アジア

赤く輝く山肌の絶景!中国の丹霞地貌が異次元

2009年、張芸謀(チャン・イーモウ)監督の映画「女と銃と荒野の麺屋」の舞台となり、近年中国人観光客にも徐々に認知されてきている絶景、甘粛省張掖(ちょうえき)の丹霞地貌(たんかちぼう)を紹介します。今後、日本でも人気が高まって人が押し寄せる前に情報を先取りしましょう!

中原 健一郎

執筆者:中原 健一郎

海外旅行ガイド

丹霞地貌(たんかちぼう)とは

近年人気上昇中の張掖・丹霞地貌の絶景。夕暮れ時、特段に赤く美しく色彩を放つ自然の神秘に感動を覚えずにはいられない。

近年人気上昇中の張掖・丹霞地貌の絶景。夕暮れ時、特段に赤く美しく色彩を放つ自然の神秘に感動を覚えずにはいられない。

丹霞地貌(たんかちぼう)とは、堆積した砂礫岩が長期の風化や浸食によって、独特の険しい山容や渓谷を形成している地形のことで、中国南部広東省にある丹霞山が名前の元になっています。

中国語で「丹」は赤、「霞」も朝夕焼けの赤を意味し、丹霞地貌もその名の通り赤みがかった山肌の色彩の美しさが特徴です。

丹霞地貌そのものは中国に何カ所かあり、「中国丹霞」として2010年に世界遺産登録されていますが、今回ご紹介する張掖(ちょうえき)のものはそのリストに入っていません。そんなところが、絶景なのに未だ知名度が低い理由の一つかもしれませんね。しかし、その景色の美しさは随一です!

ちなみに某ガイドブックの前版では星一つの扱いでしたが、最新の2016年版では星二つに格上げされています。今後どう変わるのでしょうか!?
赤みがかった堆積層が幾重にも折り重なる

赤みがかった堆積層が幾重にも折り重なる

張掖(ちょうえき)・丹霞地貌(たんかちぼう)の場所

張掖はシルクロードの入口、甘粛省の河西回廊と呼ばれる交易路沿いの町

張掖はシルクロードの入口、甘粛省の河西回廊と呼ばれる交易路沿いの町

中国の西北部、甘粛省の張掖という町の近くにあります。甘粛省はかつて三蔵法師玄奘や法顕が仏典を求めて渡った河西回廊に位置し、ウイグル自治区やシルクロードの入口といえる交通の要衝です。

ちなみに、甘粛省といえば莫高窟のある敦煌が有名ですが、張掖もかつては敦煌、酒泉、武威と並んで河西四郡と呼ばれた町の一つでした。

 

主要都市から張掖への行き方

張掖にも空港はありますが、運行便数などの関係で利用はあまり現実的ではありません。となると列車やバスでのアクセスということになりますが、一番便利なのは(意外かもしれませんが)青海省の省都「西寧」です。
西寧駅前の風景。西寧は青海湖で有名な青海省の省都

西寧駅前の風景。西寧は青海湖で有名な青海省の省都


西寧からは新幹線和諧号で2時間弱、近年建設された「張掖西駅」に到着します。一等車が110元(約1770円)、二等車なら92元(約1480円)です。切符は一等車からなくなっていきますのでお早めに。

もちろん甘粛省の省都「蘭州」からもアクセスできます。先ほどの和諧号が西寧経由で約3時間弱、普通の列車なら武威を経由して約5~6時間で「張掖駅」に到着します。
蘭州名物“牛肉ラーメン”は市内のいたるところで食べられる。一杯100円ほど。

蘭州名物“牛肉ラーメン”は市内のいたるところで食べられる。一杯100円ほど。

いずれの都市からもバスの便は充実していますが、時間や体力のことを考えると列車を利用した方がいいでしょう。ただ、武威方面からバスで向かう場合は車窓右側に「万里の長城」が見えますよ! 建築当時から修復も何もされず、今や単なる土壁と朽ち果てている万里の長城です。歴史ロマンに興味のある方はぜひ。

張掖から丹霞地貌への行き方

張掖市内からはバスで行くか、車をチャーターして行くことになります。バスはターミナルから「丹霞地質公園」行きで約1時間。もしくは「粛南」行きに乗って「南台村」で下車、あらかじめ運転手に伝えておけば丹霞地貌入口を教えてくれるはずです。しかしいずれも帰りの最終バスの時間が早い(午後6時頃)ため、後述しますが一番美しいと言われる夕暮れの景色を見ることができないのが難点です。
こんなのどかな農村風景の中を車は進む

こんなのどかな農村風景の中を車は進む

車のチャーターは宿泊のホテルや旅行会社で相談を。簡単に手配してくれるはずです。また、丹霞地貌を含んだ張掖とその周辺の日帰りツアーもありますので、それらを利用するのも便利でしょう。ちなみに、丹霞地貌には東と西と北の入口があり、バスの場合は西入口、チャーターの場合は張掖市内から最も近い東入口を利用することが多いようです。どちらからでも問題はありませんが、窓口や運転手に確認しておくと良いでしょう。

次ページは、園内の周り方について


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