全体の一体感を考えてみましょう。

ポイント4 長期的な視点をもつ
自分なりに気に入ったファサードも植栽によって表情は年ごとに変化していきます。
いずれシンボルになってくれるだろうという長期的な視点も考えておくことと、もちろん建物外壁の劣化にも注意していきましょう。

ポイント5 こだわる外まわりをつくる
敷地に多少なりとも余裕があるのであればファサードにあわせた玄関まわり、門などの設計デザインも大切になってきます。外まわりによりこだわるのであれば造園設計家に依頼してもいいでしょう。


※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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