自民党大勝で急騰の日本株!今後はどうなる!?
与党圧勝で急騰した日経平均。今後はどうなるのか?
一方、世界的に見ても株価は上がりやすい環境です。日本や欧州の大規模量的金融緩和が続く中で、米国、ドイツ、日本の国債利回りはそろって史上最低を記録するような状況にあるためです。金利の低下は株などのリスク資産にとって支援材料となりますし、流動性が十二分に供給されているため、少しぐらいのリスクは覆い隠されてしまうような状況です。
また、米国を見ると、ISM協会発表の景況感指数も、製造業、サービス業とも非常に強いものとなったり、雇用統計でポジティブサプライズが出るなど、米国景気は健全で、底堅く思われます。さらに英国のEU離脱に伴い、利上げ見通しが後ろ倒しとなり、好景気時の低金利状況という株式市場にとって非常に良い環境となっています。
したがって、世界的に金融相場継続に伴う株価上昇が目先は継続するというのが基本スタンスになると思います。
短期上昇トレンドの後には不安材料も
ただ、短期の見通しは明るいところだと思いますが、その後はまだ不透明な部分が多いとも思います。たとえば、期待感で7月末までに上げるだけ上げた後に、日銀の金融政策決定会合で期待した結果が出ずに円高&株安を招くというシナリオも十分あり得ます。世界的にも英国不動産ファンドの解約問題に伴う英国不動産価格の下落懸念や、ドイツ銀行やイタリア、スペインの銀行をはじめとする欧州銀行の経営危機問題、中国の過剰債務問題もあります。ちなみにブレグジットの震源地である英国の主要株価指数であるFTSE100はポンドの急落(通貨安)によって輸出が回復する効果が見込まれ、10ヶ月高値を更新し、離脱騒動を克服しました(ただしドルベースで見ると、EU離脱決定前の株価を戻していません)。しかし、欧州48の銀行株・総額100兆円規模で構成されるSTOXX銀行株指数は全く違ったチャートを表しています。全戻しはおろか、現状ごく弱い戻りを見せた程度で、完全に下落トレンドにあります。現状金融危機を示す兆候は見られませんが、この銀行株の下落ぶりには安堵できません。
これらの問題は直ちに株価を下落させる直接的な原因にはなりませんが、何か突発的な出来事が引き金となった時に、再びクローズアップされてくることはあると思います。キッカケ1つで相場見通しが急旋回するリスクは以前より増していると思います。したがって、7月末ぐらいまでは強気相場に乗っていくとしても、短期上昇トレンドの後、8月のお盆頃にかけて再び急落という、良く過去に見かけた筋書きにも十分注意しながら投資を行っていきたいところです。
参考:日本株通信
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