身長が低いことが初めて強みになった
―― 購入したのがドゥカティ モンスター696だとか。シートを低くしたりしたんですか。原:いえ、ノーマルのまま乗り始めました。ドゥカティのなかでも一番車高が低いモンスターだったんですが、身長150センチの私にとっては決して足つきがいいとは言えず……。それを見かねた会社の人がいろいろ助けてくれて、原佐知子仕様にしてくれました(笑)。
―― 足つきがよくなるローダウン仕様に、ですね。
原:シートを肉抜きして、リアサスペンションを短く、そしてフロントフォークを突き出させました。さらにハンドルが手前に来るよう、プルバックタイプのハンドルバーに交換したんです。おかげで大変乗りやすくなりました。
―― 最近はボローニャ(ドゥカティ本社)も足つきを考慮したシートを作ってくれるようになりましたが、身長150センチでドゥカティに乗るのはなかなか大変だったでしょう……。
原:今はすっかり慣れましたけどね。こないだ小柄な女性が「私は身長160センチもないほど背が低いから」って言っていたんですが、私から見れば全然低くない(笑)。
―― やっぱり足つきは気になりますよね。
原:「乗り慣れてくれば全然気にならない」って言われますけど、免許取り立てで初バイクともなれば、足が着くかどうかは非常に大きなファクターです。でも、足の腹の部分が設置してくれてさえいれば、最初の不安感はかなり払拭されます。
―― 原さんがおっしゃると、説得力がありますね。
原:今まで身長が低いことがコンプレックスだったんですが、バイクの世界に来てからそれが強みになりました。「私でも乗れるんだから、大丈夫!」って自信をもってオススメできるんです。
決めゴトを作らなくていいバイク
―― 先ごろ、排気量400ccのスクランブラーSixty2に買い換えられましたね。
原:最初は800ccのスクランブラーを検討していたんですが、デビュー年は想像以上の人気から在庫していた販売車両がすべて売れてしまいまして。当然ですが、お求めくださるお客様に一台でも多くお届けせねばなりませんので(笑)。
―― 排気量400ccのスクランブラーを選ばれたわけですが、大型バイクに乗っていた人からすると、少々物足りないのでは。
原:最初は私もそう思っていましたが、実際は全然そんなことなくて、「これで十分じゃん」という乗り味でしっかり楽しませてくれるんです。しかも日本仕様はローシートが標準装備なので、足つきの不安もないんです。
―― 車重の軽さも、女性には嬉しいところですよね。「ポストヘリテージ」というコンセプトに則ったビンテージ感あふれるデザインもスクランブラーの大きな魅力だと思います。
原:イタリア人の解釈による「アメリカの自由」が表現されたバイクなんです。自己責任を理解した上でのカジュアルで自由な楽しみ方って、アメリカ人にとっては当たり前のことだけど、イタリア人や日本人が考えると違ったニュアンスになりますよね。そんな新鮮な自由さが魅力的だと思います。
―― 縛られない楽しさ、でしょうか。
原:「決め事を作らなくていいバイク」かな。「このバイクに乗るなら、こういう格好をしなきゃいけない」って風潮がありますけど、スクランブラーはどんなスタイルで楽しんだっていい。スクランブラーに乗ることがひとつの自己表現になっているんです。2016年4月に初のスクランブラーミーティングを横浜で開催したんですが、今までのドゥカティでは見られなかった自然発生的なコミュニティが生まれていて、「これもスクランブラーならでは」と感じさせられました。
―― 改めて「バイクに乗る楽しさ」を思い起こさせてくれる一台だと思いますね。
原:何かの理由で降りちゃっているバイク乗りの人たちに、一度乗ってみてほしいんです。久しぶりに乗れば、「やっぱりバイクって楽しいな」って感じさせてくれるはず。また、これから初めてバイクに乗る人にとっても、ちょうどいい緩さで走る楽しみを味わわせてくれます。
―― いろんなことを許してくれる安心感がありますね。
原:400ccのスクランブラーSixty2でもこれだけ楽しめるので、この一台をきっかけに、バイクに乗る楽しみが広がっていってくれるといいな、って思います。
ドゥカティジャパン入社をきっかけにバイクの世界へ足を踏み入れた原さん。なかなか大変なお仕事ながら、その仕事のなかでバイクに乗る楽しみを見出し、その情熱をもってスクランブラー、そしてドゥカティの世界観を広げようと精力的に活動されています。ドゥカティ スクランブラーSixty2に興味を持たれた方は、お近くのドゥカティ正規販売店、またはドゥカティジャパンのウェブサイトで紹介している各地のイベントへGO!
(敬称略)
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