量的緩和の効果は限定的で、ETFの買い入れ額倍増へ

中央銀行のETF購入は、本来は禁じ手!?だからこそ効果も大きい

中央銀行のETF購入は、本来は禁じ手!?だからこそ効果も大きい

今回の日銀追加緩和は日本株にとってそれほど悪くない
でも書きましたが、日銀のETF買い入れ額倍増は予想よりも大きなインパクトがあります。これまで日銀はETF買い入れよりも、国債を年80兆円購入し、対価として80兆円の紙幣を市場へ供給する、いわゆる量的緩和をメインの政策としてきました。「異次元緩和」「黒田バズーカー」などと言われ、株価を「間接的に」支えてきました。こうした量的緩和は規模の差こそあれ、他の中央銀行も行っており、要するに大量マネー供給で景気も良くなるとの期待を市場に抱かせ、株価も上がる仕組みです。しかし大量マネーが要る上に効果不透明で、将来の副作用懸念もある手法でした。

そして、3年以上経過した異次元緩和では、あまり経済成果がでてこず、賞味期限の切れはじめたここで、さらに数十兆円を追加緩和しても、反応薄となってきた市場でどれほど効果があるのか疑わしくなってきたのでした。日銀が大規模供給したマネーは日銀の当座預金として積み上がるだけで市中にはあまり出ていきません。金利は大きくさがりましたが、それでも企業が積極的な投資を行うような動機にはつながらなかったわけです。

こうして日銀の金融政策は行き詰まり気味となりました。そこで今回はETFの買い入れ額を+3兆円足して倍増の6兆円としたのです。80兆円の債券購入と比較すれば資金は少額です。量的緩和という意味では、年間3兆円のマネー供給程度で景気や物価が上向くと思えません。しかし買う資産は国債でなく、株に「直接」向かうため、+3兆円でも充分株価を吊り上げることが可能です。

日銀のETF購入は禁じ手?だからこそインパクトは大きい。更に増額との期待感が出れば日経平均は大きく上昇する可能性

ETF買い入れは他の中央銀行が一切手を出してこなかった「禁じ手」です。逆に言えばそれに手を出すほど日銀は追い込まれているとも言えます。なぜ他国は手を出さないかと言えば、株価とは企業収益から導き出せる価値に基づくとの基本に反するからです。

中央銀行が買うことで、本来ある価値から割高へと株価は歪んで行く事になり、将来の崩壊を生み出す可能性を孕むからです。欧米は元々株式市場の健全性を重視し、どれほど下がっても(中国のように)国が直接株を買い支えることはしません。そしてこれは物価や景気を支える「金融政策」でなく、「株価対策」であり、中央銀行がする仕事でもありません。なお、日銀はもう一つ禁じ手を残しており、それは「最後の禁じ手」と言える購入済み国債の「ゼロクーポン永久債=紙くず」へのすり替えです。もしこれを始めると後戻りできなくなる可能性があります。無秩序に紙幣の価値観を下げる行為で、金が暴騰することになるでしょう。

ともあれ、長期的には問題あるETF買い入れですが、短期的にはインパクト充分であり、株価は上がる方向に動くでしょう。正確には上がると限りませんが、相場が下がる場合でも下支えとなります。いずれにせよ、まともな株価より割高に行く訳です(すでに14年末から行ってきた3兆円の買い入れも若干割高にしたと思いますが、6兆円は大きいと思います)。

日銀ETF買い入れ倍増で日経平均はどこまで上がる?でも書きましたが、過去の外国人投資家買い越し額と日経平均へのインパクトから、恐らく月に400円ほど、年間では打ち消し合う月もあっておよそ2,000円近い下支え効果があるのではないかと思います。仮に今後、増額があって年10~15兆円も買い越せば日経平均は4~5千円も上がるでしょう。したがって、日銀がさらに増額もありうるとの期待感を演出すれば、株価は上がっていくとおもいます。したがって日銀の今後のコメントには要注目です。

参考:日本株通信

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