少々の変化にも耐えられる家計をつくる
「家計」とは、自分と家族が生きていくために必要なお金のことです。増税や景気動向にいちいち翻弄されるような弱い家計ではなく、少々の変化にも耐えられる家計を作り上げることが大切です。家計がグラグラすると精神的にも安定せず、考え方もネガティブになってしまいますが、安定感のある強い家計をつくれば、物事をポジティブに捉え、新しいことに挑戦する勇気も生まれます。
強い家計をつくるコツは、地に足をつけた家計管理をすること
高度経済成長期は、国や会社が「安定や安心」をつくってくれました。所得が増え、将来の不安が少ないので、安心してお金を使え、結果的に消費が増えて経済は好循環でした。人口の年齢構成も経済を悪化させるほどではありませんでした。しかし、現在では少子高齢化のうえ、安定や安心が失われ、雇用不安が高まれば消費は落ち、経済は悪循環に陥ってしまいました。
民主党政権時代、為替(円対ドル)が1ドル70円台後半まで円高が進んだ時、経営を見直し企業努力をした企業は現在収益が伸びていますが、反対に企業努力を怠った企業は経営危機に陥ってしまいました。
同じようにバブル期も浮かれて投資熱を上げていた人と、しっかり地に足をつけて取り組んでいた人とではバブル崩壊後、大きく差が出ました。つまり、企業も個人も苦しい時にしっかり地に足をつけて取り組むことが大事なのです。
私たち個人も、消費税増税、社会保険料の値上げなどで家計の実質所得が増えないうえ、インフレに向かっている厳しい状況にあるといえるでしょう。そのような時に、「これまでのお金の使い方でよかったのか?」と考え、見直すことは、家族と家計を守るためにとても大切なことになります。
これからは、国や会社に依存するのではなく、自分自身で安定や安心をつくり上げる必要があります。
家計の4つのタイヤを意識する
景気がどうなろうとも家計を守り、自分と家族が豊かに暮らしていくためには、「稼ぐ」「貯める」「支出を減らす」「増やす」の4つのタイヤをバランスよく稼働させることが大切です。■稼ぐ
若いうちは、消費税が2%上がるなら、世帯収入を10%上げるくらい、強い心意気を持ちましょう。現状維持でよいと思っていると必要以上の努力をしないので、現状維持すら難しくなります。働けるうちは、収入アップを目指すことを忘れてはいけません。
■支出を減らす
それでも、色んな状況で収入アップが難しい時期もあるでしょう。そんな時は、少ないお金で生きる術を身に付けることです。下手に投資で5%儲けるより、5%節約する方が簡単で確実です。
■貯める
お金を貯めるには時間がかかります。毎月コツコツ貯める習慣を身に付けることが大切です。
■増やす
資産運用は、勉強と経験がものを言いますので、やはり結果をだすには時間がかかります。貯蓄と同じように、コツコツと続けることで学びも経験も深まり、少しずつ利益を実感できるようになります。
このように強い家計をつくることは、どんな時代になっても変わらないお金のルールです。金銭感覚を鍛え、将来を見据えることができるようになれば、チャンスや危機に対する感度も上がるようになります。お金や景気に振り回されず、自分らしい生き方にするためにも、家計管理力をアップさせませんか?
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