「自分の買ったものは本物」と思い込む
偽物が多いことがわかっていながら自分だけは大丈夫と考えるネット購入者
偽造品の存在に対する同様の調査(2011年)では、
・「ネット上には偽造品が出回っていると思う」=97.5%
・「偽造品と本物を区別できないと思う」=75.4%
・「自分がネット購入したものは本物だと思う」=87.7%
という結果となりました。
つまり、ネットを利用する購入者は、ネット上には偽物が多いことも、本物と見分けにくいことも知っているのに、自分の買ったものだけは本物だと思い込んでいる実態が浮かび上がりました。
危機意識が甘いネット購入者
実際、ネット購入には、たくさんのリスクが潜んでいます。例えば、厳しい安全基準に則って製造される正規品と異なり、偽造品の製造現場は不衛生で、品質管理もできていません。不純物が混入する可能性は極めて高いといえます。偽造品が怖いのは効果がないばかりでなく、不純物の混入による思わぬ健康被害を及ぼす場合があることです。何が含まれているか分からない物質を服用することで引き起こされた健康被害は対処方法がわからないため、重大な事態を招き、場合によっては死に至ることもあります。
まったく有効成分の入っていないものが高額で販売されたり、注文したものが届かなかったりすることは珍しくありません。経済的にも大きな損失です。それらが国内外の反社会的組織の資金源になっている場合もあるのです。
スキミングの被害に遭ったネット購入者の例も報告されています。身に覚えのない変なメールやダイレクトメールが頻繁に送られてくる場合には、流出した個人情報が勝手に使われている可能性もあります。
見分けるのが難しい偽造品
ED治療薬の偽造品はいずれも正規品にそっくりの形や色をしたものが多く、一目見ただけでは専門家でも判別が困難です。それらはネット上では「本物である」「海外で製造されたジェネリックである」などと偽って売られているので注意が必要です。
たとえ、形や色が似ていて、極めて精巧に作られていたとしても、容量が目安になる場合があります。例えば、シアリスは50mg、100mgとも世界的に正規品として存在しません。同様に、バイアグラの100mgは国内で製品化されておらず、300mgは世界的に正規品として存在しません。さらに、レビトラも100mgやカプセル剤は世界的に正規品として存在しません。
偽造薬には適用されない副作用救済制度
「君子危うきに近寄らず」。安すぎるネット商品には手を出さないことが賢明
ただし、日本で販売されるED治療薬でジェネリックがあるのはバイアグラだけで、シアリスとレビトラにはまだ存在しません。ですから、シアリスとレビトラのジェネリックといわれたら間違いなく模造品です。
にもかかわらず、それらのジェネリックと称して堂々とビジネスしているサイトがあります。冒頭で触れたように、ED治療薬は医療用医薬品であり、医師の処方箋が必要な薬剤です。こうして入手した薬で引き起こされた副作用に対しては副作用救済制度が適用されません。
医薬品医療機器等法(旧薬事法)では、並行輸入品で副作用が起こった場合、通常、医師の責任となります。しかし、海外物を扱っている一部のクリニックでは患者に自己責任である旨の誓約書を書かせているそうです。
偽造品の多くは処方箋なしで買えることや値段が安いことを売り物にしてネット上で販売されています。しかし、それらによって入手のしやすさ以上の健康被害を受ける恐れがあるので、決して購入しないようにしてください。
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