木、ステンレス、アルミ、大理石、真鍮、革、布。素材の魅力とデザインの魅力が詰まったインテリアの横にワークスペースを作るとしたら、どんな小物を置きますか?/撮影場所:天童木工東京ショールーム
素材感は機能のひとつ
日々使う事務用品も、きちんと選ぶと無骨な魅力を備えたアイテムが実は豊富にあります。「金属」のシャープさや、「プラスチック」の軽さや丈夫さ、「天然石」や「革」のもつ独特の高級感など。美しいデスクアクセサリーというのは、「機能と素材の特徴」が合理的に組み合わされたものです。欲しい機能に対して様々な素材でできたアイテムの中から、同じスペースのインテリアですでに使っている素材やカラーを繰り返す事で統一感が生まれます。金属のアイテム
軽いアルミなら持ち運ぶのに適していますし、重い真鍮やスチールなら安定することで役に立つアイテムに向いています。寒色系の金属のアルミやステンレススチールやクロームであればシャープな印象に、亜鉛メッキ(ブリキのようなイメージです)や真鍮、銅などムラのあるテクスチャーや、暖色系の金属は高級感を演出してくれます。●インダストリアルな風合いが魅力「スチールの工具箱」
日本のものづくりを支えている会社・トラスコ中山の工具箱は、用途別に様々なサイズ・カタチの工具箱があります。亜鉛独特の鈍いシルバーや、工場に馴染むカーキ色、鮮やかな赤や青など。
本来は心理的な意味合いや、識別しやすくして間違えを減らすなどの機能をもつカラーリングも、機能とは関係なくインテリアとしても美しい色使いになっています。安全に積み重ねられる溝(平面の変形を防ぐリブの役割もしています)があるので使い勝手がよく、出しっ放しにしておきたくなるようなインダストリアルな風合いがあります。複数の同じカタチ、同じ色で並べることによってインテリア性があがります。
●時間を確認するのが喜びに変わる上品な佇まい「小さな時計 / 銅」
ぽってりとした厚みの枠が、インテリア空間の中に置いても存在感のある「小さな時計」。純銅の赤みを帯びた金属の素材感が華やかで上品な雰囲気を作ります。壁掛けも、附属のスタンドで置き時計にもなるのが魅力。文字盤の樹脂の素材感がレトロモダンな印象で、どこか懐かしいのに新しい独特のデザイン。仕事中に時計を見る、というちょっとしたストレスのかかる状況を、喜びに変えてくれる美しい時計です。
●名作照明がさらにエレガントになった「Original1227 Brass デスクランプ」
1934年にデザインされたOriginal1227 は、スプリングを用いたタスクランプの原型ともいわれています。その復刻版モデルの新モデルは、デザインのポイントとなる接合部に真鍮を用い、使うほどに愛着の湧く、経年変化も楽しみなもの。クラシカルからモダンまで幅広いインテリアにマッチするデザインです。
●クールな印象の仕上げをしてくれる「ステンレスのメモホルダー」
10cm角のメモを収める事ができるステンレス製のメモホルダー。前面にスリットを施し、最後の一枚まで取り出しやすい構造になっています。裏面にはゴムの滑り止めが付いているのでデスクなどを傷つける心配もありません。
●全方向からメモがとれて会話が弾むかも!?「mucu(ムク)のペーパートレイ」
1ミリ厚の真鍮板を折り曲げたシンプルなメモホルダー。どの方向からもメモを取り出しやすいようコーナーがカットされたデザインなので、使い勝手が広がります。手作業で丁寧に仕上げられ、経年変化を楽しめる真鍮独特の素材感も魅力です。
●こぼれないマグとして使いたいシックな水筒「CANTEEN」
●建材のように使いたいシンプルマグネットボード「SPONTAN」
シンプルでサイズ感もよく、建材のように見立てて複数並べて貼っても素敵なマグネットボードです。後述のマグネット式テープカッターや、大理石のマグネットと組み合わせることで、とても上質なインテリアアイテムになります。
●梱包作業を至福の時間にしてくれる!?美しい「テープディスペンサー」
クールな外見に繊細な機能が隠されたテープカッター。独自のフックを使うことでテープ芯のサイズを選ばず使えます。テープカッターとベースは別売りですが、分割することで様々な使い方ができる仕様になっています。人目のつくところで梱包、ラッピングをする環境には機能的な面でも、長く使える面でも、頻度的にも値ごろ感があるのでは。
●細かな仕事道具一式をまとめて移動できて、値ごろ感のある「RASKOGワゴン」
お道具箱だけでは収まらないほどの道具が必要な場合、一式をまとめて動かせるアイテムがあると便利です。コンパクトで360度動くキャスター付き、手頃な価格とシンプルな見た目、カラー展開もシックです。
プラスチックのアイテム
プラスチックの良さは、軽さと丈夫さと発色の良さ、自由な形状が作れるところ。密封性や耐水性にも優れているので、細かな物の収納にも向いています。どうしても安っぽいイメージを持たれる事が多いのですが、艶感と色と厚みに気を配って選べば非常に魅力的な素材です。●ずぼらに入れても絵になる!?カラーリングが秀逸なお道具箱「TOOL BOX」
vitra(ヴィトラ)社のTOOLBOX(ツールボックス)は、デスク周りの小物やアクセサリーなど、細かいものの整理に活躍する収納ボックス。ツールボックスをそのままワゴンやシェルフへ収めたり、持ち手がついているので持運んだりしやすく、固定デスクをもたないワークスタイルでも活用したいアイテムです。
