機能美が光る革財布4選、その魅力とは?
お金がなければ移動することもできないこの世の中、財布は常に手放せない存在です。見た目に美しいか? ステイタスを感じさせるか? も重要ですが、やはり毎日使用するものですから、実用性はなおざりにできません。いくら見た目がかっこよくても、小銭入れの大きさやカードの収納枚数などの実用性が自分のスタイルと合っていなければ台無し。いくら高級ブランドのジャケットでも、パツパツやダボダボではかえって魅力が大きく損なわれるのと同じで、自分にフィットしていることが前提です。
ブランド側も、実用性を重視した財布を熱心に開発しています。なぜなら、一度「使いやすい!」と思ったユーザーは、リピーターになってくれますから。そんなこともあって、財布の実用性は日々進歩しているのです。そこで今回は、「これは便利!」と頷けるようなモデルを紹介します。
カード枚数が多い人に便利なキプリスの「ハニーセル」
多くの小物ブランドを展開するモルフォ社が意匠登録した「ハニーセル・カードポケット」は、まさに発明と呼ぶべき独自の収納構造です。その名の通り、ハチの巣のようにカード室が互い違いになった構造なのですが、これのスゴイところは、ポケットを開いたときにカード一枚一枚が整然と立ち上がるところ。全体が扇状に広がるため、列の間にスキマが生まれ、視認性や取り出しやすさも高まります。それでいて、閉じればフラットな状態になりますから、厚みも出ません。縫製はかなり難しいらしく、高い技術力を持つモルフォならではの機能と言えるでしょう。モルフォ社のいくつかのブランドで採用されていますが、お薦めはキプリスの「ハニーセル長財布(ラウンドファスナー束入) シラサギレザー」。「ハニーセル」を含め、全21枚ものカード収納を備えていますから、ショップカードを大量に持ち歩く買い物好きな人にピッタリです。シラサギレザーと命名された希少なオランダ産キップも美しく、2015年には1年で1400個以上も売れたとか。この「ハニーセル」に惚れ込み、実は当誌MonoMaxでも別注モデルを作り、大きな反響がありました。ついカードが増えて困っている、という人に最適です。
(問)モルフォ
03-5638-6701
http://basic.cypris.co.jp/
http://www.noi-japan.com/noijapan/7.1/108238/
パーツを自分好みに変えられるクランプの「着脱式ウォレット」
いつもは収納力のある長財布を使っているけど、ちょっとそこまで出掛けるなら小銭入れだけでもいいのに……と思ってしまうこと、ありませんか? 用途ごとに財布を使い分けたいというニーズに応えるのが、クランプが特許を取得した「着脱式ウォレットシリーズ」です。
財布の中に、別売パーツをスライドして着脱できるギミックを採用。財布の小銭入れ部分だけを取り外して持っていく、という使い方ができるんです。それも嬉しいことに、ドッキングさせるパーツは、「フラップつきのコインケース」「ファスナー式コインケース」「カードケース」の3タイプから自由に選べます。
上の写真で紹介しているのは「着脱式ロングウォレット (Cr-146)」。2スロット用意されていますので、「小銭入れを種類別に2つつける」「すべてカード入れにする」なんてことも可能。カラーも8色あるので、自分好みにアレンジできますし、イタリア・トスカーナ州で昔ながらの製法で作られたレザーの風合いも魅力的なんです!
この長財布のほか、横型二つ折財布と縦型二つ折財布も展開。色バリも含めると、そのカスタマイズ数はスゴイことになりそうです。
(問)池之端銀革店
03-3828-6605
http://www.ginkawaten.co.jp/
シンプルながらかなり使えるスロウの「着脱できるカード仕切り」
スロウと言えば、フルベジタブルタンニンの栃木レザーを使い、素材の味わいを最大限に引き出したブランドとして有名。そうした質感の魅力にばかり目が行きがちなのですが、実用性面でも優れているんです。財布の中で売れ筋No.1という「ダブルオイル ロングウォレット」も、たっぷりのオイルを加脂して生み出された素材の艶感や、丁寧に処理されたコバといった部分も魅力なのですが、今回注目すべきは、その中身。カード室に並んだ仕切りが、取り外し可能なんです。これによって何ができるかというと、「カードを多く持つ人は挿入し、少ない人は取り外して薄マチで使う」「仕切りを入れて札室を増やす(仕切りなしでも2室あり)」「仕切りごとカードを取り出し、ボディバッグなどに入れて持ち歩く」など。ここにショップカードをまとめておき、買い物に行くときだけ財布に挿入する、という使い方もできそうですね。
現代の財布事情で悩みのタネになりがちなのは、やはりカード。シンプルなギミックですが、かなり使えると思います。
(問)スロウ自由が丘店
03-5731-3374
http://www.slow-web.com/
コインケース感覚! ポーターの「カードポケット付き小銭入れ」
クレジットカードはもとより、電子マネーが使える店舗が急増しています。買い物のたびにお金を数えたり、小銭が増えてしまうのを嫌って、ほとんどをカードだけで済ませてしまおうと考える人も少なくありません。しかし、日本中どこでもカードだけで生きていけるかというと、そうではないのも事実で、現金も必要でしょう。そこで使えるのが、この「ポーター ウォール ウォレット」。いわゆる三つ折タイプですが、注目は大きなL字ファスナー式ポケットです。内側にカードポケットが設けられており、よく使うクレジットカードや電子マネーのカードを入れておくことができます。たいていの買い物はその部分の開閉だけで済みますから、いちいち財布を大きく広げる手間がかかりません。コインケース感覚で気軽に使える財布、というようなモデルです。
フランス産の原皮をイタリアのタンナーがなめし、表裏両面にロウ引き仕上げを施したという牛ショルダー革の質感も魅力的。使い込むほどに、深みのある艶が出てくる過程も楽しめます。
(問)吉田
03-3862-1021
http://www.yoshidakaban.com/
自分のスタイルに合いそうな財布、ありましたか? 実用性という視点で見てみると、財布にもいろいろな工夫がなされていることがわかります。みなさんも、ぜひ吟味してみてください。
モノ雑誌売上No.1『MonoMax』編集長を務めるガイドの最新情報>>