日本人の15~20%の人が睡眠不足
厚生労働省のデータによると、日本人の15~20%の人が睡眠不足を感じていて、充分にとれていると答えた人も35%前後と少なくなっています。睡眠不足は注意力や集中力の低下、生活習慣病などを引き起こす原因。将来にわたって健康的な生活を送るためには、寝室の環境を整え、いかに質の高い睡眠を取れるかが重要です。【睡眠を充分にとれている人は35%前後】
【睡眠不足が引き起こす生活習慣病】
- 高血圧…血管に高い圧力がかかっている状態
- 糖尿病…血液中の血糖が異常に高い状態
- 脂質異常症…血液中のコレステロールが高い状態
- 心血管疾患…心臓病、心筋梗塞などによる心臓や血管などの病気
睡眠を安定させる寝室のつくり方
寝室は自律神経をリラックスさせる環境をつくることが大切。それには睡眠を安定させる「メラトニン」というホルモンの働きを抑えない工夫が必要です。具体的には、眠る時間帯に部屋が明るすぎたり、彩度の高い色は使ったりしないこと。特に照明の光は、直接目に入らない工夫をすることです。【睡眠を安定させる寝室は、次のようなことに配慮しましょう】
- 寝室の配置は朝の光が差し込むように東側にレイアウトする。
- 外からの音は50デシベル以内にする。
- 室温は、夏25~28℃、冬18~20℃、湿度は50%程度を目安とする
- 壁材のケイソウ土の含有率は90%をめざし調湿効果を高める。
- 天井の仕上げは板張り、又はベージュ系の色調とする。
- 間接照明とし、頭上から離れたところに設ける。
- 消臭効果のある抗酸化溶液を壁・天井に吹き付ける方法も考えてみる。
これらの他にも天井と床は同じ木目調とし、できるだけ使う色を減らすことです。そうすることで、より落ち着いた雰囲気をつくることができます。
日本の和室は理想的な寝室
私たちの身体は光や色によって筋肉反応を起こします。この反応の度合いを専門的な言葉でライト・トーナスといい、人体に波長の違う光を当て、汗の分泌量や脳波等から筋肉の緊張度を測ります。色ごとにその値が違うのですが、平常時の一般的なトーナス値は「23」という数字で表わされます。ベージュ系やパステルトーン(中間色)がこの値の色です。色と筋肉反応について、詳しくは「部屋の色が健康に影響する!?」もご参考ください。
和室は睡眠を安定させるのに、とても理想的な色が使われています。
日本家屋の中でこの色が多く使われてきた部屋は「和室」で、割合としては70%以上で構成されています。つまり安らぎと安心を与える空間として、和室はとても理想的な色が使われていたのです。したがって寝室として利用するのであれば、睡眠を安定させる空間であるということです。
ちなみに黄は「30」、赤は「42」のトーナス値なので、寝室ではアクセントカラーとして使う範囲であればよいのですが、ベースの色としては使えないということになります。