●まるで幾何学体のオブジェのようなゴミ箱「IDIOM(イディオム)ダストボックス」
ごみ箱の存在感を消したごみ箱。取手やペダルもなく、一見ただのアクリルの塊に思えるIDIOMダストボックスは、上部のアクリル板をそっとスライドさせるとごみ箱としての姿を現します。リビングやオフィスなどでも、その存在を気にすることなく過ごせます。
●無造作感が絵になる壁収納の名作「Uten.Silo(ウーテン・シロ)」
1つずつ異なる形、大きさのポケットとフックが配置された壁掛けの収納ラック。緻密にデザインされた美しさと機能性で、1969年の発表以降世界中で長く愛され続ける名作です。中に入れるもの次第で自由自在にアレンジでき、豊富な収納スタイルで個性を表すことができる、見せる収納です。
天然石のアイテム
天然石というと、ちょっと前までは応接セットに使われているようなイメージがどうしてもつきまといましたが、現代にマッチしたアイテムも沢山出ています。先述の天童木工東京ショールームにも展示されていた、不朽の名作フロアーライト・「ARUCO(アルコ)」があるようなシックなワークスペースに、少しずつ揃えていきたい素材です。FLOS(フロス)社を代表する近代照明デザインの傑作・ARCO(アルコ)。ARCOとはアーチを意味しており、重厚な大理石のベースから美しいステンレスのポールが華麗なアーチを描きます。時代のニーズに合わせて、デザインはそのままに光源をLEDに変更した「ARCO LED」/価格:307800円/サイズ:H2400 W2200 シェード:320Φ ベース:H550 W240/ 素材: アルミ ステンレス 大理石 LED/ 写真提供:FLOS
●小さくても大理石だからマグネットも上品に「Livingマグネット」
ライト大理石のマグネットは、シンプルなマグネットボードも高級品に見せてくれます。他にもグリーンマーブルのものがあります。ステンレスや黒塗装のスチール等と合わせて使うことで、資料も美しく掲示できます。
●資料を見る姿も上品に見せてくれるかも!?「ライト大理石のタブレットホルダー」
マグネットと同仕様のライト大理石のタブレットホルダー。天然石独特の重みで据え置きにしておく用途で活躍します。リビングに家族共有のインターネット環境をつくる場合にも、インテリアとの親和性もあります。
● 大理石の働くオブジェ「Cube ollection(キューブコレクション)」
デスクトップを格上げしてくれるキューブ型デスクトップホルダーセット。レタースタンドやペンホルダー、携帯電話スタンドなど、自由に使える3種類の形状でカットされています。1964年イタリア、ヴェローナで創業した大理石加工会社と、若手の外部デザイナーとのコラボレーションによるデザインラインのアイテム。正確なカッティングから生み出される製品は、大理石の高級感はそのままに、現代のライフスタイルに溶け込む仕上がりになっています。
木や革・布のアイテム
素材自体に暖かみのある木や革・布の素材は、少しプラスするだけで、グッと親しみのあるワークスペースを演出することができます。心地よい緊張感を保てるようなさじ加減で、肌に触れるものを中心に少量取り入れることをおすすめします。●木なのにデジタルアラームという意外性がいい「Float(フロート)」
木製なのにデジタルという意外性が面白い卓上時計。デジタル情報ならスマートフォンで正確に確認できますが、アラームを留めるひと時をほっこりさせてくれる素材感は、ちょっとした緊張感を和らげてくれる仕掛けにもなります。
●用途多様に長く使って味わい深く仕上げたい「レザートレイ」
現場作業員の工具入れメーカー。見た目は無骨ながら、頑丈な作りに定評がある、made in USAにこだわったロサンゼルスのファクトリーブランドの革製トレイ。ハードに使っても型くずれしにくく、むしろ、使い込むほどに奥ゆかしい味わいが出てきます。 シンプルながらもクラフト感に溢れる佇まいがデスクに暖かみを添えます。
●親指姫という名前の手頃なサイズ「ゴットランドシープの膝掛け」
ゴットランドシープは、毛の1本1本が太くて縮れており、通常のウール以上の暖かさをもつのが特徴です。この羊の毛色は、幼い時は黒、年をとると白へと少しずつ色が変化していきます。
ゴットランドシープは高級素材ですが、その暖かさは格別。この膝掛けは、生産時に変化して行くそれぞれの成長段階の毛を刈り取った後、丁寧に色を分けてデザインをおこしていくという、手間のかかる作業を経ています。染色は行わない環境に配慮した自然な色合いが魅力で、デザインとサイズと値ごろ感のバランスが秀逸です。
●自立してペン立てにもなってくれる「布製ペンケース」
半分に折り返すとペン立てにもなるペンケースは、そのままバッグに入れて立てたまま出し入れできる所がとても便利です。手にした時に柔らかいのも緊張感を和らげてくれる機能があります。
仕事に少し疲れた時でも、ちょっとした小物から整えてみると気分転換にもなります。その時にお気に入りのアイテムがあると、買った時の事を思い出してみるのもまた頑張るきっかけになるのかもしれません。デスクが買えなかったとしても、将来的に自分らしくて快適なワークスペースを完成させていけたらいいですよね。