消費税増税延期は社会保障に大きく影響を与える可能性が

消費税

消費は上向くことになるか!?

2016年6月1日、安倍内閣総理大臣の表明により、消費税10%への引き上げが2019年4月へと再び延期されることが実質的に決定されました。

この再延期がもたらす影響にはどのようなことが考えられるでしょうか。最も影響が大きいとみられることは、社会保障関連であると考えられます。今回は、消費税増税再延期がもたらす影響について考えていきたいと思います。

社会保障の中でも、増税延期は特に年金や介護、子育て支援などに影響が出てくるものと想定されます。年金については、消費税の10%引き上げを前提に、公的年金の受給資格期間(最低加入期間)を25年から10年にする予定でしたが、これが延期になります。本来はこの制度見直しにより、およそ17万人の方が無年金にならずにすむ見込みでしたが、場合によっては無年金に陥る方がでてくる可能性があります(ただし、任意加入等で対処は可能)。

また、受け取る年金が少ないがために低所得となっている高齢者へ、最大月5000円の給付を行う福祉給付を行う予定であったものの、これも消費税が10%へ引き上げることが前提となっているためどうなるかわかりません。なお、すでに2017年度増税実施時の前倒し措置として2015年度補正措置により年間3万円の支給実施が行われていますが、果たしてこうした給付が継続するのか、財源はどうなるのか、といった問題は生じてくることでしょう。

介護保険料軽減が続くかどうか

介護保険にも影響が出てきそうです。介護保険の第一号被保険者(65歳以上)の方のうち低所得に該当する方は保険料が軽減される措置が取られていますが、この財源も消費税増税を当てにしていた部分が大きいといえます。また、介護現場で働く人たちの待遇改善に充てることになっていた財源も確保ができるのかがわからなくなってきました。
消費税増税の再延期によりこうした措置が延期や停止となるのかどうか、今後の政策動向に注目する必要があります。

保育所設置などにも影響が出るおそれあり

保育所設置など子育て支援にも影響が出るおそれがあります。施設の整備だけではなく、保育士の労働環境の改善などの対策財源にも影響が出てくる恐れがあります。

こうした社会保障は消費税増税による安定的な財源確保が見込まれていた部分が大きいといえ、こうした財源を国債発行等でまかなうのか、対策自体も延期などとなるのか。仮に国債発行等で賄うならば財政再建への影響が大きく出てくることになるでしょう。一方で、対策をしないといったことは将来の社会保障や少子高齢化対策にも禍根を残すことになりかねません。

また、なんといっても消費税増税は借金返済に充てる部分も含まれています。これが延期となることはその分借金が膨らむことにもつながります。たった2年間の話とはいえ、将来へツケを先送りすることになります。

もちろん、消費税増税延期はマイナス面ばかりではありません。プラス面としては、消費へのマインド低下を防ぐことができる点です。増税延期により消費マインドが上向き、それが経済成長のけん引役となる。そしてその効果が大きく見込まれる場合には、再延期してよかったということになります。

最終的にどうなるかは神のみぞ知る世界です。いずれにせよ、再延期が実質的に決定した今、私たちにできることは選挙等を通してより良い道を選ぶ政治家を輩出することでしょう。そして、財源確保・借金返済に知恵を出してもらうしかありません。
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