注文住宅/家づくりのイメージづくり・アイデア

“高さ”が重要!室内を広く心地良くみせるコツ

室内における広さの開放感をつくり出すには、高さ方向をどう考えるのかが大切です。平面的なm2(面積)ではなく、立体的なm3(体積)で考えることがとても重要なのです。

佐川 旭

執筆者:佐川 旭

家を建てるガイド

室内の広さはm2(面積)ではなくm3(体積)で考える

広さ・形・大きさをあらわすものとして、スケール・プロポーション・サイズといった言葉が用いられます。スケールは感覚的な大きさや長さ、広さのバランス、プロポーションは全体のつり合い、サイズは実用性や機能性との結びつきを表します。
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  スケール・プロポーション・サイズのイメージ

  • スケール:感覚的な大きさや長さ、広さのバランス。「縦」×「横」×「高さ」(m3)で表現できます。
  • プロポーション:全体の割合、比例、均衡。
  • サイズ:実用性や機能性との結びつき。「縦」×「横」(m2)で表現できます。

住まいの広さは一般的に○○m2や○○畳、といった具合で図面に書かれています。これらを用いる理由は、馴染みがある単位なので広さの感覚がつかみやすいから。しかし室内における広さの開放感をつくり出すには、高さ方向をどう考えるのか、つまり立体的なm3で考えることがとても重要なのです。

室内を広く心地よくみせるコツ

戸建住宅の階高は一般に3.0mで、天井ふところ(※)を50~60cm確保すると天井の高さは2.3m~2.5mでつくられます。この寸法を基準にいかにメリハリをつけるかが広くみせるコツとなるのです。

(※)天井ふところは、下の階の天井と上の階の床にはさまれた空間のこと。住居内の配線や配管スペースなどとして使われる

■平天井と間接照明を組み合わせて広くみせる
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天井近くの壁に幕板をつくり、照明器具が見えないようにして天井を照らす。間接照明の光が面として広がりをつくってくれます。

■リビングの天井を高くして広くみせる
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ダイニングキッチンの天井をリビングの天井よりも30~40cm下げる。そこにできた段差を利用して間接照明をつけることで、より広がりを感じることができます。

■天井の高さに強弱をつけて広くみせる
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ダイニングキッチン側の天井高を2.3m程度に抑え、リビングのみを吹抜けとする。この場合気をつけることは吹抜けの高さが5.0m超えるケースです。必要に応じて高さの調整を行うことが大切で、あまり高いと心地良さが感じられなくなってしまいます。

■大きな吹抜けで広くみせる

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大きな吹抜けは空間を単調にしてしまい、大きさを認識しにくくする場合があります。柱・梁・小屋束などの構造体をあえてみせることで、視覚的なガイドにすることが大切です。空間のスケール感をつくることができます。

実例

■木造2階建 天井の高いリビング
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吹抜け空間のボリュームをあまり大きくせずに、2階の一部に家事コーナーを設けている。1階と2階が親和的につながることを意識している。

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キッチン側の天井の高さを抑えて、リビングのみを吹抜けとしている。そうすることでリビング天井はより開放的に感じる。


設計:(株)佐川旭建築研究所


※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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