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しくじる前に知っておきたい偽造薬の正体

「偽物が現れるのは本物が認められた証し」という言い方があります。それが時計や服飾品なら笑って済ませられますが、医薬品の偽物の横行は笑い事では済みません。偽装品の多くは劣悪な環境で作られているため、効果がないばかりでなく、さまざまな健康被害を招く恐れがあるからです。入手しやすく、価格も安いからといって偽造品に手を出すのは愚の骨頂です。

提供:東和薬品

執筆者:All About 編集部

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医師の診断で処方される薬を「医療用医薬品」と呼びます。この薬はドラッグストアや薬局などで自由に買うことができません。シアリス、バイアグラ、レビトラなどのED治療薬も医療用医薬品の仲間です。医療用医薬品は新薬(先発医薬品)とジェネリック(後発医薬品)に分かれます。ジェネリックは、特許期間の過ぎた新薬と同じ有効成分を使った、品質や効き目、安全性も同等な薬です。こうした流れを逆手にとって、これまで以上に隙間を狙った偽造薬が巧妙に流通しています。被害に遭わないためには正規品以外の怪しげな製品には絶対に手を出さないことです。

「自分の買ったものは本物」と思い込む

偽物が多いことが分かっていながら自分だけは大丈夫と考えるネット購入者

偽物が多いことがわかっていながら自分だけは大丈夫と考えるネット購入者

ED治療薬を扱う製薬会社4社が行った合同調査(2009年)によると、インターネットで購入したED治療薬の55.4%が偽造品でした。その内容は、有効成分をまったく含まないもの、まったく違う成分を含むもの、不純物を含むものなど、悪質なものばかり。

偽造品の存在に対する同様の調査(2011年)では、
・「ネット上には偽造品が出回っていると思う」=97.5%
・「偽造品と本物を区別できないと思う」=75.4%
・「自分がネット購入したものは本物だと思う」=87.7%
という結果となりました。

つまり、ネットを利用する購入者は、ネット上には偽物が多いことも、本物と見分けにくいことも知っているのに、自分の買ったものだけは本物だと思い込んでいる実態が浮かび上がりました。

危機意識が甘いネット購入者

実際、ネット購入には、たくさんのリスクが潜んでいます。例えば、厳しい安全基準に則って製造される正規品と異なり、偽造品の製造現場は不衛生で、品質管理もできていません。不純物が混入する可能性は極めて高いといえます。

偽造品が怖いのは効果がないばかりでなく、不純物の混入による思わぬ健康被害を及ぼす場合があることです。何が含まれているか分からない物質を服用することで引き起こされた健康被害は対処方法がわからないため、重大な事態を招き、場合によっては死に至ることもあります。

まったく有効成分の入っていないものが高額で販売されたり、注文したものが届かなかったりすることは珍しくありません。経済的にも大きな損失です。それらが国内外の反社会的組織の資金源になっている場合もあるのです。

スキミングの被害に遭ったネット購入者の例も報告されています。身に覚えのない変なメールやダイレクトメールが頻繁に送られてくる場合には、流出した個人情報が勝手に使われている可能性もあります。

見分けるのが難しい偽造品

ED治療薬の偽造品はいずれも正規品にそっくりの形や色をしたものが多く、一目見ただけでは専門家でも判別が困難です。

それらはネット上では「本物である」「海外で製造されたジェネリックである」などと偽って売られているので注意が必要です。

たとえ、形や色が似ていて、極めて精巧に作られていたとしても、容量が目安になる場合があります。例えば、シアリスは50mg、100mgとも世界的に正規品として存在しません。同様に、バイアグラの100mgは国内で製品化されておらず、300mgは世界的に正規品として存在しません。さらに、レビトラも100mgやカプセル剤は世界的に正規品として存在しません。

偽造薬には適用されない副作用救済制度

「君子危うきに近寄らず」。安すぎるネット商品には手を出さないことが賢明

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ジェネリックは厳しい試験を通り、国の基準や法律に基づいて製造・販売されているので品質や効能、安全性に問題はありません。

ただし、日本で販売されるED治療薬でジェネリックがあるのはバイアグラだけで、シアリスとレビトラにはまだ存在しません。ですから、シアリスとレビトラのジェネリックといわれたら間違いなく模造品です。

にもかかわらず、それらのジェネリックと称して堂々とビジネスしているサイトがあります。冒頭で触れたように、ED治療薬は医療用医薬品であり、医師の処方箋が必要な薬剤です。こうして入手した薬で引き起こされた副作用に対しては副作用救済制度が適用されません。

医薬品医療機器等法(旧薬事法)では、並行輸入品で副作用が起こった場合、通常、医師の責任となります。しかし、海外物を扱っている一部のクリニックでは患者に自己責任である旨の誓約書を書かせているそうです。

偽造品の多くは処方箋なしで買えることや値段が安いことを売り物にしてネット上で販売されています。しかし、それらによって入手のしやすさ以上の健康被害を受ける恐れがあるので、決して購入しないようにしてください。

>>ED治療薬にもジェネリック品はあるの?
>>通販のED治療薬は信用できるのか
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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