ドル円は一時1米ドル100円を割れて99円台まで円高が進行
以前、「103円台突入!止まらない円高。ドル円相場どうなる?」の記事では、ドル円はチャートを見る限り、円高進行が止まったとは言い難いので、円高がまだ進行する可能性があると解説しました。英国のEU離脱の国民投票の結果を受けて、ドル円をはじめ為替市場は大きく動き、ドル円は一時1米ドル100円を割れて99円台まで円高が進行しました。
先の決算発表では、円高進行を懸念した多くの上場企業の想定為替レートは1米ドル110円程度でした。トヨタ自動車(7203)が105円でしたが、それをも割り込む水準。さらなる円高が進行すれば、株式市場に影響を及ぼします。
そこで、株式市場の動向を考える上で押さえておきたい、ドル円市場の今後の動向を考えてみます。
ドル円の現状を確認
まずは、ドル円の2016年からの動きを日足チャートで確認してみましょう。2016年に入ってから一貫して円買いが進み、先日100円を割れてしまいました。丸印で囲みました。
MACDとは
株価が買われすぎか売られすぎかを見る時に使うオシレーター系のテクニカル指標があります。代表的なチャートとしては、RSIやストキャスティクス、MACD等があります。MACDは、移動平均線から算出された二本の線、MACDとシグナルで、売買のタイミングを分析します。短期の線がMACD(短期平滑平均)で、長期の線がシグナル(長期平滑平均)です。
二本の線の動きから株価の買い時と売り時を分析しますが、MACDがシグナルを下から上に抜けると買いサイン(ゴールデンクロス)とし、MACDがシグナルを上から下に抜けると売りサイン(デッドクロス)とします。一般的に、トレンドが出ている時にサインが出やすいとされています。
今後はどう動く?
MACDでドル円を見てみましょう。MACDでドル円の日足チャートを見てみると、今の所MACDとシグナルの線がクロスしていません。買いシグナルは出ていませんが、日本の線の離れ具合をみると、短期的には売られすぎの水準にあると考えることができます。短期的には、下げ止まりが確認できればリバウンドがあるかもしれません。
とは言え、ドル円が上昇トレンドで押し目を形成している場合には、半値押しの水準は100円50銭前後です。しかし、ドル円は今回1米ドル99円台まで円高が進行し、半値押しを達成し、中長期的なチャート形状は底打ちしたとは言えません。
当面は底打ちしたかに注目し、しばらくは短期売買で、吹いたら売り、もしくは戻り売り戦略が良いでしょう。
※投資の判断につきましては、ご自身の責任でお願いします。
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