歯科インプラント

歯科インプラントを再埋入すること

治療方法が確立され、施術者の技術も大きく進歩してきたインプラント治療にも、少なからずリスクはあります。インプラントは埋入したら終わりではありません。天然歯であっても毎日の歯磨きや定期的な検診・メインテナンスは必須。万が一インプラントを埋入した部分にトラブルが発生してしまったらどうすればよいのでしょうか?

梅田 和徳

執筆者:梅田 和徳

歯科医 / 歯科インプラントガイド

インプラント手術から数年…不具合発生の原因は?

インプラントで悩む女性

インプラント手術から数年…せっかくのインプラントに不具合が出てきたら、どうすればよいのでしょうか。

インプラント手術後数年が経過すると、何らかの原因でインプラントに不具合が発生する事があります。原因は様々ですが、もともと体質的に骨の血流が悪くインプラントが合わない場合やヘビースモーカーや糖尿病といった後天的にインプラント部分に影響が出る場合があります。

それ以外の原因としては、日々のメインテナンスの不足によるインプラント周囲炎や咬み合わせによる長期的な負担によりインプラントを支えている歯槽骨が不足してしまうケースが大きな要因となりえます。炎症が比較的軽度な場合はケアにより現在のインプラントをキープすることも可能ですが、周囲炎が進行し骨が大きく吸収されてしまった場合はインプラントをしっかりと支えることが出来なくなってしまうため、結果的にインプラント自体を撤去してしまわなければならなくなります。

インプラントの撤去からリカバリーまで

骨吸収により撤去せざるを得なかったインプラント(上)同じ箇所に骨再生を施しながら再度インプラントを埋入(下)

骨吸収により撤去せざるを得なかったインプラント(上)同じ箇所に骨再生を施しながら再度インプラントを埋入(下)

炎症と骨吸収が進み撤去せざるを得なくなってしまったインプラント。きっと多くの人はインプラント治療をするために手術をしなければならないという大きな覚悟とその為に必要な治療費や治療期間といった大切な物を差し出す大きな決断をして埋入手術を受けているのではないでしょうか?

その覚悟と決断で受けたインプラントを撤去しなければならないというのには抵抗がある事でしょう。

しかし、ご安心ください。例え撤去を避けられずとも、条件を整える事が出来れば再度インプラントを埋入することができます。撤去の原因である骨吸収はインプラント埋入前、もしくは埋入手術と同時に骨補填などの再生治療を行う事で再度同じ箇所へのインプラントの埋入が可能になります。

インプラントを長期的に保つために必要なこと

いくらインプラントが再埋入可能であっても、出来れば一度の埋入手術のみで治療を順調に進めたいし日々の生活をより快適なものにしたいはずです。その為には自身のメインテナンスも非常に大切ですが、歯科医院に通い定期的に点検をしてもらい、プロによるメインテナンスをしてもらう事も重要になります。

どんな問題でも早期に発見して早め早めに対応した方が大きなトラブルになってから治療を始めるよりも圧倒的に簡単で負担も少ないでしょう。それが身体、医療、健康に関する事であればなおさらなのです。世界では100種類を超えるインプラントシステムが開発されています。様々なメーカーのインプラントを治療箇所や口腔内の状況により使い分けをしている歯科医院も多いかと思います。取り扱うインプラントの選択肢が多い分、ひと昔前だと通院している医院に取り扱いが無く他院で埋入したインプラントのリカバリーが出来ないこともあったかもしれません。

しかし、現在では多くのメーカーを取りそろえた医院も増えています。コンビニよりも多いと言われている歯科医院。医院を選ぶ材料として自分のインプラントをリカバリーしてくれる医院を探すという基準で医院を選択するのも一つの方法かもしれませんね。
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